オオカミさんと毒りんごが効かない白雪姫

オオカミさんと毒りんごが効かない白雪姫 (電撃文庫)

オオカミさんと毒りんごが効かない白雪姫 (電撃文庫)

お話(変える必要がありません)

この話の舞台は学園都市・御伽花市の御伽学園。生徒3000人を抱えるマンモス校。制服も複数種類が用意されており、どれを選ぼうと自由な挙げ句、ある程度(かなりの程度)の範囲で改造が許される自由な校風として知られる。

主人公は御伽学園学生相互扶助協会(通称「御伽銀行」)に所属するすらっとしたスタイルとツルペタを誇る直接攻撃による破壊活動を得意とする大神涼子(おおかみさん)。彼女はその姉御とも言えそうな行動から学園内で一目置かれる存在なのですが、そこに対人・対視線恐怖症の第二の主人公・森野亮士(もりのりょうし)が電撃的な愛の告白をするのだった!
森野亮士は結局その特殊な才能を買われて御伽銀行に所属。生徒達からの依頼を受けては解決し・・・というなんだか童話をモチーフにしつつ変な感じで進む安心のラブコメもの。
今回も短編3つ+2アルファでお話が進みます。

森野亮士くんに力強い味方、現る

読んで頂くと直ぐに分かりますが、縦ロールバリバリのお嬢様と、黒髪のつややかなお嬢様の二人組です。
なにしろ亮士くんに対する忠誠心が他のキャラクターと違いますし、さらにはあの大神涼子さんの寵愛を受けているという存在ですから、その立場を利用してオオカミさんと亮士くんの間を取り持とうとしてくれます。
彼女達がいればオオカミさんと亮士くんの間も大丈夫なんじゃないかな〜? とか思いますが、それがどんな二人なのかは本編で確認を。

女性必見!こうやって魅力を高めろ!

今回は恐るべき事にストリーキング——つまり全裸で徘徊する変態——が登場するのですが、その犯人は恐るべき事にナイスバディの女性だったのだった・・・! まあその後色々あった挙げ句、あの”浦島をヌきまくっている”乙姫による魅力的な女性口座が開催されるのである・・・! これが、怖いんだな!

「ポイントはさりげなく思い起こさせること。自分を印象に残そうと二十四時間側にいようとしたり、監視してすべてを管理下に置こうとしたり、限度を超えるほどに頻繁にメールや電話をするなどは策としては下の下なのでございますよ。相手の心の中に自分を作り上げれば、常に一緒にいることができるのでございます」

その結果として乙姫はさりげなく歌を歌ったり、香水をつけたり、料理をしたり、ナニしたりする訳ですが・・・! アナタ、これ、マジでキますよ!
変な話ですけど今の私は、歌も香水も料理もナニもその、自然に奥さんと比較する状態になっています! これ実話ですよ!
しかもこの本で言及されるまで気がついていなかった! 恐ろしい! 確かに奥さんと同じ香水をつけてる女性とかと逢うとなんか残念な気持ちになったりとか、罪悪感が湧いたりしますよ! 外で飯食っても同じですよ! 有線で流れる歌もそうですよ! 調教ですか!? これが真の調教って奴ですか!? 
とにかく乙姫による女性磨き講座はきっときっと貴女の役に立ちます! うわぁぁぁん!

数十年を費やした野望の行方〜フェチ編〜

フェチです。フェチズムです。

「これからつれてくのはそんなフェチたちの集い、御伽学園の男だけで作られた裏の組織だ。まぁ、同じ趣味のヤツ探して情報交換、資料(要するにエロ本)の貸し借り、普段はおおっぴらに語り合えない趣味について語り合う場と考えりゃいい」

というような感じで亮士くんはフェチの泉に連れ込まれたりするんですが、彼は足フェチだそうです。
とにかく世の中には色々はフェチズムがございます。唇フェチ、顎フェチ、うなじフェチ、鎖骨フェチ、肩甲骨フェチ、胸フェチ、乳フェチ、下乳フェチ、乳首フェチ、肋骨フェチ、くびれフェチ、尻フェチ、足フェチ・・・まあ書いていけば切りがない訳ですが、私の知る限りで一番キワモノだったフェチと言えば”まつげの長い女性のまばたきじゃないとイケないフェチ”という・・・ゲフンゲフン・・・。
まあ多かれ少なかれフェチを男は一つ二つはもっている訳ですが、そういう野郎共が戦いを繰り広げ、そして華々しく散っていく話です。本当にどうしようもない話ですが、パンチラでもなんでも、ときめいた経験のある奴にはこの物語を嗤う資格無しである。いいから彼らの健闘を称えよ。

「フェチとは?」
「真理を求める智の探求者である」
「入れ」
扉が開いた。

・・・本当に馬鹿だけど。

白雪姫 vs 毒りんご

まあなんというか今回の表題作ですね。
例の腹黒ロリ・赤井林檎がなぜ御伽銀行なんかに所属しているのかという辺りに深く切り込んだ問題作・・・なのか?
問題作の割にはプールに行ってオオカミさんがそのスレンダーだけどカモシカのように均整の取れたナイスバディを亮士くんに見せつけるハメになったりして、彼の体は一部変形を起こしたりします・・・! 男なら仕方がないよな! うん、許す!
まあその辺は本題とは直接関係ないのですが、赤井林檎が苦手とする白雪姫乃という人物との直接対決が話の中心ですね。うーん、結構良い話ですよ?

オオカミさんの妄想

前のプールの話で、

「てってめぇ!! こっこういうことはこんな場所で……じゃなくて、心の準備が……でもなくて……、思ったよりたくまし……でもなくて……」

なんてことになってしまったオオカミさんですが、結果として、

あの時も、
「…………へたれのくせに」
おおかみさんが不機嫌な顔でつぶやく。
あの時も、
「…………へたれのくせに」
おおかみさんが呆れ顔でつぶやく。
あの時も……、
「…………へたれのくせに」
おおかみさんが……………………自分でも気づかないうちにほほえみながらつぶやく。

な〜んて感じでそして・・・。
まあどんな塩梅かはやっぱり読んで確かめてよ〜。オオカミさんは可愛いですよ?

総合

安心の星4つですねえ。
ギャグ、ギャグ、ギャグ、シリアス、シリアス、ギャグ、ギャグ、ギャグ・・・という感じでバランス良くいかにもラノベ的な物語を楽しませてくれます。読んでいて安心、読み終わってすっきり、うーん良いですね。
他のシリーズと比べた時に抜きん出て楽しいという訳ではないんですけど(多分)、でも最新刊が出ていたらつい無意識のままフラフラと買ってしまうような所があります。・・・ひょっとしたらスゴい本なのかも知れませんね?
上手いのか下手なのかなんて良く分かりませんが、とにかく読んでいて楽しいから文句は全く無いですな。次の話にも期待したいですね〜。
うなじ氏のイラストは・・・オオカミさんの水着イラストが堪りません。む、ムネがないのにこの破壊力・・・! ううううぅ〜っ!

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