アストロノト！（２）
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ストーリー
１巻にて見事月面への有人飛行を達成し、自分の大事な目的を達して見事生還した主人公のノトは、宇宙飛行士をすっぱり辞めて、昼は港で水中の荷物拾い（引っかけ屋）をやり、夜は自分で「ノト屋」という飲食店をやっての暮らしに戻ったのだった。そして相変わらずのちょっと不思議な魔法「恋する共感（ラビン・シンパシア）」を使う事が出来る勇敢な少年のままだった。
恋する相手の少女・レンビアを向かい入れようと、ノト屋の上に部屋を増築したりして・・・色々と青春していた訳なのだけど、今度のトラブルもやっぱり宇宙からやって来たのだった。
それはネロと呼ばれる恐るべきもの。奇天烈とも言えるトンデモ展開で楽しませてくれるシリーズ２巻です。
いやー！
ムチャクチャな話ダスな！ でもそのムチャクチャがラノベ的に心地いいシリーズですねえ。今回の「アストロノト！」は簡単に言うと、
どんうぉのくろーずまいあ〜いず〜♪
どんうぉのふぉーるあすりーぷ♪
こすあいみすゆ〜べいべ♪
あなどんうぉのみすあしぃんぐ♪
（By Aerosmith）
だったりな感じです（つまりアルマゲドンですが）。これでおおよそどんな感じなのか分かるんじゃないかと。
細かいストーリー展開はこのヨタっぽい感じの歌から想像出来る人だけ想像してな！
このシリーズの
私が気に入っているところが幾つかあるんですけど、それはやっぱりラブとコメとえっちとシリアスの配合加減が絶妙だからですね。
今回も青春少年＆宇宙飛行士のノトはレンビアで悶々としてますし、レンビアはレンビアで魔法は上手になって来ているみたいですが相変わらず、
「今日だけの大サービスよ！ あんたの好きな壷入りの甘栗を——」
とかって言いながらノトに会いに（逢いに？ かな？）やって来ますし、結構色々いじらしくていいです。
「もう。バカノト。こんなこと教えてあげるの、今日だけだからね？」
彼女の「今日だけ」はこれから何回使われる事になるんでしょーか？
レンビアもかなり個人的にはツボに入っているキャラクターですねえ・・・。いじらしいというか・・・。
また、人間計算機としての能力を爆発させて大金持ちになっちゃったナキアミはやっぱり相変わらずそっち方面で暴走し、
灰色のシッポは、その先っちょの辺りだけが白くツートンカラーになっていた。
「このお守りはね、ここのね、最初の冬毛を抜いて作るの。ちょっと痛いんだけど、新しくてキレイなうちに抜いて作って、愛する人にあげる大事なお守りなんだよ」
・・・戦時中は女性が男性に自分の○毛を抜いてお守りにしたとかしなかったとか・・・！
「ノト、ナキ……ナキはね、実はノトのために、ムラでお姉さまたちからいろいろ教わってきたの。だからノト、ノトは仰向けのままでいいよっ。ナ、ナキ、がんばるから……！」
もそもぞっ！と毛布に頭をもぐらせたナキアミに、ノトはびびりまくる。
「なっ、なにをがんばるんだよっ！」
「一通り全部です！」
おおお・・・超積極的・・・！
というか、俺個人は黒かろうか白かろうが頑張る少年少女が大好きなんだよね。よってナキアミも好きですね。こういう時*1に待っているだけのキャラクターは大嫌いですなあ・・・。
二人のヒロインは
タイプは違えど、とってもいじらしいキャラクターとして書かれていて好感が持てますなあ・・・。
でも実は一番いじらしいのはレンビアのために自分の家の上に部屋を増築しちゃう主人公のノトなんだけどな！ 頑張れ主人公！ 頑張れ若者！ 頑張れ性少年！ 「いつも感想中」は猛烈に空回りするハムスターばりに居たたまれないような甘くて苦酸っぱい恋愛モノを求めています！
また
今回は話の中心に新しいキャラクターのラキザミという少女が現れます。彼女のもっている謎もそうですが、色々なピンチも相変わらずどんどこやってくるので、その辺りを中心に楽しめるんじゃないでしょうか。
前作で出ていたロリ皇帝のユァンや、恋愛に疎くてすぐ鼻血を出す大人の女性のサベラも活躍してくれます。
総合
星５つ。やっぱり好きなんですわなあ。
細かい事を言い出したらきりがないような物理的／論理的に突っ込みどころは沢山あったりするんですけど（それを書いちゃうとなんだかネタバレが激しくなりそうなので書きませんが）、それを跳ね返すような面白さと勢いがありますね。
ラブコメ的にはなりそうでならない王道をきっちりと守りつつも、それに大きく舵を取られる事無く本筋のストーリーを紡いでくれる所がとても楽しいです。３巻にも俄然期待してしまいますね。個人的にはナキアミの猛攻をもっと見たい所ですし、サベラの鼻血ももっと見たいですな。
*1:自分が不利だと本人も恐らく分かっている時！
