ねくろま。(2)

ねくろま〈2。〉 (MF文庫J)

ねくろま〈2。〉 (MF文庫J)

ストーリー

ソリス・アレクサンドロは魔法を学ぶ学生が集まる王立トリスメギストス学院で天才と呼ばれ、憧れ、畏怖、嫉妬、羨望などなどを一身に受ける生徒であるが、実体は才能はあるものの訓練や勉強を怠らない努力家。下級生(女生徒)に(激しく)愛され、同級生(女生徒)に(ツンデレに激しく)愛され、生徒会長(幼女)に(激しく)愛されていた。
で、一番問題なのはある日突然現れた一体の完全白骨体。その名をマシロ・アナスタシア。かつてソリスが好きだった少女で、復活に失敗した幼なじみの変わり果てた姿でもある。まあ、妙に陽気なのだが・・・。
彼は中途半端に成功したマシロの復活を完全なものにしようという希望を持って動き出すのですが、物事はそう簡単に進む訳も無く・・・。
ヒロインがスケルトンという新感覚ラブコメの2巻です。

うーん

無駄弾を撃ち過ぎ、という印象がまず最初に来たかな。
幼女と幼女の変態チックな絡みやら、

「ぁっ、ね、ねえさまぁ、そ、そこは、ら、らめえ、ですぅ……」
「いい声で鳴くじゃないかニカ……ぞくぞくする。ほら、早く話の続きをするのだ。でないと貴様の純潔は私のモノになってしまうぞ?」

ちょっとしたソリスの失敗からソリスがぱんつマニアと勘違いした後輩がとにかく自分のぱんつを見せようとしたり、あるいはその場で脱いで渡そうとしたり、

「……ぅぅ……ソリスせんぱい……ぱんつぅ……もらってください……」

「せんぱい、これは、今日のお礼ですっ!」
ばさあ――――。


ヒカリが自分のローブの裾を思いきりめくり上げた。
新しい眼鏡をかけたソリスの目に飛び込んでくる、ぱんつ。
ローブの黒に隠された、純白。

ツンデレお嬢様の家で晩ご飯を奢ってもらったかと思えば、お風呂場で第四次接近遭遇でおっぱい触ったり、

キャロルはゆっくり目を閉じた。


閉じられても困る。

酒によったお嬢様が浴衣をはだけて迫ってきたり。

「ソリス様、本日のメインディッシュです……わたくしを、食べてくださいませ……」

なんていうの? 別にどれ一つとして嫌いなシチュエーションでは無いんだけど、うーん、「5分に一度死の恐怖!」みたいな売り文句でCMやってるアクション映画とかあるけど、それに近い? 言い換えると「5ページに一度なんかエロい!」って感じかな?
別に5ページに一度じゃなくていいから、乱発しないでちゃんと一つ一つの見せ場を育んでほしいというか・・・。サービスカットは貴重だからサービスカットなんであって、全編その調子だとただのピンク映画なんではないかと思ったり
なんだかそういう場面を入れる事ばかりに腐心していて、話がちっとも進まない。おおよそ全体の3分の2位はエロやら萌えを狙ったシーンなんじゃなかろうか。下手な鉄砲数撃ちゃ当たる方式とも言えますが、うーん、微妙・・・。
そういう訳で一冊読んで分かったのは賢者の石とそのフラグメントにまつわるお話、そして生徒会長の過去・・・位かな?

そうはいいつつも

やっぱりメインヒロインが白骨骸骨というのは新鮮です。
そしてさらにその中の人であるマシロは筆談ながらなかなかのツッコミ力を発揮する感じであって、キャラクターとしても中々魅力的ですね。骨でもヒロイン、といった所でしょうか。

「マシロ! 頼む、助けてくれ!」
【助けてあげたいのはやまやまなのですが、眼鏡をかけた少年がお友達に羽交い締めにされているという芸術的な光景を壊すわけには!】
「わけのわからんことを……!」
【わかってくださいこの乙女心……。あ、アイザックさん。できればソリスくんの胸元をちょっと乱暴にはだけさせていただけるとありがたいです】

これはまあ・・・ソリスの股間の一物を乙女のみんなで観察しようという完全にセクハラな感じのシチュエーションな訳ですが、そんなに美少年のちんこに興味あるか? 腐女子の人? まあ永遠に分からないからいいけど・・・。

総合

星3つ。
とにかく全編妙なパロディとエロシーンと萌えシーンが乱射されていて、そういうのが好きな人には堪らん展開だとは思うのだけど、肝心のストーリーというか話は無きに等しい出来です。
しかしそれだけに集中してしまった感じはある種の清々しさというか・・・敢えてフォントサイズまでいじくって台詞を強調しちゃったりとか、もう明らかに狙ってやっているとしか思えないですねえ・・・スパムメールにある潔さとでも言おうか・・・。
しかし、次の話もこんな感じだったら流石に読むのは辛いですな。自動的に星がさらに1つ減って脱落するでしょう。
イラストはじろう氏ですが、うーん、まあまあ? 絵が悪いという事は特にないですね。というかこの本の内容ではどこを絵にしてもこれ以上は望みようがないというか・・・いや悪口ではなくて。