影≒光
影〓光(シャドウ・ライト) (集英社スーパーダッシュ文庫) | |
影名 浅海 集英社 2005-09 売り上げランキング : 109323 おすすめ平均 個人的にはおすすめです。 心理描写がまだまだ 友人のデビュー作 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
最近新刊が出たのをきっかけにあちこちのラノベ感想サイト様が評価しているのをみて発作的に購入。で、読破。
面白いじゃないですか。
私と同じ境遇の人向けのストーリー紹介
主人公の星之宮光輝(ほしのみやこうき)は古くから続く由緒正しい陰陽師の家に生まれた少年だったが、彼は全くその方面の才能が無かった。彼は呪力(魔力とほぼ同義)、を全く作り出す事が出来なかったためだ。彼の双子の姉・御影は通常の陰陽師の2倍程の呪力を発揮する事が出来たにも関わらず・・・である。
そのため父から、また星之宮に所属する他の陰陽師達から失望と嘲笑の眼差しで見続けられ、腐り続けていた彼だったが、一つだけ別の才能を持っていた。世界に満ちている精霊達の姿が見えたのである。しかし、陰陽師の世界では何の役にも立たない技能だった。それをある一つの出会いが変える。イギリスから訪れていた一人の魔術師が光輝のその希有な才能を見抜いたのだ。そして光輝は言った「イギリスに行って修行してくるよ」と。
それから約一年半、光輝はついに日本へと帰って来た。散々自分を見下してくれた父と陰陽師達を見返すために、「父を半殺しにする」ために。
荒削りだけど良い所も多い
一通り読んでみるとストーリー展開には結構無理がある所も多いように感じました。アクションシーンはなんか気闘法とか出まくって、ちょっとドラゴンボール的な激しいアクションが人によっては嘘くさく感じてしまいそうですが・・・しかし! それを補える程の十分なキャラクターの魅力があって、読めます。
主人公の光輝は鬱屈した半生を送って来た割には本編に再登場した時にはすっきりとした自信を身につけていて、如何にも無鉄砲な若者らしい所が好感触です。姉の御影は弟にべたべたですが、根っこの部分でしっかりしている所があって、弟の光輝を良くサポートします。作者はこれがデビュー作の様なのですが、いつまでたっても魅力的なキャラクターが書けず、設定に凝り過ぎたりして作品の面白さを失っている本も多い中で、このキャラクターの魅力を出せる能力は素直に評価出来ますね。