小笠原・父島に行って来ました1〜父島ヤバイ〜
前書き
数回に渡ってお届けする予定の、この一連のエントリで私個人が特定できたという方、
コメント欄に個人情報が推測できる内容を記入したりするのは申し訳ありませんが止めて下さい。
私の個人情報が第三者に分かる、あるいは十分に類推可能であるという情報が書かれた場合は
即座にコメントを削除するか、エントリ自体を消してしまうか、このブログを閉じるかします。
・・・特定したつもりでも実際には人が違っていた場合にはそれはそれで問題になり得ますね・・・ですので色々な危険をはらんでいますので、どうかご容赦下さい。
ただもちろんいつもと同じように、個人情報に関わらないコメントは大歓迎です。
個人の特定が出来た方で、かつ連絡を取りたいという場合は、プロフィール欄にメールアドレスがありますのでそちらにお願いします。・・・まあソレだってある意味危険なので、名前を名乗る特定の人(現地で親しくさせて頂いた方)以外は基本的に無視か削除します。
・・・というか、知られても良いかな? って思う人には別途こちらから連絡致しますので、その辺りはよろしくお願い致します。
実は
金星ならぬ小笠原の父島に旅行に行っていました。
特に小笠原でなければならなかったとかいう訳ではないのですが、
なんとなく?
というのが動機だったりします。しかし、結果としてこれは大成功な選択でした。今までも人並みに旅行はしてきましたが、この旅行はこれまでとある意味全く違ったものとなりました。
旅行先を適当に決めておいてなんですが、小笠原の父島の特異性(まあ母島もそうですが)をちょっと紹介してみたいと思います。
交通手段の選択肢が無い!
とにかく足がありません。
小笠原諸島には少なくとも2007年7月現在、空港がないため船オンリーという足の悪さです。小笠原海運が運営しているおがさわら丸しか小笠原諸島に行く方法がありません。
また、おがさわら丸(以下「おが丸」)は東京・浜松町の竹芝桟橋からのみの出航ですので、関東圏以外の人はかなり訪れる事が困難になってしまっていると思われます。わざわざ東京までやって来て、そしてそこから船って・・・かなり大変ですよね。
移動に必要な時間がスゴい!
小笠原諸島と竹芝の距離はおよそ1000kmなのですが、その移動時間に船に揺られて25時間半かかります。つまり丸一日とちょっとかかってしまう訳ですね。これはないわ。これはない。
もっと距離の上で離れた沖縄に行くのに数時間で済むこのご時世に、移動時間に一日かかるんです。地球の反対側に行くんじゃないんだよ? しかも船酔いというオプションが付いてくる可能性のある船です。
しかもこの唯一の交通手段のおが丸がまた、決して乗り心地の良い船ではありません。多くの人が選択するハメになるであろう2等船室はひと一人に対して、
- ベッド替わりの毛布×1
- 毛布×1
- 時代劇に出てきそうな枕×1
がそれぞれあてがわれるだけのただの雑魚寝エリアです。正月、GW、お盆などは完全に奴隷船状態になるそうです(聞いた話なのでこう言う書き方になってます)。
この時期におが丸に乗船した背の高くて大柄な男性などは間違いなく、
- 仰向けになるだけのスペースが無いので横向きでしか寝られない
- あてがわれたスペースに縦が無いため、足を真っすぐ伸ばして寝る事ができない
などの拷問状態になるとの事。ちなみに身長が170程の私でも、足の位置の取り合いを他の乗客とするハメになりました。冷静に考えると恐ろしい事ですな・・・。
ただ、空いているときは空いているので、のびのびと自分の場所を確保できます。
日程がまたありえない!
先ほどから書いているおが丸ですが、当たり前っちゃあ当たり前ですが一隻しかありません。
つまり、父島に船がある場合、東京に船はないという事です。簡単に言えば線路の上に電車の車両が一両だけあって、行ったり来たりしているという状況を想像して下さい。
しかもこのおがさわら丸、東京(竹芝)と父島に到着後、数日間停泊します。
おが丸最短の旅行スケジュールは以下の様なモノになります(時期にもよりますが)。
- 1日目、おがさわら丸に乗船。午前中に出航。そしてそのまま丸一日移動日(船内で一泊)。
- 2日目、父島に午前中に到着。その日は父島泊(二泊目)。
- 3日目、父島に滞在、というかおがさわら丸が父島から出発しないので、父島に滞在するしかない(三泊目)。
- 4日目、父島に滞在、というかおがさわら丸が父島から出発しないので、父島に滞在するしかない(四泊目)。
- 5日目、おがさわら丸が午後出航。丸一日移動日(船内で五泊目)
- 6日目、おがさわら丸が午後4時位に東京に到着。お疲れさまでした。
再短時間で突っ走ったとしても6日間の連続休暇が必要です。
三連休とかにチョイと・・・なんてとても行けません。繁忙期はどうやらおが丸の停泊期間が短くなるようですので多少はマシになりそうですが、それにしても厳しいのは間違いありません。
仮にですが、出航する船を一便伸ばすと・・・おが丸が戻ってこないので自動的に10日程父島に滞在する事になります。
値段も優しくない!
そしてまたこのおが丸、チケット代金がまた全く笑えない金額です。
一番安い2等船室なのに片道で普通に2万円を超えます。
学生なら学割が利きますが、それでも2万円近い金額になります。繁忙期(7、8月)は料金も上がりまして、結果として一般なら約2万五千円になります。行って帰ってくるだけで5万円がすっ飛んでいく訳ですね。
この5万という金額は時期を選んだ沖縄とかであれば普通に2、3泊の宿泊費用と移動費が出てしまう金額です。2万払って上記の奴隷船に乗るかどうか・・・普通の人は悩むでしょうね。
ちなみに個室の1等以上の船室のチケットを購入した場合は行き帰りだけで10万です。庶民には信じられない展開です。
南の島だけどリゾートではない!
あえて書いておきますが、私の訪れた父島はリゾート気分を味わえる所ではありません。
つまり、お金を突っ込んで大臣気分を味わえるような所が存在しません。それなりのホテルはありますが、いわゆる「でかくて広くて優雅で」的なゴージャスな感じなど味わうべくもありません。正直に言って辺りに自然のままに残された海と山しかないからですね。
王様のようなサービスを受けたい人はお金握りしめてハワイとか行った方が良いでしょうね、間違いなく。
ネット環境が仮死状態!
現在の最速のインターネット通信がISDNです。I・S・D・Nです。
重たい画像があるページなどは開くだけで固まります。このページですら表示するのに結構なストレスを感じるレベルと言えば分かりやすいでしょうか?
島の人によるともうしばらくすると島内の回線は全て光ファイバーになるらしいですが、父島内部だけの事(つまり内地と繋がってない)なのでほとんど意味がありません。
そもそも父島にインターネット関連のサービスを提供しているサーバーが設置されているかどうか疑問ですし(あってルーター位か!?)、あったとしてもどうせぶっとい帯域を必要とするコンテンツがあるとも思えないので、現状島内だけ光回線になっても本当に意味ないですね。
・・・そう言えば、使い捨てカメラを現像してくれるサービスも島内に無いです。デジカメ以外は内地に帰るまで現像がお預けという事ですね。
色々と
小笠原諸島に関するマイナス要素と思われる部分だけをクローズアップして書いてきました。
しかし実は、これらのマイナス要素があっても一度訪れてみる価値がある所が小笠原では無いかと私は思います。というか、これらの不便さは実はそのまま小笠原のアドバンテージだと言って良いでしょう。
それだけの素晴らしい場所であり、そして体験をさせてもらいました。次のエントリでは、その辺りを中心に書いていこうと思います。