ラノベ的に「エロ」とは何か 〜エロと萌えの区別〜

エロについて考察する場合にどうしても避けて通れない問題が一つある。
果たして、何をもってエロと分類するべきか?
という問題である。私の個人的な分類のイメージとしては以下のような感じ。

はっきりエロと分類出来そうな描写

描写 エロか否か 管理人のコメント
セックス、またはセックス以上の行為 エロ 一部合体状態を描写すればある程度のエロスを醸し出してしまう事はおそらく避けられない。
ペッティング エロ どう考えても吸ったり揉んだり舐めたりは描写した瞬間にエロい。描写の仕方によってはセックスよりもエロく感じる事も。触手系とか。
ディープキス エロ これはセックスの一部としてのキスである。やはり細かな描写を避ければ分からないが、ディープキスであると描写した瞬間にエロい。
キス エロではない ドキドキ感を描写で演出する事は出来るかも知れないが、それ以上にまでは行かないと思われる。
エロ味が売りになっている本 エロ 別に行為そのものは大した事はないのだけども、これがなければ魅力が半減または無くなるような作品。これについては描写に関係なくエロに分類してしまった方が親切と思われる。

分類に困りそうな描写(エロと言うより萌えになる可能性があるもの)

描写 エロか否か 管理人のコメント
朝チュン ?? 最後まで致してしまっているのかも知れないが、直接描写が無い場合、またはあっさりしてしまえばエロとは言えない(萌えにもならない可能性がある)。
とにかく恥ずかしい行為 ?? エロというよりは多くの場合恐らく「萌え」に分類される類いのもの。少なくとも読者はこの描写によって直接的な性的興奮を得る事は無いだろうと思われる。つまり妄想抜きでは興奮出来ない。
パンチラなどのチラ見え(視覚) ?? エロいのか? 萌えなのか? 正直さっぱり分からん。袖の無い夏服の脇から見える肌とか、下着の線とかもしつこく書けばエロくなりうるし、淡白に書けば大した事はなくなるという・・・。
体温、体臭、声、感触などの描写 ?? 描写がしつこくなればエロ領域に突入する可能性があるが、一般的な領域での描写であれば多分セーフ。「ちょっと手が当たってやわらか〜」位ならセーフに違いない。

エロ・ライトノベルをまとめる場合

下の表に含まれる作品は別カテゴリにせざるを得ないと思う。
何しろこの辺りはどういった描写で読者がエロを感じるかというのが非常に微妙すぎる。それに引き換え上の表では書いた瞬間に「行為/内容全体そのものが持つエロさ」によってエロだと分類出来そうな気がする。
まあ、下の表は捨てるには惜しい要素が多すぎるので、明らかにこうした要素を含む場合はこれはこれで「萌え」として分類すべきと思われる。

結論

おそらくラノベにおける「エロ」の分岐点は「描写以前に行為そのものがエロ」でひとまず区切らざるを得ないのではないかと思う。「描写の後、読者/あるいは作品の語り手の脳内妄想の結果エロくなる」については純粋エロとは分類しないのがこの場合のボーダーラインの設定として適切ではないでしょうか。それ以外のものについては容赦なく「萌え要素」と認定してしまった方が話が早いのではないかと提案してみるものであります。
例1:「かのこん」:エロ
例2:「ゼロの使い魔」:萌え、ところによりエロ
例3:「円環少女」:萌え

また、以前作ったエントリ「メガテン」的エロ・ライトノベル分類を提唱してみると加えて考えてみると、「エロ-Neutral-萌え」のラインが追加されて分類は三次元的になる事になる。
全体的に見て「分類に困りそうなもの(つまり萌え)」は元の分類法だと「Light」の分野に入ってきそうな可能性があるけれども、必ずしもそうとも言えないので、やっぱりちゃんと分類しないといかん。
ちなみに全ての分野において「Neutral-Neutral-Neutral」となる場合には取り上げないという事になりそう。カテゴリとしては

  • 「Law」-「Chaos」
  • 「Light」-「Dark」
  • 「エロ」-「萌え」

の6つの分類が出来上がる事となる。多分これで完璧なんじゃないかなどと思ってみたりして・・・。

賛辞

いわゆる前回のエロネタを取り上げてくれたニュースサイトの皆様、コメント、トラックバックをくれた皆様、その他お邪魔したあげく私のエロネタにつきあってくれた皆様、ありがとうございます。この場を借りてお礼申し上げます。このエントリはあなた方の協力なしでは完成しませんでした。

うんうんうん

どこまで行っても、なんて格好付けようとも、どれだけ論理的に話を展開しようとも、自分が馬鹿だとしか思えない所が愉快極まりない。
それから何となく忘れられそうになっているような気がするので一言。このブログ、ラノベの感想をメインコンテンツにしているブログですから。一応・・・多分・・・きっと・・・うん。