GOSICKs 春来たる死神

GOSICKs —ゴシックエス・春来たる死神— (富士見ミステリー文庫)
GOSICKs —ゴシックエス・春来たる死神— (富士見ミステリー文庫)桜庭 一樹  武田日向

富士見書房 2005-07-08
売り上げランキング : 25504

おすすめ平均 star
star長編では語られない
star時系列としてはシリーズのプロローグ、しかし伏線も絡んでいる
starかなりおもしろい!

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随分久しぶりにGOSICKシリーズの感想を書くなあ・・・本編を紹介しきったところでちょっと力つきた感じがあったけど、負けない。
まあつまりこちらは短編集です。この短編集1巻で書かれるのは、ヴィクトリカ久城一弥が出会う前から、長編1巻に至るまでの時間軸です。実に美味しいです。

イラストが美味しい

表紙の一枚絵も素晴らしいですが、口絵一発目のドレスに身を包んだヴィクトリカのカラーイラストなんざアナタ、下品を承知で言いますが見た瞬間に座りションベンもんですよ。素晴らしい、色気と言うか、妖艶さというか、可愛らしさというか、そういったものが同居しまくって一体何に注目したらよいのかもう私には分かりません。武田日向は天才だと思います。
本編全体に散りばめられた白黒イラストにしても、長編より全体的にコミカルに書かれている(というか短編自体が全体的にコミカル)ので、ヴィクトリカの可愛らしさが増しています。

ストーリーが美味しい

ヴィクトリカと久城一弥の最初の出会いから描かれるのですが、これはもう必見です。一弥が実は金髪フェチっぽい事が語られるんですが、この野郎! 日本男児を標榜しておきながら金髪が好きとは。・・・まったく仕方のない奴め。でも本当に良いキャラクターですよね久城一弥。ヴィクトリカと組み合わせで考えなかったとしても(つまり桜庭一樹ヴィクトリカというキャラクター作り出せなかったとしても)十分物語の主役をはれるだけの資格があると思います。何か描写が深いですね。
もちろんヴィクトリカも可愛いです。ちょっと抜粋。

「いや、赤いよ」
「……赤くない」
「いや、でも……」
「赤くないったら、赤くないのだ!」

最初っから、可愛いなあ・・・。まあ、本当に最初の最初からお互い相手が十分気になる要素を持っているんですけどね。
あ、アブリルも出て来ますよ。

GOSICKファンなら間違いなく買い

お薦めしますね。星4つ。まあ星が1つ減っているのはあくまで本編より「過去」の話なので、どうしても二人がどうなって行くか分かってしまっている為、緊張感と言う意味ではもう一つ物足りないからですが、まあファンにはあまり関係ないかも知れませんねえ。