えむえむっ!
えむえむっ! (MF文庫 J ま 1-4) | |
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某巨大掲示板の誰か「ラノベはじまったな」
埼玉県にお住まいの石田権三郎さん(83)「ラノベも変わったのう」
渋谷に未だに残っていた若き山姥(15)「きもい。マジありえないから」
などのコメントがどしどしと届きつつある問題作「えむえむっ」の感想ですが、いやー。最近のラノベ世界の広がりを感じるね! ちなみに広がったのはピラミッドの底辺の方だけどね!
ストーリー
主人公が重度のマゾ
ぶっちゃけ前半のストーリー紹介はこれで終わりでいいんじゃねえか? という完全変態少年が活躍するストーリーです。
いやほんと
個人的に大好きな分野・・・という訳でもありませんが、こんなキワモノ主人公を設定した上で一本ラノベが書ける作者ってのもスゴいなあ・・・なんてしみじみ思ってしまいましたね。いや、これが18禁小説ならまだ分かりますけど、読んでみれば分かりますが、れっきとした「悩める少年少女達の青春小説」な訳ですよ。前半は完全にコメディですけどね?
まあサディズムとかマゾヒズムというのはどのような人間の内部にも多かれ少なかれ潜んでいるらしいですが、それにしたってこの主人公はねえだろ! 遺伝的/体質的マゾ!
なんかまあ、そのへんは突っ込みすぎるとコメディの範囲を超えてしまう(精神の深淵に突入して「性的倒錯」とは何か?という所までいかにゃあならなくなる)訳ですが、実際の所その辺は華麗にスルーしましょうね。
・・・ひょっとしたら本物のマゾの人が見たら腹が立つ類いの本じゃないかなあ・・・。どうですかね? マゾの人(オイ) まあ、そんな所に変なリアリティを出せば出す程エンタメ作品じゃなくなるという分野ですので、適当にファンタジーにしておいて正解ではありそうですけどね。
しかもさらに
後半は結構なシリアス展開をして行く訳ですね、主人公のマゾ体質全開のまま。これはまあなんというか、スゴいな。後半はまあフォーカスが主人公以外の人物に移って行って、その問題が「男性恐怖症」という奴な訳ですが、なんとも・・・シリアスです。
実際にそういう恐怖症を抱えている人間もいますし、大抵においてそうした恐怖症を抱える原因になるにはそのための「強烈な出来事」というものがあるので、この恐怖症そのものが全くシャレにならないですね。
・・・話の方に戻りますけど、実際にそうした人たちがいるので簡単にこんな風に言っちゃあいけないのかも知れませんが、主人公がマゾだからこの問題を抱えた少女との間にズレが出ていて面白い。しかし・・・面白いだけではなくて、主人公の頑張る熱い展開もあったりしたりして、やー、悪くないなあ。
主人公が真性の変態でも別に主役の資格までは失ってしまう訳ではないんだな〜などと、結構どうでもいい事を思ったりした一冊でした。
で、どうなん?
星4あげてもいいかな〜(いいのか!?)。
かなり先物買いって気分もしないでもないけど、後半の展開はちょっと熱くなったんでね。「変態だって、頑張っているんだよぉ〜」というキャッチで売り出しましょうか? それにしても変態の大量出現する本です。
- 真性のマゾヒスト
- 無自覚なサディスト
- ある種のフェティシズムの蒐集家
- 女装越しの二重人格者
- 血縁の垣根を越えた強力なブラコン
- 破壊的な程の子への溺愛性質
などなど・・・。きっと続編(あったら)には当然の様に
- ペドフィリア(無理か)
- ネクロフィリア(もっと無理か)
- スカトロジスト(出たら流石に読みたくない)
- フリークス嗜好(全くもってシャレにならないし)
- ラバーフェチ(ギリギリセーフか!?)
- 全身タイツフェチ(誰だか分からないじゃん!?)
- 露出狂(もうラノベじゃねえ!)
とかが出てくる可能性がある訳だよな、きっと(無いよね?)。
感想リンク
ライトノベル名言図書館 Alles ist im Wandel まいじゃー推進委員会! booklines.net 鍵の壊れた部屋で見る夢 ラノベ365日
さしものbooklines.netさんも、「いいのか、こんな変態な物語を世に出して!」とのコメント。ニヤニヤ・・・。