探していたヘッセの詩を見つけたので記録

ヘルマン・ヘッセの詩。

「折れた枝」


裂けて折れた枝が
来る年も来る年もぶらさがり、
風に吹かれてかさかさと歌をかきならす。
葉もなく、皮もなく、
朽ち枯れて、あまりにも長い命に、
死にきれぬ命に疲れて。
その歌は不屈に粘り強くひびく、
強情に、しかしひそかにおびえながらひびく、
なおひと夏、
なおひと冬と。

・・・長く長く生きていけば、自分の底からもいつかこんな言葉が自然に出てくる日が来るのだろうか?