ゼロの使い魔
ゼロの使い魔 (MF文庫J) | |
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「正しいツンデレ美少女の作り方」という禁断の魔道書がここにある訳だが。
いえ、全力でのっけからぶっぱなしてしまいましたが、これは間違ってない! ツンデレという言葉はまさしくこのシリーズのためにあったと言っても過言ではないのだ!
そして渾身の力をもってして私はここに宣言するものである。
ツンデレとはルイズ!
ルイズこそツンデレ!
まさしくクイーン・オブ・ツンデレ!
小柄、ツルペタ、ダメッ娘、貴族、箱入り、高飛車、甘えんぼ、ちょっとエッチ、魔法使い。
ありとあらゆるツンデレ萌え要素を詰め込めるだけ詰め込み、じっくり煮込んだスープの先に結実したのがこの「ゼロの使い魔 (MF文庫J)」シリーズに違いない。そらもう、間違いない。
まあ今さら知らない人間も無いと思うけど、「ゼロの使い魔 (MF文庫J)」は主人公の片割れ、平賀才人(サイト)が、ルイズの召還魔法でもって異世界に召還される所からスタートする訳ですが、彼の人間性を説明するために、まさしく異世界に召還されたその夜、ルイズに冷たく扱われ、故郷を思い、しかも還れない現状を思いつつ主人公のサイトが思い浮かべた一文を引用して見ようと思う。
生意気だけどまあまあ可愛いし、ガールフレンドが出来たと思えばいい。出会い系でついついであってしまったと思えばいい。会いに行ったら外国でしたと思えばいい。ついでに留学しますと思えばいい。そう思い込め。思い込め。思い込んだ。俺って単純。偉い。
いや、本当に偉い。人間性とこの作品の方向性がそのまま滲み出た文章。そう、サイトは基本的に抜けているのだ!程よい馬鹿さ加減なのだがこれがまた憎めない。
で。
これのご主人様として振る舞うのがルイズ。貴族で魔法使いだが魔法の方はてんでダメという少女。ルイズの人間性と言えば一巻の段階ではこんな感じ。
「・・・なんであんたはのこのこ召還されたの?」
「知るか」
「このヴァリエール家の三女が・・・。由緒正しい旧い家柄を誇る貴族のわたしが、なんであんたみたいなのを使い魔にしなくちゃなんないの?」
「知るか」
のっけからこうですがまあ基本的にいい子なのですよ。
しかし最初はまだまだツンツンしているのだが・・・これが、これが!じわじわと来るのですよ。時勢の影響というか、才人の頑張りというか、あるいは他の女の子に対するライバル心だかなんだか分からないですが、巻を追うごとにジワリ、ジワリとツンツンが取れて行く訳ですよ。
いや、これは一種の芸術ですよ?この絶妙なさじ加減。ああ、デレなのか!?デレ期がついにやって来たんですね!?コレがあれか!?全て遠き理想郷*1!?黄金のデレ期ですか*2!?とまあこんな塩梅ですわ。
しかも周囲にシエスタという危ないメイドやら、情熱的巨乳魔法使いキュルケ、女王様アンリエッタ、乳革命ティファニアなどなど際どいボールをこれでもか!これでもか!ええいどうだこのやろう!とこの作品は投げてくるんですよ。そらあんた、三振しない方がおかしいって訳で。
まあなにも言わずに読んでみて下さい。ハードな内容のライトノベルの対極にいるような作品ですが、意外や意外、才人やルイズの微妙な心理やらは結構上手く書き込まれていて、読ませます。まああくまで若者向けですが・・・。
実は私、最初この本を読み始めた時、
「おいおい、流石にこんな分かりやすい誘い玉じゃ打ち取れねえよオレは・・・」
とか余裕こいてましたが今や、
「おいおい、流石にこんなに誘われたら乗らねえと人としてマズいだろオレは・・・」
になってました。恐るべきは「ゼロの使い魔 (MF文庫J)」、恐るべきはルイズ。
ラノベ読みなら損しない名作を超えて、魔道書になりつつある「ゼロの使い魔 (MF文庫J)」シリーズ、ぜひ読んでみて下さい。俺に萌えなんて関係ないね!とか思って読まないと損する・・・かも。