きゅーきゅーキュート!(5)

【MF文庫J】きゅーきゅーキュート!5 (MF文庫 J の 2-12)
【MF文庫J】きゅーきゅーキュート!5 (MF文庫 J の 2-12)野島けんじ  武藤此史

メディアファクトリー 2007-08-24
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ストーリー

春日理刀は頑張っても頑張っても能力値99な少年。やっぱり相変わらず99な理刀だったが、突然の引き抜きによって地下の特別教室に連れて行かれてしまう。それを実行したのはカカ・フォンターナ。フォンターナ姉妹の2番目に位置するとんでもない姉の手に寄るものだった。
彼女の行動にはいくらかの謎がつきまとい、本来ならキュートスイートに近しいはずの毒舌丸まで重く口を閉じる様になる。そして理刀の前に現れるササラという少女。彼女は一日中寝ているような少女だった。
そしてさらに不可解な事に、カカによって「妖精捕獲大会」とやらが開かれる事になるのだか・・・その理由もはっきりしないのだった。

ブコメとしては

キュートは理刀に対する気持ちに完全に自覚的になってきていて、

時間にすれば、ひと呼吸の間だった。いや、もっと短かったかも。
あの瞬間に……、心を……、奪われた。

こうまで書いています。あとはこの後この恋心をどうやって料理してやろうか? という展開ですね。しかしライバルは前巻までの展開で増えに増えまくっており、なかなか簡単には行きそうにないです。
主立ったところではスイートと巴ですかね。この二人はガチです。黒媛はちょっと本気かと言われれば微妙ですが・・・。
個人的にはヒロインのキュートよりスイートや巴の方が好きな私です。スイートは情熱的かつストレートなところが、巴は悶々としてえっちいところ(敏感!)が好きですね。
今回何故かヒロインズが猫耳猫しっぽを装備する事になるのですが(何故猫の必要があるのかは全くもって不明)、そのしっぽが反応するときの反応では巴が一番イイ感じです。

「やん……」
尻尾のつけ根が、ぴくぴくぴくっと痙攣した。その振動がお尻に響いてくるから、くすぐったい。

これはアナタ、かなりの敏感ボディですよ!?

主人公の理刀くんですが

今回は全くと言っていい程見せ場がありませんので、もうなんというか、少女たちを動かすエサ的な位置づけでしかないです。
まあ彼は彼なりに本編でやれる事をやってはいるんですが、謎に振り回されっぱなし、目的も見失いっぱなしなので見所はほとんど無いです。・・・つーか、もうちょっと見所を用意してくれないと、なんで彼がモテるのか理由が分からなくなりそうですよ?
その替わりと言ってはなんですが、彼の替わりにスイートの見せ場というか、誘惑のシーンが結構増えてます。いや、それはいいんですけど・・・主役の影かひたすら薄い・・・。

今回は

以下続刊!という感じで初めて「つづく」状態になりますので、「このシリーズ、どうしよっかな〜」とか思っている人は次の6巻が出るまで購入は待っても良いかも知れませんね
こういっちゃあ何ですが、どうしても少女たちの可愛いところを早く見たいという人以外には、特に見所が無いと一手も良いかも知れません。まあその「続く」状態にされたせいか、次の巻が待ち遠しいのも事実ですが。
あとやっぱりまた黒幕は姉ちゃんかよ・・・という心境です。次の巻で審判を下して、動きが無ければ読むの止めようかな。

総合

ギリギリ星3つにしておこう。本当にギリギリですよ?
まあ少女たち(キュート、スイート、巴など)それぞれに見せ場が用意されていて、そういった辺りではそこそこ楽しませてもらったからですが、いずれにしても作品全体が購入するかどうかの際どいところにいるのは間違いありませんね。
とにかくこの巻は主人公の理刀の魅力というか人間力というか情熱というか、そういうものをプッシュしたシーンが少なすぎるように思うな。なんか彼の行動するシーンが無くても話が成立しそうなんだものなあ・・・。
やっぱり彼が主役なんだからさ・・・幾らヒロイン達こそが華とは言え、ちゃんと中心がしっかりしてないと作品そのものがグダグダになると思う。それなりに期待はしているので、次では作者の人にもう少し頑張って欲しいというのがホンネです。・・・厳しすぎ?
武藤此史氏イラストは全体で見た場合やっぱり動きが無い絵が多すぎるかなあ。でも少しは前より良いような・・・気もする・・・。