ミッシング・ホワイト

神曲奏界ポリフォニカ ミッシング・ホワイト(GA文庫 た 1-3)
神曲奏界ポリフォニカ ミッシング・ホワイト 神曲奏界ポリフォニカ ホワイト シリーズ3 (GA文庫 た 1-3)きなこ ひろ

ソフトバンク クリエイティブ 2007-04-12
売り上げランキング : 36465

おすすめ平均 star
star幸せも不幸も捕らえ方次第

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

「教授、続けてポリフォニカシリーズの白の感想を注入するおつもりですか!?」
「そうだ、それがどうかしたか」
「危険です!赤も黒も青もまだあるのに、白だけ既刊本を全て読み切ってしまうなど・・・禁断症状が出るのをを避けられません!」
「・・・そのような事は承知の上だ。さあ、やってくれ」

もうなんのための小話なのかさっぱり分かりませんが、まあどうでも良いですそんなことは。

ストーリー

精霊島」にて神曲楽士となるべく勉強を続けるスノウドロップ(スノウ)は、敬愛するプリムローズお嬢様と勉学に励んでいたのですが、異邦人と名乗るミナギの出現によって平安が崩れ去ろうとしていきます。そして同時期に発生した精霊達の集団失踪事件。しかしスノウの契約精霊・ブランカだけが無事だった事と、さらなる陰謀によって自分の契約精霊であるブランカに対しての疑心を増大させたスノウは、ある重大な決断をしてしまうのですが・・・緊迫した状況がついに爆発を始める第三弾。

全体的にお笑いは足りませんが

スノウドロップの凛々しさが俄然クローズアップされちゃったりします。日本刀振り回しているのは伊達じゃないって所でしょうか。ついでに本名も判明してしまったりしますが、まあそれはそれとして。
今回はシリアス風味なので「絶賛〜」は封印ですかね。

スノウドロップ

「おまえには、失望した」

碇ゲンドウばりの一言でございます。
というか言う時にはとんでもない事をばっちりすっきり口に出す娘ですね。しかしそれが間違っていた場合には真っすぐに謝罪する事も出来るというそんな少女ですね。

「いいか、ブランカ。わたしはこの世に契約以上の絆があると信じる。精霊と人間以上の、神曲以上のつながりがあると信じる」

「残念だが、人間はそういう生き物だ。死んでしまったら、声もきけない。話せない。ただ、愛だけが種のように残るという」

いや本当に凛々しくて格好いいですねえ。ちょっと渋さすら感じますよ?
・・・ここまで書いてふと思いましたが、捻くれておらず、真っすぐなタイプの主人公っていうのが個人的に好きなんでしょうな〜私の場合。「鬼切り夜鳥子」の駒子とかもそうだし。つーか、オッサンにはこういう真っすぐさって眩しく映るんだな・・・きっと。

プリムローズ

今回は実はあまり活躍の場が無いのですが、裏の方で大活躍していたりしますね。ああ・・・黒い、でもその黒い所がたまらなく好きですね。大体p123のイラストの邪悪っぷりはなんですか! 堪りませんな!
その反面、天然指数もうなぎ上りです。

『もも!』
『まん!』
『もも!』
『まん!』
『もも!』
『まん!』


それは、まさに目を見張るべき、一糸乱れぬ結束力であったという。

一体何がしたいんだプリムローズ! そんなに桃饅頭がいいのか!? 桃の饅頭とスノウドロップがいれば他はどうでも良いと言わんばかりの解脱っぷりが爽やかです。

ブランカ

今回は色々と泣かされてしまうブランカですね。しかし、彼(?)も外見と行動と内面がかなり乖離しているキャラクターですねえ。第二のストーカーに後半は変身してしまう彼の姿には、飼い主に嫌われたと思っている子犬のような愛らしさがありますねえ・・・。

「そうだ、俺はずっとスノウに声をかけるタイミングをはかっていた。あれから、なんとなく疎遠になってしまったし、でも、もうお前の部屋にはいけないし……」
その態度はいつもの尊大なものだったが、目は笑っていないとスノウにはわかった。かすかに、怯えたような色をしている。

なんだこの駄目っぷり。

「スノウ、俺はまちがえたのか。……わからない。でも、ずっとずっと待っていたんだ。たしかに、お前を!」

私の頭の中ではブランカ」=「忠犬ハチ公の等式が成立しております。・・・外見も柴犬秋田犬っぽくしたらいいじゃない?って感じです。

3巻のミノティアス

何故かコーナーに?

「い、良い曲だ。そう、愛はいつも、芽がめぶくようによみがえるものなのだ!」
そう、感涙にむぜびながら、現れた精霊——ミノティアスは叫んだ。

牛なんだけどな!

何か感想が偏ってますが

良い味を出しているキャラは多く、2巻でも出てきていたジョッシュのストーカー(笑)の精霊リシュリーの活躍、それにツンデレお嬢様のデイジーと契約精霊のピースの関係は実に良いですね。ちなみにデイジーというのは花の名前ですが、花言葉に「心に秘めた愛」というのがあるそうです。・・・いかにもって感じではないですか!

結果

スノウの過去が明らかになり、ミナギの連れてきたトラブルが一応の終焉をみますが、まあまだ色々と火種は残ったままになっているようなので、次の話も絶賛期待したいですね。
しかし全体的に話の後半が連続のバトル展開だったので、ちょっと性急すぎる展開かなとか思ってしまいました。まあそんな感じなので星1つ減らして星4つかな。十分面白いですけどね。
きなこひろ氏のイラストは今回も良くて、口絵カラーの漫画はとても面白かったですね。落雷ストーカー女あらわる!って感じでしょうか。白黒もいいですね。

感想リンク

Alles ist im Wandelのコウさんも、牛に対する愛を叫んでおりますね! 時代は牛です! 牛肉は食べちゃダメ。