ゼロの使い魔(7) 銀の降臨祭
ゼロの使い魔(7) (MF文庫J) | |
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「ゼロの使い魔」7巻、激動の展開です。
6巻での戦争の後遺症(人の死)に落ち込む才人。親しい人の死を知って立ち直れなくなってしまう才人にルイズはその身をもって慰めようとするのですが、うまく行きません。冒頭のルイズは正直読者が読みながら喀血して死ぬくらいの大技を繰り出しているのですが、才人には効きません。ちなみにその大技ですが、
ルイズは知らず知らずのうちに、そんな色気のある仕草をみせようとしているのであった。しまいには羽織ったマントを軽くずらして、のびた素足を、細いけど艶やかな太ももをひけらかそうとした。無意識に。
マントの下は素肌。情動に色づく少女の肌がそのまんま。
つまり何も着ていないのである。
ああ、これはね? もういいよね? いかなツンデレとはいえ、ムードさえ作ってくれれば許しちゃう・・・って態度ですよ? 才人は本当にバカだな。落ち込む気持ちは分かるが、やっぱりバカだな。
しかしこんなルイズの大技にも関わらず才人はなかなか立ち直りません。その後現れるジュリオというロマリアの美形神官が現れる事で、ルイズと才人の間に微妙なヒビが入ってしまいます。まともな喧嘩までやらかします。
日本のただの学生だった才人と貴族の名誉と義務を誇りに思うルイズ、戦場で死ぬと言う事についての完全なる考え方の違いが彼らの間に横たわる事になります。これは結構辛い違いです。才人の頭に名誉の戦死なんて考えはこれっぽっちも無いのですから。しかし情勢はこうした考え違いを引きずる彼らの事など考慮などしません。行き違いのあるまま、敵の奇襲攻撃が始まります・・・。
この巻は才人の「漢」全開の見せ場があります。勇気と呼ぶのか馬鹿と呼ぶのか、そればかりは分かりませんが「ゼロの使い魔」シリーズである意味一番の見所ではないでしょうか。相変わらず戦争やら策略やらと言った所は描写が甘い所もあって、そういう見方をすると拍子抜けなのは間違いないですが、楽しみ方をちゃんと「ラノベの楽しみ方」に切り替えて読めば、これほど楽しい巻もありません。
それから、恋の鞘当てを引っ掻き回す神官ジュリオの役所もなかなかいいです。全体的に色々な要素が散りばめられていて楽しいですね。星5つのおすすめです。シエスタの押し倒しや、ルイズの必殺黒猫(これも致死量)もありますしね。
正直この辺りの巻から個人的に「ゼロの使い魔」が非常に面白くなったと思っています。それぞれの立場の違いや、徐々に変わっていくルイズや才人、そしてアンリエッタなど・・・。このシリーズはまだまだ続きそうですが、正直目が離せなくなってきました。