とある魔術の禁書目録(14)

とある魔術の禁書目録 14 (14) (電撃文庫 か 12-15)
とある魔術の禁書目録 14 (14) (電撃文庫 か 12-15)鎌池 和馬

メディアワークス 2007-11-08
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おすすめ平均 star
starいい展開
starこの作品の魅力
star今度は魔術サイドが主

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ストーリー

ローマ正教の一組織「神の右席」に所属する一人「前方のヴェント」の学園都市襲撃以来、学園都市だけではなく世界中がきな臭い匂いに包まれつつあった。世界中のローマ正教の信徒達が反学園都市を掲げてのデモ/小さな暴動を繰り返すようになったためだ。そしてその動きに呼応するかのように、軍事色を強める学園都市。
上条当麻は関係者の一人として、対立色を強める2つの勢力に歯がゆい思いをしていた。今度ばかりは「都合の良い悪役」が存在せず、自分には何も出来ないと分かっていたからだが・・・。
しかし、そんな矢先、土御門からある一つの知らせが当麻にもたらされる。世界各地で発生しているローマ正教徒による行動には裏があり、それにはどうやら「C文書」という霊装が関連していて、多くのローマ正教徒がこれに操られているのだという。
今回は突然舞台をフランスに移しての大バトルです。・・・フランス・アヴィニョンの歴史的な町並みが粉々になったりする14巻。

しかし

ここまでヒロインが誰だか分からない話も珍しいですね。
今回「恐らくメインヒロイン」のインデックスにはセリフが無いどころか、一瞬たりとも登場しません。当麻が思い出したりはするのですが、まあつまり「物語の画面上に」出てきません。その代わりに何故か吹寄制理のパンチラ(パンモロ?)イベントがあったりとかします。
ついでに言えば今回ヒロイン級の活躍をしてくれるのは、天草式十字凄教に所属している五和ですね。五和→当麻フラグは既に立っていますし、その上で色気あり、ちょい見せイベントあり、戦ってよし、当麻をフォローしてよし、おしぼりの準備よし(?)と、いい事づくめですね。
当麻は接近格闘&科学サイドの人間です。で、魔術サイドの人材としては、彼を直接支援出来る/支援する気がある、接近格闘可能な初めての人材では無いでしょうか。五和は槍とか持ってますし。
土御門も魔法が使えますけど使うと血だらけですし、しかもうさん臭いですから・・・。他のキャラ達は立場の問題があったりして動きが取れないとかありますしね。動けても戦闘能力が無いとか、非協力的とか・・・。
当麻と五和の物語上での相性は非常に良いのではないかと感じますね。

大まかな展開は

正直に言って段々と水戸黄門的と言っていい感じになってまいりました。
それを「安心して楽しめるか」あるいは「マンネリ気味」と取るかによってこのシリーズのイメージは結構変わりそうですね。まあ私の場合はそれでも読んでしまいますけど。
今回も敵役としては「神の右席」の一人「左方のテッラ」という野郎が出てきます。それに加えて何故かフランスくんだりまで来て殆ど戦争行為とも言えそうな鎮圧行動に出る学園都市。それらに加えて暴徒と化してしまった現地の住民にも狙われる当麻達。・・・気分はメタルギア・ソリッドですね。

総合

まあまあ? 星3つかな?
楽しいと言えば楽しいけど、大まかな展開が予想出来るという意味では大いなるマンネリ感が強い本シリーズです。今作は特に展開が12、13巻に近い事もあって微妙に感じてしまいました。
ただし一つだけ今までと違う所があります。・・・「遂に」といってはなんですが、当麻の右腕の謎に関する描写が増えてきました。
そしてもう一つ、当麻がずぅっと隠し通してきた「ある秘密」が遂に「ある人」に知られてしまう事になります。これは・・・! 今後の展開が気になりますね。まあ最悪の相手という訳ではないですが、一波乱や二波乱は確実ですね。ビリビリ。

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