HALF-LIFE:2

FPSを好きな人で

このタイトルを知らない人はいないとは思いますが、とりあえず面白かったので私なりの感想を書いてみたいと思います。・・・まあその、あっちこっちで「どんな感じなの?」って意見は既に出尽くしているとは思いますけど。
もしやった事が無い人がいれば、是非参考にして下さい。オレンジボックスは「ハーフライフ2」本編に加え「エピソード1(ハーフライフ2の続き)」と「エピソード2(エピソード1の続き)」、さらに他のゲームも付いているお買い得品です。その他の追加パッケージについては他の機会に譲るとして・・・今回は「ハーフライフ2」本編を簡単に紹介します。

ストーリー

主人公が謎の男・G-MANと呼ばれる人物に話しかけられる所から物語はスタートします。
ちなみに私はハーフライフ1をプレイした事が無いのでスタート時点での背景がさっぱり分からないのですが、とにかく自由に動けるようになったら色々な場所を歩いてみましょう。
歩き回っていると、今自分のいる場所が「シティ17」という街で、なんだかスターウォーズに出てくる「白メット雑魚」みたいのがあっちこっちにいて、近づくとぶん殴られるという理不尽な状況に人間達(もちろん自分も!)が追いやられている事が分かってきます。なにやら地球と人類が大ピンチって感じです。
街にはプロパガンタのためか、髭のオッサンによる演説がずーっと流れていて、どうにも戦時下の匂いがプンプンで、そこで生きている人類は良く見積もっても囚人という感じです。あなたはそんな状況を打破するべく、行動を開始します・・・。

キャラクター(中心人物のみピックアップ)

個性的というか、ちゃんとキャラクターが立っていてその辺りが実に良いですね。
表情についても困った顔やら怒った顔など実に多彩な感じで、コンピューターゲームの水準も随分上がったんだなあ・・・としみじみしたりしました。FF8の戦闘シーンのような「喜んでいるはずなのに能面ヅラ」というプチ笑える状況にはなりませんのでご安心を。

ゴードン・フリーマン(あなた)

一応仕入れた情報によると、前作「ハーフライフ1」で扱われた「ブラックメサ事件」の生き残りというか・・・英雄? のようなポジションとして登場する訳ですが、作中一言も喋りませんドラクエの主人公と同じような印象を持ってもらえれば分かりやすいですかね。
プレイヤーが作品世界に入り込むための装置なのですが・・・「カナテコおじさん」と愛称がついてしまう程過激というかなんというか。彼に許されるのは基本的に「破壊活動」だけです。
初期装備のカナテコ(いわゆるバールのようなもの*1)を持った瞬間を境に彼は殺人破壊兵器として覚醒し・・・結果として暴虐の限り(敵から見れば)を尽くす事になります。
まあアレですね、あなたがカナテコおじさんによる破壊の魅力に取り憑かれるには数ステージもあれば十分でしょう。恐らくあなたもふと気がついた時には「バールのようなもの」で木箱やら椅子やら壁やら・・・とにかく壊れそうな物を粉砕している自分に気がつくでしょう。

アリックス・バンス

科学者・イーライ・バンスの一人娘で、人種的には見ようによっては白人にも黒人にもそれこそ黄色人種にも見えるという「作った人達の人種問題に対する配慮が見え隠れする」本作の戦うヒロインです。
かなり行動的(おてんばと言った方が分かりやすい?)な女性で、戦わせても強く、メカにも強く、コンピューターにも強く、謎の手持ちアイテムで青いバリアで塞がれた道とかをどんどん開けてくれたりする非常にナイスな女性です。彼女が側にいる時は安心ですね。なんとなく可愛いし・・・。
ちなみにジーンズに包まれたお尻がキュートなので、尻フェチの私としてはなんの不満も無いヒロインです。

イーライ・バンス

片足が義足で皺深いおっさんの科学者。なんか科学者というよりは服装を変えて漁師とかさせると良い感じじゃないかなあ。
ゴードン・フリーマンに対しての協力者で、見るからに良い人って感じ。まあなんというか影響力が相当あるらしいですが、この「ハーフライフ2」においては彼の娘の方が目立ってますね。

アイザック・クライナー

眼鏡をかけた色白のおっさんで、生まれながらにして科学者になる事が決まっていたと言われても違和感を覚えないという見事なまでの科学者っぷりです。白衣が標準装備で、すっとぼけ。とんでもない生き物をペットにしているあたりからも彼の変人っぷりが見て取れます。ただし彼も基本的に善人なので安心です。まあその・・・ドジですが。

バーニー・カルフーン

ひげ剃り痕の青々としたレジスタンス所属のあんちゃん。なんとなくマッチョ系。
どうも背景が良く分かりませんが、前作にも登場しているらしく、ゴードン・フリーマンを知っています。彼は兵士なので銃をぶっ放して戦ってくれたりします。

ウォレス・ブリーン

「悪い奴」という認識だけしておけばまあ問題無しです。なんか宣伝映像に出ていた奴ですね。

武器

数種類の武器をストーリー進行に伴って入手していくという感じですね。

カナテコ(バールのようなもの

ゴードン・フリーマンの基本装備で最終装備。
射程距離とかは最短で威力も小さいのですが、無限に使えるので箱やら板やらをぶっ壊す時には必ずと言っていい程使う事になる装備ですね。物語の中盤以降で「重力銃」が登場するまでは重宝します。つーか気がつくといつの間にか「時々使わないと不安なキモチになるアイテム」の筆頭です。

重力銃

中盤で手に入るこのゲームで一番使う機会が多い武装ですね。無限に使えます。
箱やら鉄の塊やらドラム缶やらを右クリックでつかんで動かしたり、つかんだものを左クリック高速で打ち出したり出来ます。例えばゲーム中に出てくる「爆発ドラム缶」とかを持ち運んで敵に向かって投げつけて大爆発とか、道を塞ぐ障害物を除去したり、手では届かない場所にあるアイテムBOXを手元に引き寄せるなど、利用方法は色々あります。特に序盤の「レーベンホルムには行かない……」では主力武装として使う事になるでしょう。これも使い方をゲーム中で懇切丁寧に教えてもらえるので、直ぐ慣れるでしょう。

ピストル

意外と連射性能と集弾性のいい拳銃です。最高装弾数は18発、持ち歩けるのは最大150発です。
初期はカナテコに変わる遠距離武器として、後半になっても小物相手に結構使う事になったりします。マシンガンより威力は小さいけれども、集弾性が高いので上手く使い回そうという感じですかね。

マグナム

最高装弾数6発のリボルバー。持ち歩けるのは最大12発です。
威力はでかいけど弾丸が余り手に入らない事と、反動がでかくて乱戦状態だと微妙に使い辛い。個人的には慎重に狙った上での狙撃用とか、あるいは大物相手に使ったりと言った感じですかねえ・・・個人的には殆ど使わないままゲームクリアしちゃったんで、使いどころが難しいような気もする。リロードも頻繁に入るし・・・。威力は強くて良いんだけどねえ。

サブマシンガン

序盤の方で手に入って、終盤まで使っていける武器ですね。最高装弾数は45発で、持ち歩けるのは最大225発です。
弾丸も容易に手に入るので、とにかくバラまいておけい! という感じでぶっ放す武器ですね。ただ集弾性は良くないので、遠距離で使う場合には弾丸を結構消費します。
右クリックで発射可能なグレネードランチャーは非常に便利なので場所を選んで要所要所で使っていきたいですね。ただしグレネードランチャーの弾丸の入手数は少ないです。

ショットガン

ハーフライフ2における最高の武器かも知れないですね。最高装弾数は6発で、持ち歩けるのは最大30発です。
至近距離での威力は折り紙付きで、遠距離でも意外に威力を発揮するのがビックリなお役立ち武器です。普段/屋外はサブマシンガン、閉所/室内ではショットガンという感じで使い分けていけば基本問題無しですね。右クリックでは2発一気に発射して威力も倍という美味しい使い方もできます。

パルスライフル

中盤以降に入手する事になる強化版サブマシンガン。最高装弾数は30発で、持ち歩けるのは最大60発です。
集弾性/威力共にサブマシンガンに比べて遥かに良いものの、持ち歩ける弾丸の数が少ないのと、連射速度が高いのであっという間に打ち尽くすという印象が強いですね。いざという時に何故か弾切れ、という事が多いのでメインで持ち歩くには不安があるという悲しい印象のある武器です。
ただ、弾丸は後半では比較的入手しやすいので、弾があったらパルスライフル、弾が切れたらサブマシンガン/ショットガンに持ち替えて使っていくというプレイスタイルで良いかも。
右クリックで「壁で反射する光る弾」を打ち出す事が出来るので、室内で敵が密集している所で使うと実に良い感じ。ただしやっぱり弾丸の入手数は少ないので、使いどころを選んでいきましょう。

クロスボウ

ゲーム後半で手に入るスコープ付きのクロスボウ。最高装弾数は1発で、持ち歩けるのは最大10発です。
威力は非常に高く、雑魚の類いはほぼ一撃で抹殺するオニ武装ですが、連射は出来ませんので狙撃用と割り切って使うのがベストですよ。使いどころが難しいという感じはありますが、実は使いどころになると「何故かクロスボウの矢が手に入る」という親切設計のゲームとなっていますので、そういう時には積極的に使っていきましょう。
距離が伸びると狙った所から少し矢の着弾地点が落ちるという印象はありますが、慣れれば十分調整可能な範囲なので、クイックセーブとロードを利用していけばいい結果が出せるでしょう。

グレネード

いわゆる手榴弾です。最高装弾数は1発で、持ち歩けるのは最大5発です。
投げてから爆発するまでに結構な間があるので、近距離から積極的にこちらに接近してくる敵には使い辛い印象がありますが、狙撃手がいる小部屋に投げ込んでやっつけるといった使い方も出来ますし、使いどころを間違わなければ非常に良い感じの武器ですね。左クリックで投擲、右クリックで転がすといった使い分けが出来るので、時と場所を選んで使い分けましょう。
後半になると「タレット」という地面に設置された自動銃撃メカが出てくるのですが、そいつを転ばせて無力化するのに欠かせません。

RPG

ロールプレイングゲーム・・・ではもちろんなくて、レーザー追尾装置の付いたロケットランチャーです。最高装弾数は1発で、持ち歩けるのは最大3発です。
レーザー追尾機能はかなりの優秀さで、狙った所に向かってどんどこ飛んでいきます。後半で戦闘ヘリやらなにやらをぶっ壊すのに必ず必要になる武器ですね。また、そういうシーンではやっぱり「無限ロケット弾入手ボックス」がありますので、その場所を発見したら積極的に使っていきましょう。

フェロポッド

聞いたことのないアイテムですが、敵として出てくる「アントライオン」という巨大昆虫を操るための「フェロモン玉」という感じですね。使い方は本編内で親切に教えてもらえるので分かりにくい所は無いでしょう。

ゲームスタイル

特にはっきりとした章立てなどはなく、ゲーム中に中断無しで(ロード時間はありますが)話がどんどこ進んでいくという感じですね。
ただし画面上には新しい章に入ったという事を示すタイトルが表示されるので、今はなんというステージを遊んでいるのかが分かるという感じです。基本は武器と弾薬をかき集めて次から次へと出てくる敵をちぎっては投げ、ちぎっては投げ・・・という感じなのですが、知恵を使えばかなり効率よく敵をぶっ倒せるという基本仕様です。
それとパズルゲーム的な要素もありまして、その辺りはちょい頭を悩ませてくれたりしますが、難しすぎるという印象も無く程よい感じに収まっています。

印象に残った章

「ウォーターハザード」

水上を走れるバイクが出てきまして、そのバイクに乗りつつ道を切り開いていくという疾走感の溢れるステージです。
映画のような感じでタイミングよくBGMなんかも流れてきまして、場所によってはノリノリで突っ走りつつ「ヒャッホー!」とか叫べる感じと言えば良いでしょうかね。ただ、このステージは「酔いやすい」という話も聞きます。まあそこは気合いで突破という感じですかね。
後のステージ「17号ハイウェイ」も同じような車に乗って走破するステージでして、やはりスピード感あふれた演出が楽しめます。

「レーベンホルムには行かない……」

重力銃を手に入れた直後から突入する事になるステージなのですが、いきなりバイオハザード風味になりまして、ヘッドクラブ(映画の「エイリアン」に出てくるフェイスハガーみたいな奴)に取り憑かれて化け物になった人間達が襲いかかってくるというステージです。
まともな状態で生き残っている人間は皆無で、気の狂った神父が一人だけ街でゾンビ共を殺しまくっているという殺伐&血だるまでエンジョイ&エキサイティングという場所です。うーんエグい。

「ノバ・プロスペクト」

研究所内での戦闘シーンという事になるのですが、ここはその直前で手に入れた「フェロポッド」を上手く使ってアントライオンを従えながら、敵をどんどこぶっ倒して行くステージですね。味方になると今までうっとおしい事限りなかったアントライオンが途端に可愛く見えてくるから不思議ですね。
一つ注意点があるとすれば、この章で出てくる(自分で使える)2台のタレットを次のステージの「輸送網」に可能な限り重力銃を使って運び込んだ方が良いという事ですね。そこでメチャメチャ役に立ちます。

「敵性市民」

レジスタンスのメンバーを最高4人まで引き連れて敵部隊を粉砕しつつ先へ先へと進んで行く事になるステージです。
レジスタンスのメンバーは個別に武器を持っていますので敵を攻撃もしてくれますし、中には救急キットをくれる救護兵もいまして、体力回復もしてくれたりする便利な連中です。簡単な指示もボタン一つで送れますので、彼らと協力しながら道を切り開きましょう。

総合

各ステージのどれも、趣向を凝らしてプレイヤーを楽しませようという努力があちこちに見え隠れして、実に楽しい作品として仕上がっているという感じです。リリースされたのは2004年なので最新のゲームに比べると画像的に劣る所があるのは事実でしょうが、まだまだ十分に楽しめるという印象ですね。
主要キャラクターの表情が豊かなのも好印象ですね。ヒロインのアリックスも可愛らしいですし、人間味の溢れる演出が非常に良いです。
私がクリア済みなのは「QUAKE4」「F.E.A.R.」「S.T.A.L.K.E.R.」位ですが、そのどれと比較しても全く遜色のない面白さという感じですね。
まあ「ハーフライフ2」と、他の作品を比較するのが順番としては正しい比較なんでしょうけどね。

関連リンク

PCゲーム批評
このページを見れば詰まった場合でも攻略には困らないでしょう。うーん素晴らしい親切設計。
Half-Life.FPSJP.ORG  砂上幻楼
あと他のMOD周りなんかに付いてはこれらのページも良い感じです。

*1:wikipediaって時々驚くような内容のものまで扱ってますね。