R.O.D(1)
R.O.D―READ OR DIE YOMIKO READMAN“THE PAPER” (集英社スーパーダッシュ文庫)
- 作者: 倉田英之,スタジオオルフェ,羽音たらく
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2000/07/01
- メディア: 文庫
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ストーリー
読子・リードマンはズレた眼鏡に冴えない服を着た20代の女性だったが、彼女には特殊な力があった。本が好き、本が好き、この世の何よりも本が好きで、本に対して欲情出来るくらいに本が好き・・・という異常性と、「紙使い」としての能力。その名の通り、紙を使って奇跡を可能とする特殊技能の持ち主だ。その読子が主人公のアクションもの・・・か?
この1巻での展開は読子が菫川ねねね(将来有望な女子高生作家)の危機を知り、彼女を護衛したりされたり(?)するストーリー。
キャラ紹介も兼ねて
丁寧な作品となっていますね。のっけから読子の一見ただの冴えない女だけど実は究極の本愛好家で変態な所が書かれたりします。
大体、本の匂いを嗅いだだけで真贋の区別が付く能力って言うだけでもうかなりのキワモノですが、匂いを嗅いだだけで欲情する位ってアナタ・・・かなりの変態主人公ですよ。
ただしその尖った能力のおかげで女性として必要な他の部分を捨てまくってしまっていて、ファッションやら美味しいものやら楽しい事には全く興味がないという、女性としてあるまじきキャラクターです。しかしそのキャラ造形は意外性もあったりして面白いですね。
もう一人の主人公とも言える菫川ねねねも読子と同じようなキワモノでして、少なくとも執筆中以外は普通の女子高生ですが、執筆中は阿修羅のような人物へと成り果てます。・・・表紙や口絵のイラストはともかく、本編最初の白黒カラーイラストは実に、実に良かった・・・一目で「ああ・・・これも変態の一種だな・・・」と分かる感じがとても安心です。
本編では
それ以上に菫川ねねねを狙う変態が出て来たりするんですが、その変態っぷりもさらに飛び抜けていて、悪役としての存在感がばっちりです。いやーいい悪役だわコレ。独善で偏執狂な所なんてもうアナタ、悪役として生まれました!位の宣言をしても良いくらいですね。実に醜い。見開きでイラストになっていたりするんですけど、コレがまた本当に変態ですね。しかしそれが物語を盛り上げてくれます。
総合
星4つです。面白かったな。
タイトルの「R.O.D」も読む前は何かと思いましたけど、「READ OR DIE(読むか死ぬか)」って、読子の生き様そのままですが、いやー尖ってるな〜。もうちょっとイメージを取り込んで意訳すると「本読まないと私は死ぬるよ?」って感じですか。まあその設定の特殊さとかもいいですが、キャラが生き生きしている感じがとてもいいです。羽音たらく氏のイラストも結構動きがあってキライじゃないかな。
・・・しかしこのシリーズ、結構巻を重ねているらしいんですが、地元の本屋に一冊もありません(この1巻は古本屋で発見)。どーなってるんでしょう。そもそもスーパーダッシュ文庫ってあんまり本を刷ってないのかな〜?