神様のおきにいり2 びしゃがつくの巻

主人公の稲村智宏と彼の家に住む(取り憑いた?)家神・珠枝を中心に織りなす人間と妖怪の戦い・・・ではなくて、どちらかと言うと和解を描いた作品。うん、相変わらずの安全パイです。「神様家族」に通じる様な安全パイ。

今回は1巻でも名前だけは出てきた智宏のクラスの担任の先生、本間真智子先生がクローズアップされます。1巻で生徒が先生を微妙にからかって遊んでいる描写がありましたけど、口絵イラストを見て思った。こら仕方ないかも、と。だって可愛いんだもの。で、今回は本間先生と表紙を飾っている銀髪少女・マヤが話をかき回します。マヤは瑞穂の親戚の子という立場で登場するのですが・・・?
2巻は結構珠枝の可愛い所が書かれます。家におしかけ女房のようにやってきた桜の精の好香に対して小姑の様に振る舞ってみたり(不発)、わざと楠木兼康と出かける事で智宏を嫉妬させようとしてみたり(不発)。実年齢何歳なのか分かりませんが、可愛いので許す。普通に可愛い。
それから「縛鎖の小人」という「ほーほー」とか「ふーふー」とか「ほー?」とかしか話せない「なぜかはっぴ(はんてんか?)」を着た小人達も出てきたりしますが、これもまた可愛い。なんというか可愛い。人間じゃないし女の子でもないけど可愛い。なぜだろう・・・。そういえば「石の怪」も可愛いな。ある意味普通なら一番良さげな桜の精の好香よりはるかに可愛いな。どうしてだろう・・・。不思議な本です。
しかし実は一番可愛くなりつつあるのは楠木真希のお目付役の妖怪(神様?)のコヒロです。萌えられるようなキャラクターとは微妙に言いがたいのですが、足下にまとわりついてきたがっている子犬のような可愛さとでも言いましょうか。無性に可愛いです。頭をなでなでしたくなる可愛さとでもいいましょうか。ラノベ的に珍しいような気もしますが、私の読書遍歴が偏っているせいかも知れません。
この他にも2巻の見所も色々ありますが、派手になり過ぎない恋の鞘当ても楽しい巻です。

今回は妖怪・「びしゃがつく」と「ヤマイヌ」のお話です。ヤマイヌは怖い所も持っているのですが、やっぱり和解の物語です。大変な騒ぎにはなるようなならないような・・・微妙なラインで話を作ってくれます。怖いのに怖くないのはやっぱり日本的な妖怪変化の間抜けさによるものでしょうか。ふんわりとした魅力があります。
やっぱり普通に楽しい。星3つ。「神様家族」を引き合いに出しましたが、あちらより個人的にはこのシリーズの方が好きですね。