さみしさの周波数

さみしさの周波数 (角川スニーカー文庫)
さみしさの周波数 (角川スニーカー文庫)乙一

角川書店 2002-12
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おすすめ平均 star
starいいから読んどこう
star初 乙一
star心を切なさで癒したい人へ

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ああ、ダメだダメだダメだ!上手だけど星2つ!
とにかくさみし過ぎ! 看板に偽りなくさみしさの周波数直撃でさみし過ぎ! 蒼いうさぎなら読了直後に頓死! そのくらいさみしい。正直にそう思う。一応各短編の紹介。

未来予報 あした、晴れればいい。

うーん、重苦しい。話自体は僅かな希望のある話だけど、負け組の若者は色々な部分で鬱になれる。しかし少女と少年の繋がりの美しい話。でもこれだけならまあ許せる作品かなあ。

手を握る泥棒の話

この作品の中では一番のお気に入り。それでも分厚い雲が頭の上に乗っかっている様な重苦しさ。でもまあ楽しめた。

フィルムの中の少女

過去のフィルムに映り込んだ一人の少女を追いかける話。女性の独り語りで綴られる。悪くはないけど、ちょっとあんまりだ。

失はれた物語

事故で五感の殆どを失ってしまった男の物語。救いはあるが微か過ぎる・・・!

総評

いやもういやがらせかと。暗い、暗過ぎる・・・! せつなさみだれうち
正直読み終わった直後「乙一本人は寂しさを全く理解出来ない作家に違いない」とまで思った。だって寂しさを感じられるとするなら、こんな作品描いている最中にあまりの寂しさに投げ出してる・・・! これを描ききれた乙一は本当の寂しさを知らないのだ・・・! とまで思った。
寂しさや哀しさを文字で弄んでいる。
そう、あまりの寂しさに乙一に悪意すら感じてしまった。もうちょとなんとかしてくれ。読了が辛い。