死神とチョコレート・パフェ(3)

死神とチョコレート・パフェ 3 (3) (富士見ファンタジア文庫 171-3)
死神とチョコレート・パフェ 3 (3) (富士見ファンタジア文庫 171-3)花凰 神也

富士見書房 2007-01
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おすすめ平均 star
starガメツイ主人公、どこまでモテるのですか?

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あーやっぱり無難な出来だ。何この妙な安定感。

ストーリー

大抵の場合において天倉神名ナギに降って湧くトラブルはナギの元上司・イリスのせいなのだけれど、今回もその通りでした。突然訪れたイリスはまたしても「任務の失敗」=「二人してチョコレート・パフェ」を条件にある任務を押し付ける事になる。それはある少女が「ソウル・イレギュラー(生きるはずなのに死んでしまう)」になりかけているというので、それを阻止しろという内容です。チョコパは嫌なので二人は渋々話を聞く訳ですが、相手の名前を聞いてビックリする。
——芹沢サラ
神名とナギのクラスメイトかつ、神名の皆勤賞の影の協力者でもある彼女が、死の運命に取り付かれているという所から今回の話はスタートします。

何ホント、この安定感

ビックリも無いけどガッカリも無い、淡々と読み終わって「うーん、次も出たら読んでみるかなー」という微妙な読了感。
まあもちろん、話も3巻を重ねると色々人間関係的に動きが生まれて来ていて、神名への意識を強く持ち始めるナギだったり、2巻でフラグを微妙にたててしまっている生徒会副会長の深瀬沙耶架の得体の知れないちょっかいのような、天然の様な振る舞いだったり、今回の危険のターゲットにされてしまっている芹沢サラの実に素敵な性格だったり・・・でしょうか。
ちなみに芹沢サラがどんな娘かは・・・彼女の家に「お守り」として預けられた死神の鎌(外見は卵)である<ベル・フィナル>の台詞を借りてみたいと思います。

「おい、ベル。どうだったんだ? 芹沢さんは……」
『うむ。いい子だなぁ』
「……いや、そうじゃなくて、芹沢さんの魂の状況はどうだったんだって聞いてるんだよ」
『……いい子だなあ……」

彼に目はありませんが、何となく遠い目をしているような感じです。まあ、いつもの扱いが悪すぎる訳ですが……。

結局の所

つまり主人公の天倉神名の想像以上に誠実で真面目な性格による所が大きいのかも知れませんね。
まあ彼は子供ではありますが、背伸びもしなければ卑屈にもならない、気を使いすぎる事も無ければ無神経でもない、失敗をしない訳ではないですが失敗から学習する能力もある……と。
まあ、女心はいつまでたっても謎かも知れませんが、彼の場合時間が解決してくれるかなーという、まあ将来良い男になりそうな気配があります。……ま、ナギ共々、味覚障害は直す必要がありそうですが。

うんうん

やっぱり星3つ。
今後も大化けはしない作品かも知れませんが、安心して読める作品でもありますね。えー、うん、ちょっと神名ががめついのが気になりますが、自分に子供がいたら最初に読ませるラノベはこの作品でもいっかなーとか思います(ちなみに繰り返しますが子供はおろか制作作業の可能性もありません)。
イラスト? まあ良いんじゃないですか? イラストがとっても良いとかは無いですけど、この作品にはあっていると思います。