渚フォルテッシモ(2)

渚フォルテッシモ 2 (2) (MF文庫 J き 2-2)
渚フォルテッシモ 2 (2) (MF文庫 J き 2-2)城崎 火也

メディアファクトリー 2007-10
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おすすめ平均 star
star1巻の方がまだマシでした。
star終始ニヤニヤが止まらない
starちょっと痛い・・・かな。

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うほぉ、こってりですな。

ストーリー

山ノ上大地(やまのうえだいち)は学校でUMAマニアという風に認識されている学生。
しかし深夜の学校で全裸の少女と出会った事で彼の青春は美味しい方向に急速回転し始める。その全裸の美少女は校内有名人の麻生渚(あそうなぎさ)だった。
渚は人前ではお嬢様の仮面を被っているのですが、人がいない所ではとんでもなく過激な少女に変身します。そして実は人魚とのハーフであり、怪力と奇跡を起こす歌声の持ち主だったりします。そしてどうやら大地に恋をしているようなのですが全くもって素直とは言い難く、その嫉妬のパワーも凄まじい少女です。
この2巻でも謎のUMAが登場して色々と大変な目にあう渚ですが、やっぱり大地を好きっぽいクラスメイトの小柄な美少女・篠崎朱里を牽制して渚が変な行動に出たりとか、新登場キャラで大地に何故か近づいてくる早瀬空美(はやせくみ)とかに引っ掻き回されて渚の心は曇り時々雷雨・・・という塩梅。
UMA云々より恋模様が楽しい2巻です。

むうっ・・・!

デレデレというか、分かりやすすぎと言うか、もう完全にこってりとしたラブコメですな。

麻生渚(あそうなぎさ)

基本は上で書いた通りお嬢様のフリをしているのですが、大地の前だと高ぶる心を暴走させがちで、もはや彼女気取り(!?)のような行動をあちこちで取ったりします。

「ちなみに、私も下着を盗まれた一人なの」
空美が照れくさそうに言う。
「ぶほっ!」
大地は手で鼻を押さえ、むせこんだ。
「やだ、山ノ上くん、大丈夫?」
思いやりたっぷりの声を出し、渚がそっと大地の背に手を回すと——
「あだだだだだ!!」
きゅううっと思いきり背をつねられ、大地は悲鳴を上げた。

通りすがりの女性に目をやっただけで嫉妬する彼女かいっ! というツッコミが入ること確実ですが、これが基本姿勢です。
まさしく常時ラヴマックス状態であり、恋する乙女はせつなくてお兄ちゃんどいて!そいつ殺せない状態であります。暴走灼熱機関車やえもん。発火油鍋爆炎大八車。とかそんな感じなくらいに分かりやすい状態です。

篠崎朱里(しのざきあかり)

ザ・小柄で内気な眼鏡美少女。コテコテですが、それがいいという読者も多そう。
地味目に見えてそれなりに積極的なのかも知れませんが、強いて言えば渚より「運がいい」感じ。美味しいタイミングにするっと入り込むというか・・・。

朱里が小さな手に持った、可愛い花柄の傘を指しだした。
「よかったら、はいっていかない?」
「え? いいの?」
「うん」
朱里が頬を染めて頷いた。

うーむ・・・これで感づかない主人公はよほど恵まれた生活を送っていたのかも知れないと思いつつ・・・ニブいのはラブコメの基本なのか・・・?

とにかく

ブコメです。
前作よりラブコメ指数が80%位は上昇しているような感じでして、その辺りを引っ掻き回すのに新キャラの早瀬空美が活躍してくれます。
ラブラブコメなのです。
UMAとかはちょっとどうでも良い感じになってしまっているので、その辺りの見所は1巻より減っていますね。
ラブラブ愛を叫ぼうなのです。
渚の精神のメトロノームがとんでもない動きをする様を見て楽しめるか楽しめないかがポイントですね。

総合

星3つ。
前作より星が1つ減っていますが、個人的にはUMA&異能成分が減った関係ですね。ただし、コテコテのラブコメが好きという人は1巻よりこの2巻の方が楽しめるのではないでしょうか。私はちょっと今イチでしたが・・・。しかしこの勢いで大地と渚の関係が深まってしまうと5巻位で渚が妊娠しそうですな・・・。うん。
そうそう、この2巻は主人公の魅力が今イチ伝わってこない話でしたね。渚一人に好かれるのはまあ良いとしても、それ以上となるともうちょっとちゃんと魅力を伝えて欲しい所です。
イラストは桐野霞氏ですが、全体的に好きですね。口絵カラーの渚のチアガール姿のイラストは、アメリカ辺りではもうど真ん中ストレートすぎて大変な事になりそうな気がします。

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