電波的な彼女 〜幸福ゲーム〜

電波的な彼女 ~幸福ゲーム~ (スーパーダッシュ文庫)
電波的な彼女 ~幸福ゲーム~ (スーパーダッシュ文庫)片山憲太郎 山本 ヤマト

集英社 2005-07-22
売り上げランキング : 1802

おすすめ平均 star
starこれは、買いです
star光たん可愛い(*'д`*)ハァハァ
star幸福とはなにか?

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片山憲太郎はどうしてこう、不安な気持ちになるシチュエーションを選ぶのが上手いんだろうと思ったこの3巻の導入。始まりは主人公である柔沢ジュウが痴漢と勘違いされてなぜか袋だたきに遭う所からスタートします。男だったら一度くらいは「そんな目に遭うかもしれない」と不安に感じた事のあるシチュエーションじゃないでしょうか。そうして危機に陥ってしまったジュウを、なぜか堕花雨の妹・が身を挺して助けてくれます。そうしてジュウは危機から逃れる事が出来るのですが、光が別の危機にあってしまう事で、ジュウは問題解決のためにまた乗り出す事になるります。しかし、起こっているトラブルの裏に怪しい動きがある事が分かってきて・・・というお話。

うまいです。楽しいです。しかし暗いのは相変わらずです。このあたりはもう「電波的な彼女」シリーズの基本姿勢のような気がするので、今後もこういく話が続くんでしょうね。
今回は前回から登場した斬島雪姫円堂円の二人も十分に登場する機会があるので、二人のファンならそれだけでそこそこ楽しめるでしょう。それに今回は光が実にいい感じで動き回ってくれます。姉の雨とは随分違う所もありますが、十分魅力的なキャラクターではないでしょうか。

それから今回も思ったんですが、1巻のころよりずっと主人公のジュウに対しての主人公の資質というものが評価出来るようになってきていると思います。外見ヤンキーでキレやすく、短絡思考で考えなしです。そのため失敗も人一倍多い様な気もしますが、失敗を真っ正面から受け止めて、そこから学習出来る姿勢というのは、正直ラノベの主人公ですが見習いたい位の真っすぐさです。
また、1巻の時には「怖い」と書いた雨ですが、いえ、ある種怖いのは相変わらずですが、ジュウとの信頼関係もじっくりと深まってきて実に良い人間関係を形成しています。堕花雨をメインヒロインに据えたこの作品作りは実際大成功だと思います。雪姫とかの方が動かしやすいキャラクターでしょうが、やはり全体的に雨の方が腰が据わってますし、可愛らしい所も多いですし。もちろん異論もありそうですが私はそう思います。

星4つ、おすすめです。しかしやはりと言っては何ですが、このシリーズは間違いなく暗いので、いい気分でラノベを楽しみたいと言う人向けではないと思います。