鋼殻のレギオス(7)ホワイト・オペラ

ストーリー

ニーナは無事に園都市ツェルニに戻って来たのだが、彼女は自分が行方不明になっていた間に一体自分の身に何が起こっていたのかを仲間たちに正確に明かす事はなかった。しかし廃貴族をその身のうちに抱えている事は告白する。それぞれ動揺しつつも彼女を再び受け入れる仲間たち・・・とはスマートに行かなかった。レイフォンはともかく他のメンバー——特にフェリ——は、ニーナに対する不信感を止められない。それは自分がレイフォンに対して向ける感情とも無縁では無かったのだが・・・。
そして、そんな彼らの思惑とは別に、不審な動きを起こすサリンバン教導傭兵団のハイア。またほぼ同時に発生するツェルニ vs マイアスの都市戦。さらにはグレンダンの天剣授受者であるヴァリスの動き・・・。
そしてそしてそして、遂にリーリンがツェルニに到着する!
なんだか色んな思惑があっちこっちにあって、その辺りの回収が一向に進まないような感じの7巻だったりします。

フェリが

色々と優遇されてますな〜!
表紙にでかでかと載っているのはもちろん、口絵カラーの一枚目もフェリとレイフォンの2ショットだったりします。
物語本編でもある意味美味しい役所だったりしますので、この辺りは人気がそのまま本編の展開に影響しているような気がしたりします。・・・一応レイフォン戦線にはメイシェンとかいるはずなんですが、殆ど登場機会がありませんし・・・それはそれである意味不憫ですなあ・・・。
一体レイフォンは誰を意識しているんでしょうねえ。・・・という所でリーリンの登場な訳ですが、リーリンがレイフォンと顔をあわせるのは本編ラストだったりします。
引っ張り過ぎー! とか個人的には思ったりしますが・・・うーん・・・。

そして都市戦

これは意外にあっさりと決着がついてしまいましたね。
今までの展開があるのでもうちょっと引っ張るかと思いましたが「取りあえずの一戦」という感じですね。まだ続くような事になりそうですし、この後の激戦に期待したい所ですね。
流石に今回の一戦だけだと寂しいですねえ・・・。

物語的には最終的にこの台詞がどう影響していくかが焦点になりそうな気がします。

「どうしてあなたは他人に心配ばっかりかけさせるの! どうしてそんな風に我慢ばっかりするの! 直ってない。全然直ってない! そうやって、一人で何でもかんでも抱え込んで、誰か幸せになったのか、言ってみなさい!」

総合

星3つ。
オリジナリティー、キャラクター描写の水準も高くて好きですが・・・。
うーん、個人的にはイキたくてもイカせてもらえない「焦らしプレイ」が長過ぎてちょっと我慢の限界が近い感じ?
次の話あたりでもう少し人間関係やら成長物語あたりが書かれないとちょっと我慢しきれなくなりそうです。でも今回リーリンがツェルニ到着したので、次巻ではその辺りが掘り下げられる事に期待したいですね。
イラストは深遊氏で、個人的には絵に動きがある所が好きな絵師さんですね。背景などの細かい書き込みも良いですねえ・・・。

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