私立!三十三間堂学院!(2)

私立!三十三間堂学院 (2) (電撃文庫 (1171))
私立!三十三間堂学院 (2) (電撃文庫 (1171))佐藤 ケイ

メディアワークス 2005-11
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ストーリー

前巻のラストで「学院内の生徒とは誰とも付き合わない」宣言をした主人公の後白河法行(ごしらかわのりゆき)によって、学院には一応の安定がもたらされていた。
が! 新たな天然必殺美女の登場と、事もあろうに後白河自らの「友達100人作ろう!明日最初にあった生徒から友達に!」の決意によって新たな時限爆弾が学院に投下される! 少女達が繰り広げる、欲望丸出し、利己心丸出しの可愛いけど醜い学園バトルの第2巻!

アホと違うか!?

やっとの事で紛争解決に至ったというのに、まあ新たな新興勢力が出現したのも理由としてあるとはいえ、自分が新たな紛争の火種をでっかくしてどうするんだこの後白河という男は! と同じ人間として問いたい! まあ、悪気はないといえ考えなさ過ぎとしか思えないのだけど・・・まあ、話的にはしょうがないか・・・。

で、今回の新興勢力ですが

三十三間堂学院においてトップの美少女(彼氏が108人)と言われる良久須美(よしひさすみ)だった。とにかく手が早く、振られた事がないという少女だったが、いわゆる美しさをハナにかけるタイプではなくけっこうな天然。108人の彼氏についても「全員彼氏だけど、それが?」と本気で分からないようなタイプのかなり危ない少女です。・・・で、付き合っている男どももみなこの少女に完全にやられていて「この108人はみんな前世で同じ男だった」という事を(須美含めて)信じきっている危ない集団でもあった。
・・・つまりアレです。1巻の紹介で「アメリ」「欧州連合」「列強を除いた国連加盟国」「産油国」なんて表現をしましたが、今回出現した勢力はある意味一番恐ろしく「教皇とその狂信者」つまり「宗教勢力」です。美しきヴィーナスを信奉する政治とは違う所で人々に影響力を行使する集団ですね。で、その頂点に君臨するのが良久須美な訳です。
・・・オイオイオイオイ、政治の世界の情勢だって危険な均衡の中にあるのに、この上さらに宗教問題だと!? という感じですかね。

なんか

この本に対しての読み方が根本的な部分で人と違って来ている様な気がしないでもないんですが、まあこの読み方が私にとって面白いんだから仕方がないね。今回は「既存の勢力」 vs 「宗教勢力」って感じだったので、ちょっと今イチだったかな。まあ読めちゃうんだけどね。
しかしこの主人公、もうちょっと自重しろ。いろんな意味で最悪なのはこいつだ。
「無知だって罪になる事があるんだぞ!?」
と言ってやりたいが、それを言うべき男友達や家族がいないのだから仕方がない・・・というか、末恐ろしい・・・。今の所「憎いあんちくしょうリスト」にこの後白河は入っているんだけど、3巻までこの状態が続くようなら流石にリストから除外せねばならんかな・・・などと思っていたり。だって流石に馬鹿過ぎなんだもん(id:spark氏、そうなったらゴメンね?)。ここまで馬鹿だと「実在しても男として本当に魅力があるのか?」 と疑問を持ってしまう。・・・いつかこの馬鹿のせいで滅ぶねこの三十三間堂学院は。

ちなみに

全然関係ないけど今回一番アツい発言は以下ですかね。

「今晩ッ! 貴様ら全員ッ! 絶対私をオカズにオ×ニーさせてやるッッッ!!」
「ばっ、馬鹿な事大声で言わないでくださいっ! 何をトチ狂った事言ってるんですか!」
「離せ千秋! あいつらが勃つまでッ! 脱ぐのをやめないッ!」

美にのめり込む狂信者が怖いのか、それとも女のプライドの方が怖いのか(あるいは某ジョースター家の影響力か)、・・・。ぶっちゃけどっちもつついちゃいけない類いのシロモノですね。

総合では

星3つかな。
メインはある程度固まっているのだけど、ちょっとキャラクターが増えすぎて訳が分からなくなってきつつあるので、せめて巻末にキャラクターの説明資料とか付けて欲しい。「いぬかみっ!」とかであったよね? うんそんな感じのやつ。 
ところで、メインヒロイン(多分)の千住花音が一番ある意味ムカつくキャラなんですけど・・・一番でかい牙を持っているくせにそれを隠して振る舞う所とかが偽善的だからかな? 女性読者だったらどんな風に思うんだろうか?

感想リンク

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