モノケロスの魔杖は穿つ(3)

モノケロスの魔杖は穿つ〈3〉 (MF文庫J)

モノケロスの魔杖は穿つ〈3〉 (MF文庫J)

  • 読む前:またあのごっつい魔道世界に突入するか・・・。
  • 読んだ後:( ゚д゚)ポカーン ・・・なんじゃこりゃあああああああああああ!

ストーリー

立木ヒロはたった4人だけ(自分含む)の魔術的な王国の王。べつに権力者とかそう言う訳では全くないのであるが、魔術的な立地条件やら、意外な重要人物がそろっている事からあっちこっちから問題視されている人間である。
とりあえず前作で本州パンチとか繰り出すような超常対決を制したヒロ達は、その後とんでもなくヌルい生活を送っていた。しかし学校で突然降ってわいた「クラス替え」によってなにやらまたきな臭い匂いが強くなってきてしまい、いつの間にか国と国の勢力争いを含んだ代理戦争のようなモノがクラスの中で起こる事になってしまう。
何が原因か? 何の事は無い「学級委員長を誰にするか」だったのだが。
しかし話はそれでは収まらない。背後で蠢くさらに大きな流れがヒロ達を容赦なく飲みこんで行く! ビックリ展開がドカンドッカンと降ってくる魔法立国物語、ついに佳境へ?

キャラクター:相変わらず

立木ヒロは周囲の大騒ぎを完全に理解しているとは言い難い状態が相変わらず続いておりまして、のほほんとしている印象が今回も崩れませんが・・・周囲の人間関係はめまぐるしく動いていまして、

  • 相変わらず適当な魔法使い・真名辺麻奈
  • before

「真っ直ぐ突っ込むしかない剣士など、魔法使いにかかればイチコロでしょう。敵もつくづく運が悪い。……まあ見ていて下さい。戦いというものがどういうものか、目にするいい機会です」

  • after

「いやはや、援護なく接近戦に駆り出される魔法使いほど、脆いものはありませんね」

バカだろ?

  • どうもヒロが気になりだした体育会系の騎士・長川律

「まだ任命したてとはいえ、彼女は国連公認勇者だからね。それぐらいのルールハンデは、いるのかなあ……」

どんな人間だ。

  • 復活のお姉ちゃんの立木霜夜たつきそうや)による激烈愛情上四方固め

袈裟固めがガッチリ決まり、ヒロは慌てて足だけをバタバタとする。しかし霜夜はヒロの抵抗さえ上手く利用したかと思うと、今度はあっという間に上四方固めまで持ち込んだ。

上四方固めって・・・結構ヤバイ体位だと思うんですけど・・・。
まあとにかく、なにやら変な事になってきています。
さらに前作でうさん臭いポジションにつけていた風祭出雲の本格的な物語への参加、新登場キャラの喜連川など、変な人が目白押し状態です。

話の展開:やられた!

そうきたか! そうくるのか! なんてこった!
ただでさえ意味不明感の強い本作、今回の展開でもう全く次の展開が読めなくなりました。作者の不意打ちに脱帽・・・というか、本当にどんな世界観なのか作者は分かって書いてるのか!? などと不謹慎な事を思わなくもないですが。
しかし・・・今回今まで引っ張ってきた一番大きな謎が解けてしまった訳ですけど、肝心の中心人物はアレ、真奈ちん呆然、律っちゃん憤慨・・・って次の話どうなるんだろ?

総合

星4つ。
ある意味難解さここに極まれリという作風なので、場合によってはこの最新刊を読み始める時には1、2巻も手元に置いて、勢力図関係を洗いなおした方が良いんじゃないかと思います。
今回ほとんど最強? とか思っていた神器カドゥケウス(伝令使の杖)の弱点なんかも露呈するし、12年前から続いてきた企みが露呈して・・・今後どうするんですかね?
誰か人物相関図とか、用語とか概念解説とか作ってくれないかなあ。段々分かんなくなってきた。特に概念方面。