超鋼女セーラ

超鋼女セーラ (HJ文庫)
超鋼女セーラ (HJ文庫)寺田 とものり

ホビージャパン 2006-11
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結構な御点前で・・・非常に美味しゅうございました。終始ニヤニヤ笑いが止まらない感じ?

ストーリー

主人公の名前は瀬戸茸味(せとたけみ)。この春に高校一年生になった少年です。とりたてて変わったところがない・・・と本人は思っていますが、父親(故人)はそうとうな変人でした。機械と人間を全く同じように扱う父だったのです(自販機に挨拶したりとか)。で、母が言うには茸味くんもそういう資質を多分受け継いでいるだろうって話なんですが・・・。
ところで、茸味くんは一つの出会いを経験しました。アブナい人間にボコられるところを一人の美少女・セーラに助けられたのです。ただ、彼女は普通の少女ではなく、女性型の格闘ロボ・超鋼女(スティールメイデン)だったからです。しかし・・・そうとしりつつ恋に落ちてしまう二人。ロボと人間の枠を超えた恋の行方はどーなる!?というお話。

ちょっと不思議な世界観

なにしろメインの舞台が「東北地方」となっている辺りにオリジナリティーを感じます。それに加えて・・・。

  • 謎の高校動乱とやらが起きた歴史
  • ほとんどが工業高校になってしまった世界
  • 東北の守り神とよばれる女王の存在
  • 人間とほぼ変わらないロボットが存在している事に人々が違和感を覚えない世界
  • 超能力を所有する存在「番長能力者」の存在。

ってところでしょうかね。ヒロインのセーラはロボですが生徒会長ですし。番長能力者も変わっていますが、まあそれは本編で。

ロボなんですけどね

セーラがとても可愛いんですよ。彼女ら超鋼女達に取っては「恋」というのは一種の奇跡が起こったようなものらしく、とても素敵で素晴らしい事として扱われます。セーラ自体は非常に理知的なんですが、茸味を学校で見かけた瞬間にその理知的なもの全てをかなぐり捨ててしまいます。新入生歓迎の式典にて、生徒会長であるセーラが挨拶するんですが、そこに茸味を見つけた瞬間・・・。

「お仕着せじみた難しい話はここまでです! 遊びでも、恋でも、勉強でもなんでも構いません。みなさんも熱中できることを見つけて、この三年間をめいっぱい楽しんでください……わたしも見つけました! わたし、たった今から恋をはじめます! 恋をすることにに決めましたっ!」

これはある種の羞恥プレイかっ!?って位のカミングアウトっぷりですね。ストレートなところが個人的にツボです。それからしばらく後のエピソードでのトンデモ発言をもう一つ。

「あのさ、お父さん」
「なんだ」
ラルフは黙々とマーボを口に運び、ビールで流し込む。を繰り返していた。
セーラは、消え入るような声で聞く。
「あのね……わたしの……この身体ってさ。えっちなこと、で、……できるの、かな?」
ブーッ!
盛大にビールを噴いた。

俺が父ちゃんならこんなこと聞かれたら悶絶して泣いて死んでしまう。娘よ!蝶よ花よと育てて来た娘が・・・えっちだと!? むしゅめよ、とうさんは・・・とうしゃんはにゃ・・・(徐々に意味不明)。娘という意味の前にロボも人間もあるかー!!
しかしまあラルフ父ちゃんは可哀想ですが、セーラが可愛くていじらしいことには変わりないですね。

なんとなくですが

私がかつて「この主人公が大嫌い!」宣言をした「護くんに女神の祝福を!」の展開と何となく構造的に近いものがあるんですが、何故かこの作品の主人公の茸味くんには不快感を覚えませんでしたね・・・なんでじゃろ? イラストのせいかな? 原因を今調査中ではありますが、さっぱり判明しておりません!必殺のフェイスフラッシュ(奇面組:古過ぎる)みたいなモノを持っていないからか?それもと可愛い少年ではないからか? ・・・まあいいか。

いずれにしても

結果星4つ付けちゃうな。
表紙裏の作者紹介に書かれた文章はかなりの電波っぷりで結構引いたけど、まあいいや。Ein氏のイラストも結構好きな部類かな? ビールを吹き出す親父を映像化したのは見事だった。