ゼロの使い魔(10) イーヴァルディの勇者

ゼロの使い魔〈10〉イーヴァルディの勇者 (MF文庫J)
ゼロの使い魔〈10〉イーヴァルディの勇者 (MF文庫J)ヤマグチ ノボル

メディアファクトリー 2006-12
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おすすめ平均 star
star王道中の王道
star10巻を読む前に
starかわいすぎるよ・・・

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  • まだ本書を読んでいない皆様へ

前巻を読んだ時点で既に「いい加減才人がモテ過ぎなんじゃねえのかコラ、こちとら現実世界で『魔法使い』だぞこのやろう」とか思っていた皆様、こんばんわ。25歳で妖精、30歳で魔法使いだから、妖精のみんなはもうひと頑張りだね。そうそう、予定のないクリスマスイブ(今日は12/22)も10巻の展開も両方厳しいよ。それなりに覚悟はできてるか? 俺は出来てる。

  • もう読まれて感想を探してこちらに来られた皆様

読書中、モテないマリコルヌが騒ぎ出した辺りで胸の辺りが苦しくなって本を閉じた皆様、こんにちは。大丈夫、君は一人じゃない。僕らはトモダチだ。・・・ただし、苦しくならない奴は敵だ!それどごろか苦しむ奴を見て笑う奴は訓練された敵だ!!


いきなり最初から冗談飛ばしてアレですいません。まだ「ゼロの使い魔」シリーズの感想は殆ど1巻の部分にしか触れていないのだけど、せっかくタイムリーだから纏めました。
前巻の引きで、タバサが国家レベルでのエラい事に巻き込まれるのと同時に、才人やルイズはアンリエッタがらみで大騒ぎな訳ですが、10巻ものっけからアンリエッタ方面でかなり飛ばします。痛キモチイイ事に、才人とアンリエッタ、微妙に道ならぬ恋という感じが背徳的で微妙にお似合いです。ハマってます。おかげでルイズとシエスタの機嫌がしょっぱなからレッドゾーンです。

しかしまあ毎度毎度の事ですが、才人もルイズもあれこれと理由をつけて事態を混沌とさせるのが大得意ですね。才人はあくまで使い魔に対するご褒美で色々させてくれてんじゃねえの?とか思うし、ルイズはルイズで才人が「使い魔として与えられた気持ち」で自分を好きなのではないかとか・・・この変なすれ違い感の表現はこう、ヤマグチノボルの真骨頂かもしれないですね。手を変え品を変え・・・うまいもんです。

今回の話の中心はいかにタバサをこちらの陣営に取り戻すか・・・という所だと思いますが、そこに至る決断や行動にルイズや才人の成長が見られますね。この話、いわゆる巨大ツンデレ爆弾イケナイ情熱メイドのせいで目立ちませんが、「自分の信じるべきものは何か?」「自分にを犠牲にしても護るべきものとは何か?」「勇気ってなんだ?」「誇り高い生き方ってなんだ?」といういかにも少年少女らしい問いかけと、それの回答という「成長物語」に意外にページを割いている所が侮れない所なんじゃないかとか思います。そういう意味ではライトノベルの王道を突っ走っているとも言えますか。
個人的に今回気に入ったのはタバサの危機を伝えにやって来るイルククゥです。いい娘だ・・・。キュルケはいい体してるけどもういい、仕方がない。モンモランシーも今回は見せ場が多いですが、こう、あれですね、イラストを見ていると、ギーシュには猛烈にもったいないですがまあこれもまあ仕方が無いと言う事にしましょう。ちくしょう。それにコルベールとアニエスの因縁の対面がまたありますが・・・なかなか読ませます。そんな難しい事を言っている訳ではないですが、しんみりしますね。
モテないマリコルヌは今の所同士と呼んでやってもいいけど、だからといって、

「もうこうなったらきみでいい。抱け」

男がそんなキモイこと言うな。誰もが全力でイヤって言うと思う。
今回はタバサの語る「イーヴァルディの勇者」という話が出てきますが、今後タバサはどうなるのでしょうか?色々とフラグを立てまくる才人がうらやま・・・いや心配ですが、今回もやはり大注目なのは、なにか本当にマズい方向に進化しつつあるルイズです。本当に私はこの「ゼロの使い魔」シリーズが完結するまで悶絶死とかしないでいられるのでしょうか? 段々自信がなくなりつつあります。
これ一冊でみたら星4つ位ですかね。でも十分楽しいですよ。おすすめです。

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