2007年のライトノベルの拾い物10選

ライトノベル

最近盛況なのかどうなのか分かりませんが、毎月オニのような数が出版されています。
で、当然のように各レーベルから新人や新シリーズがリリースされている訳ですが、今回は新人というか・・・多分一般にはまだあまり名前が売れてない作家とか新人作家の作品で、私が「・・・面白い!」と思った作品をピックアップしてみたいと思います。

ちなみに

以下の順番はおすすめ順ではなくて、あいうえお順です。
それから今月の本でもし新しくおすすめ本が出たらここに追加する予定です。

アストロノト!

アストロノト! (MF文庫J)

アストロノト! (MF文庫J)

MF文庫Jライトノベル新人賞<優秀賞>だそうですか、実に楽しかったです。
ファンタジー的世界観なのですが「ロケットで月に行きたい!」という理由を持った少年少女が元気に動き回ってくれて、全体的にエネルギッシュで素敵な作品ですね。・・・ちょっと狙ってキャラクターを作っていますが、程よい謎なども散りばめられ、程よい恋の鞘当てなどもあり、色々と楽しませてくれます。
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「麗しのシャーロットに捧ぐ」

・・・この本、出版が去年だと思ってた・・・。
これも某氏に突っ込まれて気がついた一冊だったりしますが、どうも最近出版数が怪しい富士見ミステリー文庫からリリースの一冊ですね。
ミステリー要素+ゴシックホラーという異色作で複雑に絡み合った人間模様が描き出す怪しい世界が非常に魅力的な作品です。

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「カッティング」シリース

カッティング ~Case of Mio~ (HJ文庫 は 1-1-1)

カッティング ~Case of Mio~ (HJ文庫 は 1-1-1)

カッティング ~Case of Tomoe~ (HJ文庫)

カッティング ~Case of Tomoe~ (HJ文庫)

ノベルジャパン大賞<佳作>だそうですが、大賞に劣らないと感じた一作ですね。
ある特殊な状況下におかれた少女と、その少女に恋した少年が繰り広げる不器用な恋物語
ちょっとあり得ないような会話が繰り広げられたりするんですが、作品全体の雰囲気とあっていてするすると読ませてくれます。登場人物の心理描写も秀逸ですし、物語の運びも良いし、読了感も良いという作品です。
現在は登場人物を一新したシリーズ2巻も出ています。こちらも良いですよ。

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ギャルゴ!!!!!ー地方都市伝説大全ー」

ギャルゴ!!!!!―地方都市伝説大全 (MF文庫J)

ギャルゴ!!!!!―地方都市伝説大全 (MF文庫J)

MF文庫Jライトノベル新人賞<優秀賞>ですね。
淡々と事件が起きるタイプの作品ですが、「人間以外に愛される」という特殊能力(?)を持った主人公のキャラクターがなんとも言えず味わいのあるタイプでして、その辺り楽しんで読めますね。主人公は命をもった美少女フィギュアに愛されたりとか猛犬(メス)に愛されたりとかしつつ、街で起こる奇怪な事件に立ち向かうお話です。
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たま◇なま」シリーズ

たま◇なま ~生物は、何故死なない?~ (HJ文庫)

たま◇なま ~生物は、何故死なない?~ (HJ文庫)

たま◇なま ~あなたは、死にますか?~ (HJ文庫 (ふ03-01-02))

たま◇なま ~あなたは、死にますか?~ (HJ文庫 (ふ03-01-02))

ノベルジャパン大賞<大賞>です。同時期の受賞作に上記の「カッティング」シリーズがありますね。
こちらも全体的にシリアスに話が進む物語ですね。大切なものを一方的に奪われた少年と、そんな少年のところに突然訪れた鉱物生命体の少女が繰り広げる、再生と人間性の獲得の物語です。もうじき3巻が出版される予定になっています。

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「地を駆ける虹」

地を駆ける虹 (MF文庫J)

地を駆ける虹 (MF文庫J)

MF文庫Jライトノベル新人賞<佳作>だそうです。
しかし読む人によって好みが大きく分かれそうな作品ですね。なにしろ主人公のネイブが痛い。
いつも口先だけ、憧れるだけでなにもしない、なにも出来ない、まさしく「へたれ主人公」。そしてその結果多くのものを失っていく少年の物語です。その失意の中から彼は再度立ちあがる事が出来るのか・・・そんなお話ですね。2巻の出版が予定されています。
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時載りリンネ!」シリーズ

時載りリンネ!〈1〉はじまりの本 (角川スニーカー文庫)

時載りリンネ!〈1〉はじまりの本 (角川スニーカー文庫)

時載りリンネ!〈2〉時のゆりかご (角川スニーカー文庫)

時載りリンネ!〈2〉時のゆりかご (角川スニーカー文庫)

スニーカー大賞受賞作<奨励賞>ですね。
リンネという活発な12歳の少女が繰り広げる冒険譚です。リンネは「時載り」と呼ばれる一族の出で、およそ本を10冊読む毎に1秒だけ時間を止める事が出来る能力を持っていますが、有効活用するというよりはいたずらに使ってしまうようなところがある少女です。そして彼女を守るようにして行動する語り部の久高という少年。二人が繰り広げる物語は爽やかかつ美しくて読んでいるだけでウキウキしてくる本ですね。
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「ドラゴンキラーあります」シリーズ

ドラゴンキラーあります (C・NOVELSファンタジア)

ドラゴンキラーあります (C・NOVELSファンタジア)

ドラゴンキラーいっぱいあります (C・NOVELSファンタジア)

ドラゴンキラーいっぱいあります (C・NOVELSファンタジア)

ドラゴンキラー売ります (C・NOVELSファンタジア)

ドラゴンキラー売ります (C・NOVELSファンタジア)

既刊3冊で、一応完結しています。
兵隊崩れで小悪党のやさぐれ男のココと、ドラゴンキラーと呼ばれる超絶的な戦闘力を誇る超人であるリリィの二人が衝突したり同調したりでなんとかかんとかやっていくシリーズです。ココの罵詈雑言の嵐が読んでいて楽しいシリーズですね。
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福音の少年」シリーズ

福音の少年―魔法使いの弟子 (徳間デュアル文庫)

福音の少年―魔法使いの弟子 (徳間デュアル文庫)

福音の少年 Good News Boy―闇の王子 (徳間デュアル文庫)

福音の少年 Good News Boy―闇の王子 (徳間デュアル文庫)

福音の少年―虹のウロボロス (徳間デュアル文庫)

福音の少年―虹のウロボロス (徳間デュアル文庫)

amazonに全然画像が無いのが寂しいですなあ・・・。
もともとぺんぎん書房で出版されていたのですが、版元が倒産した結果、徳間書店から再度出版される流れとなったというお話。
元々某アニメの二次創作だったものが、出版社の目にとまって登場人物の名前などを変更して出版されたという経緯があるんですが、実際のところ全く別の作品として出来上がっていますので楽しんで読めると思います。
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「マージナル」

マージナル (ガガガ文庫)

マージナル (ガガガ文庫)

某氏のツッコミで思い出した忘れてはいけない一冊でした! ・・・反省。
危険な欲望を心の内に潜ませながら、それでも人としての境界を越えない主人公と、その境界を越えて殺人鬼と化した人間との戦いを描いた作品です。いわゆる「快楽殺人」がテーマになっておりまして、微妙なところもある作品なんですが、それでも妙な人間味を持った主人公がなかなか魅力的な作品です。
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「ライタークロイス」

ライタークロイス (富士見ファンタジア文庫)

ライタークロイス (富士見ファンタジア文庫)

騎士になることを夢みる若者と、それを取り巻く人間模様が楽しい本です。
キャラクター全体も良く、主人公も良いですが、登場人物の一人で侍女のイングリドがもの凄くいい味を出していて、なんともたまらないですね。イングリド見たさに読む価値もあるんじゃないかと思います。ちかく2巻の出版も予定されています。
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「量産型はダテじゃない!」

量産型はダテじゃない! (富士見ファンタジア文庫)

量産型はダテじゃない! (富士見ファンタジア文庫)

ファンタジア長編小説大賞<準入選>です。
アンドロイド達が戦場を駆け巡る世界で、数世代も前のオンボロロボット・ナンブのど根性を描いた作品です。
とにかく量産型でへっぽこな性能を誇るナンブの根性と生き様が熱い作品でして、ナンブの泥臭い生き方になんとも共感してしまいますね。粗が無い訳でもないですが、とにかくナンブが素晴らしいので一読の価値ありじゃないかと。
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結果として

10冊を超えちゃいましたけど、まあいいかとか思ういい加減な私です。