こんびにさんご軒へようこそ

誰のサイトで名前が出ていたんだっけなあ・・・もう忘れてしまった。ゴメンナサイ。

ストーリー

とにかく彼女は穴を掘る様に命じられていた。理由はメモリの破損でどうしても思い出せない。しかし命令は確かに受け取ったのであるからして命ぜられるままに穴を掘り続けていたのだけれど、「たまには横じゃなくて上に向かって掘ってみよう!」と思い立ったので掘ってみた。
結果、地上に出た。少年少女がいた。友達になった。
とにかく彼は過去の時代にあった「こんびに」なるものを作ってみたいと思っていた。「こんびに」は何だかははっきり分からないけれども人々の役に立つものだったらしい。で、その「こんびに」を作るに適した場所を村の近くで探していた。
結果、アンドロイドの女の子に会った。友達になった。
という出だし。

なんとなく切ない物語

遥か昔に過ぎ去ってしまった文明の進歩した時代があったのだけど、物語内の「今」では、そこで活躍していたロボットや合成有機生命体が御神体やらサーカスの見せ物とかにされてしまっていたりする時代。当時に作られた命の終わらないロボットや、寿命の無い生命体や、主の言いつけを頑に守り続ける機械などの生き様(?)が、少しだけ切なくて悲しい話。

どことなく「ヨコハマ買い出し紀行

全く違うんですけどね。あの漫画の空気だけつれて来て小説を書くとこんな感じになるのかなあという本でした。全体に優しい空気が漂っていて、滅んでしまったものへの郷愁のようなものがあって、そして今の素朴な暮らしがあって・・・。独特ですね。
主人公かつヒロインのアイレスは底抜けに明るい少女(型アンドロイド)です。感情までも備えもって、彼女がコンビニを営業する訳ですが、なんとも朗らか、なんとも陽気。雨が降ったら人が来ないから詰まらなくて、天気がよければ掃除し洗濯して、なんて感じです。

不思議な作品でした

続きがあるのかな? 星4つ? 星3つ? 悩むな〜。星3つかな。でも続編があるなら読んでみたい。ストーリーは短編の集合体で出来上がっているのだけど、ちゃんと一冊で完結しているとは言えないのでこの点数。完結していたら星4つかな。
イラスト・・・悪くはないけど「こんびに(ちなみに宿泊施設まである事になっている)」の建物代わりにしたのは「古い時代の大型戦車」という設定なのだけど、イラストによると・・・それはないだろそれは。M1エイブラムスか何かか!? 中身を全部抜いても狭くて人はそんな所には泊まれん! もっとイメージを膨らませて現代にはないちゃんとした大型戦車みたいな「何か」を描いてほしかったなあ・・・これもちょっと減点対象だね。