パラケルススの娘(5) 騎士団の使者

パラケルススの娘〈5〉騎士団の使者 (MF文庫J)
パラケルススの娘〈5〉騎士団の使者 (MF文庫J)五代 ゆう

メディアファクトリー 2006-10
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いよいよですよ

いよいよ話が回転し出したって感じたのがこの5巻ですね。確かに初登場キャラとかも沢山いたりしますが、<パラケルススの娘>クリスティーの捻くれた言葉や行動の向こう側にある本心が見え始めるからです。
本編ではクリスティーナが「ある理由」の為に「天の岩戸」みたいな所に閉じこもってしまって飲んだくれてしまったりするので、活躍シーンがあまり無かったりするんですが、それに対抗する様に跡部遼太郎の活躍と勇気を見せつけるシーンがグンッと増えます。
また、今まで出てきた主要なキャラクターのそれぞれにいかにもな登場シーンが用意されて、今までもあった「恋の鞘当て」もフォロー。そして現れる最後の敵らしき人物。見所が満載と言っていいのではないでしょうか。

「聖なる血」にまつわる

キリスト教の歴史と背後の陰謀、善、悪、正義のために行動する騎士団の暗躍、そしてローマ中心の宗教世界に対立する<イギリス正教>と<地下世界の女王>勢力、そして<評議会>勢力。
ぐっちゃんぐっちゃんにこんがらがったネタを上手く料理して一つの作品に仕立て上げてます。面白い歴史のトンデモネタなど交えて解釈しながらの話も結構良いですね。

やっぱりというか

何と言うか、クリスティーナの内面を描き始めたのと(本編では飲んだくれてますけどね、締める所は締めますが)、レギーネの秘密の一部、遼太郎が独り立ちし始めたのが話として大きいですね。
クリスティーナの抱えもった秘密の一端と弱みが見え始めて愛着が湧きやすくなっています。遼太郎も本当の力の一端を見せ始めるのがいいですね。目立った破壊的な力というのではないのがまた良いです。
こうした話だと何かと戦いの力を持たせがちですが、そういう方向にもって行かなかったのは評価できますね。

ついでにやっぱり結構バなんとか君が結構いい所をみせてくれますし、新しく登場するシャルロットもなかなか魅力的なキャラクターです。
ジンジャーと遼太郎は必要にかられて今回「ある約束」をする事にもなってしまうんですが、この後どうなるか目が離せません。遼太郎は女性を一人に絞れるのかなー?なんか無理じゃねーかー?俺なら無理だー。

総合

十分に星4つ。ひょっとしたら次の巻あたりを上手く纏めてくれれば星5つに届く様になるかも知れませんね。
岸田メル氏のイラストも相変わらず良いです。やっと表紙を飾った美弥子さんも可愛いですが、口絵のシャルロットも凛々しくて良いですよ。

感想リンク

booklines.net  ラノベ365日  影法師