ユーフォリ・テクニカ 王立技術院物語

とりあえず表紙画像を眺めて下さい。金髪の少女がいますね。可愛らしいです。ではそのまま以下の引用をどうぞ。表紙の彼女です。彼女の名前はエルフェール。王女だそうです。

そうしたものに自分が明日から携わるのだと思うと、エルフェールの心は弾んだ。
弾みすぎて、あやうく窓から飛び出して叫び回りたくなるほどだ。部屋の柱に頭をがつがつと打ちつけて興奮を抑えようとしたが、とうてい収まりそうになかった。
「やった、やったあ!」
額から血をだらだらと流しながらエルフェールは床を転げ回った。

これは凄い。もう最初の方から作り上げられたキャラクターに完全にやられてしまいました。

お話の簡単な紹介

上記のエルフェールが叡理国(エーレ国:モデルはイギリスと思われる)にある王立技術院に半ば無理矢理入り込み、技術研究をイノシシのような勢いでおっぱじめ、行き詰まって頭を掻きむしり悲鳴をあげてのたうって、失敗して奴隷にしてくれとか言って周りに迷惑やら被害やらをまき散らしながら邁進するという、美少女主演による体育会系技術開発モノです。自分で考えつきながらも果たしてそれは一体どんな分野なんだとか思いましたが、おおよそ間違っていないはずです。

エルフェール以外のキャラについてなど

エルフェール以外にももちろん登場人物がいまして、エルフェールを雇うネル・ビゼンセツリという講師(ほぼ教授と同義)のぽやんとした人柄も良いです。東洋人(あからさまに日本人的ですが)の名前、高い能力、そしてかなりの懐の深さを持った青年ですが、これの黒子的な立ち回りがまた良いのです(偉いのに良く出来た奴です)。
こうしてエルフェールは周りの暖かい守りの視線に奮い立たされ、外からの迫害(女性の地位が低く蔑まれる傾向にある)に負けじとなって、研究に血走った目で没頭するという・・・微妙に褒めているのやらけなしているのやら分からなくなりますが、まあそんな話です。ヒロインは三日くらい平気で風呂に入りません。そういう話です。
他にも研究員としてユウ・フミノクズハというやくざ顔の青年(性格は良し)やら、エルフェール以外の女性研究員のグリンゼ、病気で入院中の子供・アーフィンなどを巻き込みつつ話は展開します。そしていつの間にやら政治の駆け引きの一部に組み込まれたりなんてして大わらわになったりするんですが・・・。

結果判定

面白い、もう単純に面白い。良く作られたキャラクターの設定もそうですが、「水気」という謎技術、適度に散りばめられた技術用語、「水気」を利用して取り組む研究テーマが「花火」、などなど・・・その他の部分も面白い。変にマニアックにならず、だからといってあっさりめとも感じる程でもなく、個人的にとてもいいバランスでまとまった本でした。
そんなに期待していなかっただけに余計楽しかった。カテゴリ的に分類不能なのにとても楽しいって素晴らしい。ユーフォリ・テクニカ 王立技術院物語、最高におすすめの星5つです。ああ、ラノベ読みで良かった。

買ってみてから気がついたんですが、この作者「制覇するフィロソフィア」の人ですね。2冊続けて楽しませてもらったんじゃ仕方ない。今後は作家買いします。もう確定。

とにかく本を読む時間があり、そして読んだ本について考える事の出来る時間がある。幸せですね。そしてそれ以上に、面白い本に出会う事は最高の幸せです。

謝辞

この本を購入するにあたってのおすすめエントリを書いていたラノベ365日さんと、ライトノベル名言図書館さんに正直に感謝。
(追記)まいじゃー推進委員会!さんも元々感想を書かれていた様なので、そちらのリンクを追加しました。

感想リンク

ラノベ365日  ライトノベル名言図書館  まいじゃー推進委員会!  booklines.net

ふっ、微妙にトラックバックの使い方が分からないぜ・・・!