とある魔術の禁書目録（12）
| とある魔術の禁書目録(インデックス) (12) (電撃文庫 (1372)) | |
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ストーリー
１０巻の賭けで負けた上条当麻がその罰ゲームを事になる話のはずなんだけど、罰ゲーム中にあっちでトラブル、こっちでトラブルとやっている内に一体どの辺りが罰ゲームなんだね？ って展開になって行き、段々と違う話になっていくという展開。いろいろな話が混線気味ですけど表紙に御坂美琴がデカデカと出ている通り、学園都市の住人（主に御坂関係）の出番は多いです。
まあともかく、これが表の話だとすれば、裏の話もあって、同時進行的に一方通行と打ち止めの退院や社会復帰などの話が語られていきます。そして色々なエピソードを挟むうちに段々と一つに収束していく物語・・・。で、いい所で終了の以下続刊！ １２巻は続き物なんだね・・・。だから今回はどうしても「禁書目録」シリーズに期待してしまう爽快感みたいなものが無いんだな・・・。正直残念。９巻読了後みたいな気持ちだろーか？
１２巻はどんな感じか
１２巻だけではメインストーリーの方は正直評価のしようが無い感じ。評価出来る訳がない。話の全ての重要事項が「続く」で持ち越しになっているからなんですけど。シリーズ物で「続く」が前提の作品は「続く」になってもある程度話が進むけど、今回の禁書はメインストーリーは殆ど動いていないし。謎が残ったというか、謎しか残ってないし。正直、最終章付近の争いを一章に持ってきても話は作れたんと違うかとか思ってしまいました。１１巻でああいう引きをしている訳だし、「１２巻前半のお遊び部分」がなければ「一冊で話をまとめられた可能性」も今の所否定出来ない感じがあります。
ただ、「１２巻前半のお遊び部分」を次で上手く回収出来れば素晴らしい作品になる可能性も十分あると思いますね。とにかく１３巻の出来で評価が１８０度変わりそうです。まあプロットは１２巻書き出した段階で当然まとまっているんだろうから、そこは期待して待つ事にします。１２巻は作者のサービス精神の現れと、とりあえず好意的に解釈してみる事にした。
キャラ小説としては楽しい
これ一冊だけで見た場合、沢山のキャラがこれでもかと登場するので（殆どオールキャスト）、そういう意味では楽しい。キャラは良く動いている。御坂などは１２巻のメインの一人だけどとても良くて、実は当麻に負けず劣らずのフラグ体質（年下の少女限定）を持っている事を証明するエピソードがあったりします。全体の作りも意外と強引に感じる所は少なくて（あることはあるけど）いいと思う。
でも、本音としてはこういう（キャラ出しまくりの）サービス精神にのっとった話の作り方は出来れば割り切って外伝とか短編集でやって欲しいな。本編でこういう話を作ると、今までに出したキャラの貯蓄を食いつぶして話を作っているみたいに感じてしまう。歴代ライダー大集合とかじゃないんだから（あるいはウルトラ兄妹全員登場？）。ただ、ここまで読んできてしまっている積み重ねがあるので楽しい事は楽しいです。恋の鞘当てとか。登場人物の意外な一面とか。
最終的に評価はこんな感じ
まあ、一冊でみたら個人的には星３つ位じゃなかろうか。メインストーリーがまだまだ下ごしらえ状態なのでマイナス星２つ。取りあえず次を読まないとすっきりしないし。まあキャラのドタバタは楽しいけどまだまだこれからなんで。
正直完全に続刊の出来次第の作品になっておりますので「とりあえず買うか？」位の興味の人とか「ストーリー展開重視」な人なら、１３巻が出るまで待つのもありじゃないか？ という感じです。
また、御坂やシスターズ、打ち止め、一方通行とかその辺りが動いていれば楽しめるようなら星４〜５ついても不思議はありませんけど、私的にはそれだけでは不満でした。ですので結構厳しめの評価となってしまいました。
全力で爽快感を期待して読んだ分、個人的に反動がでかかった・・・のかも知れませんね。
追記
ちゃんと書き直すとか言っていた割にあまり変わらない感想だったりして。まあ仕方が無い。ところで、今回のオールキャスト状態でも が登場しないのは、そのうちドカンと登場させるつもりに違いない・・・と信じてみる。でないとあまりに が不憫だ。
さらに追記
よく考えたら私は、少なくとも今の一方通行が好きじゃないんだな・・・。傷ついて捻くれたこういうタイプの主役級キャラは他の本でも沢山読めるからかなあ。その割には真っすぐな熱血主人公は意外にラノベでは（正しくは私の読書遍歴では）少ないような気がしています。禁書シリーズには期待していない種類のキャラと言うか・・・多分ですけど。
感想リンク
ウパ日記 booklines.net ラノベ３６５日
やっぱり人によって感じ方が大きく違うのね・・・って感じる今日この頃。
