太陽戦士サンササン

太陽戦士サンササン (富士見ファンタジア文庫)

太陽戦士サンササン (富士見ファンタジア文庫)

表紙を見た瞬間に分かる。これはバカだ。しかも遡行不可能なタイプのバカが話に出てるという事が。

ストーリー

光と闇の戦士がこことは違う「別の世界」で争いを繰り広げていたのだが、傷を負った「闇」の魔導師が最後の術で世界を渡った! 「光の戦士」はそれを追って現代の世界へ現れる・・・なぜかファイヤーパターン&ドクロマーク付き黒メットに憑りついて。・・・そしてその争いに巻き込まれる主人公達。
「光」なのに邪悪な感じの「黒メット」にくっつかれた主人公・来間鉄斎は警察組織の「咎回し」という仕事に就く男。彼はこのけったいなヘルメットに乗り移った「異世界の光の戦士」と協力して「闇」の魔導師を追う事になるのだが・・・。
さらに「咎回し」来間鉄斎が連れ回して利用する美しき「咎人」・詩菜。彼女は一体何をして咎人となったのか? そして鉄斎との関係は一体どんな秘密が隠されているのか? 「闇の魔導師」は一体どこに消えたのか? いずれにしても、なんかもう、どうしようもなくなるべくしてなるというか、太陽戦士サンササンの光の爆炎が街を照らし出す! 微妙に恥ずかしい変態ヒーローもの見参です!

お馬鹿とシリアスの使い分けが結構良い

あ、おもしれーと思った。
主人公達にきっちりとした過去が用意された状態で話がスタートするので、比較的に感情移入しやすかったのが大きいし、結構かれらの葛藤が良く書けているのは良い。それにやっぱり邪悪な感じの「黒メット」内に収まった「光の戦士」がまた真面目故のバカだなのがそれがまたよかった。典型的なタイプなのだが、結構愛せる。ちょっと説教臭いところはあるけどこれは役回り的にし方がなかろう・・・という許容範囲。
ストーリー全体の作りも悪くはない。シリアス部分とコミカルな部分の配合が結構良い。
現代ものとしてはかなり突飛な設定みたいなものがあるので納得しかねるところがあるけど、この世界とは微妙に違う「パラレルワールド現代」だと思って読めば違和感が無いくらいだし。
「咎回し」と「咎人」という設定がまた悪くないし。まあちょっと咎人・詩菜の単独での活躍の機会がもうちょっとあれば「咎人」を使う「避けがたい理由」がもうちょっと強まって良かったと思うけど、きっと続編もでるのでその時にでも期待する。
「闇の魔導師」は悪くないけど、ちょっと個人的にその思考経路がイマイチだったかなー。

結果的にですね

星3つですかね。もう少しで4つにしても良いです!荒削りなところはまだあるけど、今後書いて行くうちに幾らでも修正が利きそうな感じ。とにかくですね、

「閃光魔術――『地獄バーニング光線』ッ!」

という台詞回しにちょっとアホ臭いけど熱いものを感じてしまった人は買ってみるといいかもよ?今後も期待出来そうな感じもするし・・・。売れ行き次第だと思うけど。
イラストも結構高いレベルだと思います。描画方法についての細かい技術については僕はよくわからないけど、表現方法とか、イラスト化するシーンがいいと思う。

感想リンク

ウパ日記
ウパさんの感想は私と真逆な感じなので面白いです。なるほど、類似の漫画&アニメ作品があるんですね。知っているのと知らないのでは全く感想が違ったものになりそうですね。これはヤバいかも。
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