とある魔術の禁書目録（5）

とある魔術の禁書目録(インデックス)〈5〉 (電撃文庫)
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「禁書目録」シリーズをここまで読んできた人ならまあ行けるかも知れませんけど、結構試練の一冊になりそうな気もします。
簡単に言うと「当麻の異常な夏休み最終日/ または彼は如何にして宿題を片付けるのを止めてトラブル解決に追われるようになったか」という感じの長めのタイトルが付きそうな一冊で、プロローグ＋短編３本で一冊になっているような作品。「ような」と付くので実際に３本に分かれている訳ではありませんが、この３つの事件がほぼ同時並行的に発生して描かれて行きます。各章の頭には日付と時間が書かれていて、この話が8/31の0:00からスタートして9/1の0:00で終わる24時間の話と言う構成になっています。
で、まあ短編として考えた場合ですが、そのうち一本はなぜかあの一方通行（アクセラレーター）が主人公というまっこと不思議な作りになっています。
最初はプロローグのような扱いで、一方通行と打ち止め（ラストオーダー）の出会いが描かれます。打ち止めは今回初登場で、御坂美琴の妹分である「妹達（シスターズ）」のさらに妹の様なロリコン姿の新キャラ。まあその打ち止めと一方通行が出くわした後で話は縦横無尽に飛びまわり始めるのですが・・・以下はそれぞれ簡単に紹介。

御坂美琴の恋愛模様とニブチン当麻対アステカ人

タイトルはこっちで勝手に付けたオリジナルですが、まあこんな感じです。御坂美琴の可愛い所が満載です。しかし当麻は毎度毎度なんでこう死にそうな目にあっているんでしょう？　主人公だからしょうがないか。御坂ファンは必見かもしれません。

一方通行、打ち止めのために頑張る

一方通行に対しての見方の変わる一本です。打ち止めを利用して行われそうになっているある陰謀を、吉川桔梗という以前「妹達（シスターズ）」を利用して実験を行っていた研究者と協力して止めようとするお話。一方通行、なかなか頑張ります。今回のメインとなる話（だと思います）。

禁書目録、また狙われる

前巻から殆ど放置プレイ状態だったインデックスが久しぶりの主役級のキャラ扱いとして登場です。短編形式ですけど。インデックスがインデックスとしての能力を買われて襲われるって、ひょっとしたら１巻以来じゃないのか？　という事はインデックスって実は大した事無いんじゃないのか？　などというどうでもいい疑惑を思いつかせてくれる話。
その辺りはともかく、またしても当麻が大騒ぎに巻き込まれる話で、彼の制作途中の読書感想文が無茶苦茶になるという・・・。

総論

うーん、どうなんでしょうねこの５巻。実験作として面白いとは思うんですけど、ちょっと簡単には評価出来ない作品じゃないでしょうか。長編というより上で紹介した通りに短編連作を読むつもりで読めばいいかも知れませんけど、長編のつもりで買うと「なんだこれ！？」という結果になりかねない一冊です。まあ、逆にだからこそそれが楽しいという人もいるかも知れませんけど。一般的にはキャラ小説というつもりで読めば結構いけるかも知れませんね。
星３つ・・・まあ、一歩間違えば個人的に星2.5とかになりそうな作品でしたけど、まあここまでの話の積み重ねがあるので３つという事で。なにしろ私はここで一回「禁書目録」シリーズを読むのを止めてしまいましたから・・・無意識に。そういう作品ですね。イマイチでした。

しかしイラストレーターの灰村キヨタカ氏の絵は、ロリを書かせたら５本の指に入る職人なのではないかと思うのですけどいかがでしょうか。おなかのぷっくり具合とか・・・。