暗闇にヤギを探して

暗闇にヤギを探して (MF文庫J)
暗闇にヤギを探して (MF文庫J)穂史賀 雅也

メディアファクトリー 2006-09
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おすすめ平均 star
star全体的にモノクローム
starヤギって偶蹄類では……
starまあ・・・・・

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あえて

かなり厳しいことを書く。金返せ。裏切られた感じが強い。
つまらないならこんな風には思わない。どんな作家でもつまらない本を書く可能性は十分にあるし、仕方が無いし。もちろん作品と自分が合わなかったという事もあるから、つまらない事自体ではここまで思わない。最近では「永遠のフローズンチョコレート」が「つまらなかった」ので「星1つ」を付けたけど、ある意味あれより評価は低い。腹が立つ。
明らかな「手抜き」「妥協」「適当」の匂いがラストシーンからするためだ。

この話、

タイトルは独創性に溢れていて面白いし、全体の展開は悪くない。

「ごめんなさい、おいしかったです」

の手紙から始まる突飛な物語は、キャラクターの性格設定などもツボをそこそこ抑えていてなかなか面白いのだけれど、明らかに尻切れトンボなラストシーンが全てを台無しにしてしまっている。
だから余計に腹立たしく感じる。絶対におかしい。ちゃんと仕事しろ。通して読み直したか? まともに時間をかけてリライトしたか? 普通なら絶対にあれで終わりにしないし、普通に本を読んでいる読者なら明らかにあのラストシーンの違和感に気がつくだろう。「あれ、ここで終わり? エピローグは?」と。
気がつかないと思っているのなら読者を舐めているとしか思えない。こんなラストの纏め方、ネット上に氾濫する面白い二次小説にすら明らかに劣る。
新人作家ゆえのミスなのか、また出版社や編集者のせいなのかまでは分からないけれど、正直金を取っていい仕上がりではないと思う。新人とはいえプロなのだから、プロとしてお金を取る仕事をきっちりとして欲しい。
作品全体は個人的には面白いと言えただけに非常に残念。恥を知るべき。

それに、

締め切りを急がせたのか、ページ数の関係か、手間を惜しんだのか分からないし分かりたくもないけど、この作品のラストの失敗に気がつかないとしたらこの本を担当した編集者は辞めた方が良い。
編集者も出版社もこの本を「この状態で」出版した事に対して完全な失敗という意識をきっちり持って、今後こういった事が決して起きないようにして欲しい。
ネット上であまりこの作品に対して怒っている意見が少ないように感じているのだけど、映画だったら編集の段階でラスト5分がカットされちゃって、そのまま上映した映画みたいなもんですよ? 普通金返せって騒ぎになると思うんだけど、ライトノベル読みってみんな優しいのかな? もっと文句を言われてもおかしくないと思う。

僕にとっては

正直このレーベルに対しての信用が下がるほどの作品。新刊で買う必要なし。全体の評価は星3〜4つにしても良いけど、怒りを込めて星1つにする。出版社ごとしっかりやって出直せ。
正直ここまで怒らないでも良いと思われそうだけど、でもこんな作品の出版を許して、当たり前になってしまったら、ラノベは間違いなく衰退します。楽しいとかつまらないとか以前の問題。
・・・今調べたら来年一月に続編が出るらしい。一応読んでみるけど、もし同じ様な事をやらかしたら少なくともこの作者の本は二度と買わない。