なつき☆フルスイング!

巨乳だ・・・。そんなおっぱいを表紙イラストの様に収納出来る服は日本国内はおろか海外にも無いと思うのだがどうか
いえ本編とは殆ど関係ないんですけどね。
電撃小説大賞<銀賞>受賞作ですね。うん、変な作品だ。しかしそれにしてもですね、恐るべきはまいじゃー推進委員会!さんだと思いますよ。大賞、金賞を差し置いてこの本をまず最初に読もうというその姿勢がコワい。

ストーリー

肩を壊して野球への夢を諦めかけ、鬱屈した気持ちを抱えた少年・葉岡智紀(はおかともき)の前に一人の変な女・鍛夏希(きたえなつき)が現れる。そして取り出したゴールデンバットで智紀を追まわし、しまいにはついに「ケツバット(尻をバットで叩く)」をぶちかました! そしてその瞬間智紀の体から離れて行く謎の物体・・・夏希はそれを「夢魔」と呼んだ。夢と夢魔とを中心に展開する青春物語です。

ストレートな青春物語

青春と夢と挫折と・・・まあそのままズバリストレートな青春小説でしょうか。確かに「夢魔」というラノベ的要素はありますが、実際の所はほぼ普通の夢と挫折と再起の物語ですね。夢破れた人間の不安定な心に取り付く「夢魔」は本人に取って都合の良い夢を与え続けて成長するというのですけど・・・実際に夢魔なんてものがいれば都合が良くていいですね、なんて思ったりした私はちょっと人として疲れてますか。

少しトンデモ設定です

そうですねえ、その夢魔に関する部分は良いですけど、智紀と夏希の間に生まれる友情のような、恩人のような繋がりとかがちょっと性急な感じがします。その辺りは実際に読んでみると「なんとなく、どことなく」といったイメージですのでそんなに気になるようなものではなかったのですけど。
トンデモと言えばラストの方の展開の方がよっぽどトンデモなんですが「ここは作者が書きたかった所なんだろうなあ」という感じがして、描写もそこそこ良かったせいか、前半に感じた性急さは特に感じませんでしたね。

評価は

星3つかな。
キャラの魅力は結構ありますけど、まだまだ構成に難がある感じでしょうか。うん、もうちょっと最初の「昼間に見る夢×ユメの末路」のエピソードを上手に作ってくれれば、その後のキャラ同士の繋がりに違和感が減ったんじゃないかな、って気がします。話全体として面白く読めたのは「バレエ×バイオリン」ですかね。
そう考えてみると主役級二人が直接関わってくるエピソードが楽しめなかったのだな、という事に気がつきました。うん、夏希のトンデモ人格を智紀が受け入れるのには最初の話に特に説得力が若干足りなかったのかも知れません。

結構良いよイラスト

イラストは本編内の白黒イラストが好きですね。口絵カラーはとてもでかいおっぱいを持った二人の登場人物が気になります。うん、でかすぎ。
それともうちょっと主人公に絡めた恋愛的な要素を増やしても良かったんじゃないかと思いますね。ひょっとしたら2巻を考えているのかも知れませんけど、一冊ものとしてみた時、これは弱点でしょうね、きっと。