私立!三十三間堂学院!(3)

私立!三十三間堂学院〈3〉 (電撃文庫)
私立!三十三間堂学院〈3〉 (電撃文庫)佐藤 ケイ

メディアワークス 2006-03
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おすすめ平均 star
star巧すぎる心理描写
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またしても新たな勢力が出現ですね・・・どこまでいくんだか。

ストーリー

主人公の後白河法行(ごしらかわのりゆき)の友達100人計画は相変わらず決行中であり、そしてそれがまたしても引き金になって発生するトラブル・・・かな? まあ今回は相手もかなり悪いけど。
学院の寮で開催される「水無月祭」の準備で色々と忙しくなる中、一人の少女・金田伊緒との学内での正面衝突(普通の)が、思わぬ事態を引き起こし、最終的には拉致まで発生!ああ・・・少女達の醜くもアホな事よ・・・という3巻か?

まあ主人公は馬鹿ですが

1、2巻の紹介で「アメリカ」「欧州連合」「列強を除いた国連加盟国」「産油国」そしてさらに「宗教勢力」という説明をしたりしましたが、意外な展開ですね。
今までは「産油国」の一点の魅力(つまり石油)に焦点が絞られていた訳ですが、今回は別の部分がクローズアップされます。後白河法行の今までのトラブルの元と言えば「性的魅力(価値)」という感じでしたが、今回は「技術的な能力」がクローズアップされます。・・・日曜大工ですけどね。つまり・・・。

  1. 寮生が祭りの準備で日曜大工の能力が必要となる。しかしその技術がない。
  2. 後白河法行が技術提供をすると言い出す。
  3. 寮生のプライドなどが邪魔しつつも技術提供が必須という事態に。
  4. しかし他国(生徒会ほか)はこの新興後進国の台頭を許さない。
  5. 寮生は生徒会に隠れて技術提供を受ける事が出来るか?

という感じ。

なんか最初は

今回の中心人物の金田伊緒は最初どこの半島の国ですか?って感じでしたけど、なかなかどうして成長著しくてちゃんと大人の判断ができる様になります。この辺某半島よりましですね(オイ)。そして寮生達とも結束し、最終的には後白河法行に迷惑をかけない様にという配慮までできる様になります。
意外に善人だけど技術が無くて困っている「後進国連盟」って感じでしょうかね。そして技術供与がしたい後白河。しかし目を光らせているアメリカ他という感じ。

うんうん

寮生 vs 生徒会の篭城戦にまで発展する訳ですが、そこだけ見ると核査察を拒んでいるだけみたいですけど、意外に寮生がまともなのでそちら側に視点が行ってしまいましたね。と言う訳でただの半島国家では無くなったて感じです。
今回、寮内で生活する少女達の普段の暮らしの一端が描写されるんですが、生理に関する話はさすが作者が女性って感じでしたねぇ。

寮で共同生活をしていると、何故か互いに生理の周期が重なってくる。よっぽど体調を崩したり生理不順に陥ってでもいない限り、自分が生理中なら他の寮生も数日の誤差の範囲内で生理中と考えて間違いない。
(中略)
まだ来ていない寮生に腰を擦りつけて「伝染しっこ」をする光景などが見られる。

なんか花粉の受け渡しをするミツバチみたいだなあ(この場合はホルモン物質だけど)・・・妙なリアリティがあって、ちょっとした幻想が壊れた感じ・・・。いや新たな妄想が生まれたと行っても良いか?

そうねえ

星4つ。
新キャラ達が意外と好感触だったのと、主人公に対してやっと人間味が出て来た感じがしますねえ。しかし後白河に対しては今後も警戒を欠かさない方向で行こうと思いました。まる。

感想リンク

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