大久保町の決闘

大久保町の決闘―COLLECTOR’S EDITION (ハヤカワ文庫JA)

大久保町の決闘―COLLECTOR’S EDITION (ハヤカワ文庫JA)

一応古い電撃文庫の方のリンクを張っているけど、そのうちリンクをハヤカワの方に変える予定。・・・しかし一体この本の魅力をどうやって伝えたら良いんだ!?と本気で頭を抱えたくなる本ですね。

ストーリー

場所は関西ですね。三ノ宮、神戸、明石、西明石ときて次が大久保町の駅(らしい)。
主人公の笠置光則(かさぎみつのり)は「夏休みにゆっくり勉強できる環境に行く」という事で、父親の故郷であるここ大久保町にやって来たのだが父親は「あそこはガンマンの街だからなあ、命がけでいけよ」という。おいおい何だそれ、彼の父親はいつもフザケているような人間だったから全く信じなかった訳だけど。
駅に着いたらなぜかアメリカ西部の街っぽい感じ。一日に一回は何らかの理由で拳銃を使った決闘が起きるような街だと言う。そんなばかな、と思いつつもなんだか良く分からないうちに巻き込まれたりして、足の奇麗な女の子が出て来たりして笑いが止まらない「大久保町シリーズ」の記念すべき一冊目だったりします。

マジで説明にこまるな

巻頭カラーのイラストからしてもう全力でおかしい。なんで大久保町なのに風景が完全にアメリカ西部の砂漠やねん。
なんで八百屋のねじり鉢巻したオッサンと、その辺のやっぱりオッサンが銃で決闘してんねん。
それにカラーイラスト挿絵の説明文字がアメリカ西部を舞台にした映画よろしく英語やねん。
この変なこだわりは一体ナニ? のっけから読者を完全に(少なくとも9割位は)置き去りにして話がスタートします。置き去りにならない人はそこで多分自分の脳みそに何らかの問題があると思った方が良いくらいにすっ飛んだ展開なのは間違いない。
とにかく脳みその回転する方向を気合いを入れて「よーし、じゃあ最初から仕切り直しだ〜!」位の気持ちで読み始めましょう。まあ先に「あとがき」とか読んでおくと付いて行き易いかも知れない。

なんだ嘘か。などと怒ってはいけない。嘘ではない。夢だったのだ。そんな夢を見たなんていうのも嘘だろう、などと勘繰るのもよくない。ぼくは生まれてこのかた嘘をついたことなんか一度もない。それがだいたい嘘じゃないのいつだってそうなんだから嘘ばっかりついてそんなだから女の子と長続きしないのよもうやってられないわ、さよなら、みたいなこと言う人がとても多いのだが誤解である。みんな、帰って来てくれ。

ヒロインは可愛いよ

杉野紅葉という名前なのだが、とにかく可愛いのである。
うなじとか足とかが奇麗で、光則がハナをたらしても笑ってティッシュを渡してくれるような良い娘である。ちなみに兄ちゃんの名前は清美。女性みたいな名前だが、肩幅のがっちりした大柄の男性で、しかも黒人の保安官で好漢である。じゃあ紅葉も黒人かい?といわれるとそんな事はなく普通に日本人である。ほーら意味が分からない。じゃあ血のつながりとかないんじゃないのかとかそんな事はこの本では些細な事なのであって、気にしてはいけない。そういう話である。

残念ながら

私の馬鹿話の原点を辿ってみるとこの作品というかこの作者に影響を多大に受けている感があるのでもうしょうがないというか馬鹿な人ねもういつもいつもこんな話ばっかり書いて本当に馬鹿なんじゃないのええ大体あなたは昔っからそんな事ばっかり言って進歩ってものがまるで無いのよ、最低。
とかそんな感じなので星5つにせざるを得ないのである。

ところで

大久保町の決闘自体は今月末にハヤカワから復刊されるみたいなんで、馬鹿話を読みたい人は手に取ってみる事をお薦めするものであるけど、この感想自体は古い電撃文庫から出版されたものをベースにして書いているので、イラスト周りやら口絵やらは変更が入るかも知れないのでよろしくお願いします。
電撃文庫での挿絵は此路あゆみ氏である。今は漫画家もイラストレーターもしていないという情報があるので復刊されたハヤカワ版のイラストが今からどんな感じになるのか興味津々ではある。
女の子を可愛く書かないと、俺、怒るよ?

ハヤカワ版購入にあわせて追記

イラストはイメージが結構違いますけど、おバカ感は相変わらずで、本の形はしていますが作者はDVDのつもりで作品を作ったらしい。馬鹿だ。
そもそも表紙のタイトルに「COLLECTOR'S EDITION」と入っている所が既におかしいし、製品仕様が書かれている所も変だ。

●品番 JA883 ●画面1層 ●色彩 パートカラー
●スクリーンサイズ B6見開き(ニュープリント)
アスペクト √2:1 ●リージョン 2 ●収録量 312P+特典
●字幕 日本語
●音声
1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/日本語(脳内再生)
2:DTS/5.1chサラウンド/日本語(脳内再生)
3:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/英語(脳内再生)

やっぱり相変わらずとんでもない馬鹿だなあ。惜しい人を亡くした(まだ死んでません)。イラストレーターは長澤真氏。悪く無いですね。
読み比べてみると結構丁寧にリライトされているところが多く、まあ多分作者本人にしか分からない変なこだわりの結果だと思いますので適当に読み飛ばすのが正しいかも知れません。ラストシーンは結構大きく改変されていますので、読んだ事がある人も手に取ってみる価値はある・・・かな?