自分を許すのは一人では出来ない

だからもう自分を許してあげましょう。だれも抱きしめてはくれなかったあなたの人生を、あなた自身で抱きしめてあげましょう。
人生の価値はひとがそこにどんなレッテルを貼るかで決まるわけじゃない。ハゲでもデブでもキモメンでも、馬鹿でも童貞でも要領が悪くても、楽しく生きることは出来る。
ひとに愛されなかったとしても、だれにも祝福されなかったとしても、あなただけは自分が必死に生き抜いてきたことを知っているはずだ。自分を鞭打つことはもういいじゃないですか。

  • Something Orange 「どうか、あなた自身を許してあげて下さい。」より引用。

それは・・・無理なんじゃないかな?


「ハゲでもデブでもキモメンでも、馬鹿でも童貞でも要領が悪くても、楽しく生きることは出来る」って本当なの?
「ひとに愛されなかったとしても、だれにも祝福されなかったとしても自分が必死に生き抜いてきた」って事はわかるの?
そう言われても・・・どうやってそれを納得させればいいんだろう?
自分自身の価値観だけで、この大地に揺るぎなく立つ事って出来るのかな?


悲しいけど・・・それらを納得させるには自分以外の価値観が絶対に必要なんだと思うな。
なんとなく・・・「銃夢」のあるシーンを思い出した。

「恐ろしい夢を見ていた……
まちがって、お前を殺してしまい……
発狂した俺は怪物になってすべてに、復讐しようとする夢だ……
なんの希望もなく……たくさんの人を殺して……恐ろしい……悪夢だった……」


「だいじょうぶ……ただの夢よ
あなたはそんな事ができる人じゃないもの」


「サラ……俺は不安なんだ
恐ろしくてたまらない……お前が、いなくなってしったら……
俺は……どうすればいいんだ……サラ……
教えてくれ……」


「どんな、つらい事が起きても……それを すなおに受け入れなさい
だれかのせいにしたりせず……自分自身を良しと受け入れなさい
あなたが失敗したり負けたと感じた時も……意地をはったりせず すなおにそれを認めてあげなさい
あなたの価値は勝ち負けとは別にあるという事を私が一番よく知っているわ……」

敗北に傷つき、未来を見失い、自己を喪失した男・ザパンが、一緒に暮らす女性・サラに問いかけるシーンです。
ここでの一番大事なことは最後の一行ではないでしょうか。そこ以外は実はそれ程重要じゃないんだと思ってます。
自分以外の「誰か」から「YES」と言ってもらう事、ありのままの自分を受け入れてもらう事、小さな許しが他人から得られる事、間違ってなどいないと抱きしめてもらう事、そんなものでは無いでしょうか。
子供が母に無償の愛を注がれる事ではじめて自分を肯定する事が出来るように・・・。
だってどんなに自分で自分を抱きしめても、一番空虚を感じる背中のど真ん中に、自分の手は届かないでしょう?