付喪堂骨董店(3)

付喪堂骨董店 3—“不思議”取り扱います (3) (電撃文庫 お 9-6)
付喪堂骨董店 3—“不思議”取り扱います (3) (電撃文庫 お 9-6)御堂 彰彦

メディアワークス 2007-10
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ストーリー(変える必要がなさそうなので同じ)

アンティー」と呼ばれる不思議な品物がある。
それは現代の科学では説明の出来ない奇怪な力を有した品物で、この物語の舞台となる「付喪堂骨董店」は普通のアンティークショップであると同時に、店長の道楽で、これらの不思議なアイテムを扱っている店。
この話は、アンティークと呼ばれるアイテムに翻弄される人々の欲望と、「付喪堂骨董店」でバイトをしている少年・来栖刻也(くるすときや)と少女・舞野咲(まいのさき)、そして道楽店長である摂津都和子の3人が織りなす、マジックアイテムストーリー。
なんとなくラヴ度が上がった印象のある3巻です。

安定飛行に入った

感じがしますね。作品全体の空気が固まって、各短編が読みやすくなったような印象があります。
登場するアンティークの一つ一つもそれほど突拍子もないという感じはしないのですが、それでもアンティークを上手く使って、人の業とでも言いましょうか、そういったものを上手く描き出しています。
それに加えて今回2巻より気に入った所がありまして、それが「全体的な後味の良さアップ」ですね。もちろんアンティークによって人生を狂わされた人々が出てくるのですが、それでも全体として見ると悪くないという印象ですね。

で、やっぱり

ストーリーの方は直ぐにでもネタバレに直結しそうな感じなので、なるべく避けて通る方向で進みまして、キャラクターの行動を中心に作品の良さを紹介したいかな〜とか思います。

来栖刻也

高校2年生の少年。
付喪堂骨董店でバイトをしていて、主人公の一人。
彼自身、生命の危機に直結する未来を一瞬だけ見る事が出来る「アンティーク」の一つを常に所持しており、作品内ではその力を使って人助けというか、おせっかいというか、をいつもやっています。今回もアッチコッチで事件に首を突っ込んでいますし、ちょっとした探偵みたいな事もしますが、探偵としては有能ではなさそうですねぇ。
しかし、しかし、しかし? 今回はラヴの方向で結構頑張ったりしています。いきなりの抱擁とか・・・。

本当に、心の底から俺は思う。
夢でよかった、と。

そこまで思うならさっさと手に入れて手放さなければ良いのに〜とか思いますが、そこのままならない所が青春って感じでしょうか。ラノベの主人公の中でも結構お気に入りの主人公ですね。

舞野咲

高校1年生の少女。
真っ白な髪の毛に真っ黒な服しか着ない、無表情な人形のような少女・・・なんですけど自分では接客業に向いていると思っているらしい・・・。
良く分かりませんが、色々と怪しげな接客業を極めるための本とかを読んで間違った方向の知識を詰め込んでいるようです。ちなみに最初の方では『これであなたも猫博士になれる』とかを読んで接客業に役立てようとかしてます。何か間違ってますね。ついでに言えば『特集・深夜の接客業』とか『これであなたも夜の蝶になれる』などなども読んでいます。
・・・明らかに間違っていますが、彼女は彼女なりに真剣なようですが、あー、変人です。
今回も最終話はやっぱり彼女のために(彼のために?)用意されたお話となっておりまして、えーっと今回結構接近したのかな?

摂津都和子

付喪堂骨董店のオーナーですが、「アンティーク」を集めてくるのはこの人。
どうもやっぱり色々とうさん臭く、なんだか分からない動機でアンティークを集めまくっていますが、その辺りの理由がそのうち明かされる日が来るんでしょうか? ・・・今の所完全に変な人なんですが。

「なんとこれは『中に入れたものが永遠に腐らない保存庫』だ!」

とかなんとか言った挙げ句にその箱を気合い一発開けてみるんですが・・・あー、凄い匂いがしたという事だけ記しておきます。

総合

星4つ。うんうん、安定して面白かった。
2巻の感想で実は私、

「比較的暗い話が多いのがちょっとなんだかな〜という感じなので、3巻では明るい話と暗い話で半々位の割合にしてほしいなあ・・・とか思ったり思わなかったり」

なんて書いていたりするんですが、その要望通りの出来になってしまっていてとても嬉しい。間違いなく次の話も読みますねえ・・・ラヴの行方も気になるし。

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