ご愁傷さま二ノ宮くん(3)

オイオイ、本当に凄いシリアス展開になって来てるじゃないか?

ストーリー

主人公の二ノ宮峻護(にのみやしゅんご)が月村真由(つきむらまゆ)と北条麗華との南国バカンスから帰り、物語は日常パートへ。
2巻のラストのあの展開からどうも二ノ宮くんを挟んだ二人の女の子の対立関係はいよいよ激化傾向にあり、この3巻においては完全全面戦争へと突入します。
正直いって、二人の少女の思い入れがとってもコワい3巻です。

二ノ宮くんねえ・・・

完全に3巻において二人の女の子に「覚悟」という意味で水をあけられてしまいますねえ・・・だめ男だねえ・・・ってもただの高校生にそこまで要求するのも酷と言えば酷だ。しかしねえ、もうちょっと気合いを入れて欲しいと思わないでも無いです。悪人ではないのですが、このまま行くと最終的に二人にそっぽ向かれるか、月村真由に吸われるか、北条麗華に刺されるかってバッドエンド一直線のような気もします。もういいじゃん、3Pで(え)。
とにかく貴様、もうちょっと本当に何とかしろ・・・と思うんですが、作者も彼をどう扱ったらいいか分かんなくなって来てんじゃないかな? ヒロイン二人がマッハの単位で飛ばしているんで、彼にもそろそろジェットエンジンとか積んであげないと(カタパルトで発射しても良いですけどね?)いつまでたっても追いつかないですよ。

真由ちゃんねえ・・・

サキュバスというから分かり難い。もう単純に「吸血鬼」ってした方がもはや分かりやすいですね。
吸血鬼もので良くある「強烈な吸血衝動」に苦しむ描写ってあるでしょう? もうアレですね、アレ。精神状態が彼岸と此岸を行ったり来たりしています。もう超絶にヤバい。可愛いしいじらしいけどヤバい、コワい。病院一歩手前というか、もうレクター博士状態にした方がいいというか・・・。でもまあ、いい子ですかね。流石ヒロインって感じの貫禄を今回は見せつけてくれます。「サキュバスは伊達じゃない!」とか言っても誰も責めません。

麗華ちゃんねえ・・・

ぶっちゃけギャグパートとはいえ二ノ宮くんの姉ちゃんに「開発されすぎ」。
もう一体何が「一回や二回や三回や四回」なのか確認を取りたいくらいです。つーかあなた、全身性感体みたいになりつつないですか?それはどんなプレイですか?それ以前にそれ性的暴行とか言いませんか?えーおい作者よ?
・・・ま、その辺はオマケなんですけど、彼女の折れないどころかさらに高く、固く、強くなっていくプライドとその誇り高い生き様は見事としか言いようが無いですね。最初は完全な「当て馬」って感じで読んでいたんですけど、この3巻では真由を食いかねない活躍をしてくれます。敵も凄いですけどね。

その他キャラですけどねえ・・・

キャラとしては結構不満。
変に暗躍し過ぎ。暗躍してもいいけど動機が分からな過ぎ。もう少し情報を出して欲しいなあ・・・。

総じて

星4つ。
色々キャラの行動に不満があったりしますが、それは逆に言えば良く書けているという事でまあ面白かったですね。緊迫感があって。しかし作中の時間が進まない作品ですねコレ。1巻からまだ1週間くらいしか経ってないのか? 絶対時間の扱い方を間違ってると思うなあ・・・。もう少し上手くやってくれるともっと面白いのに。
イラストは相変わらず。イラストだけパラパラと見てるとラブコメですけど、実態はちょいエロシリアスちょいグロドラマですよこの本。表紙イラストに騙されないように注意。