人類は衰退しました(3)

人類は衰退しました 3 (ガガガ文庫)

人類は衰退しました 3 (ガガガ文庫)

ストーリー:2巻からちょっとだけ変更。

とにかく人類が衰退した未来。
人口も減り、技術も失われた未来世界。人類は緩やかに滅びの時を迎えつつありました。いまや地球は人間の物ではなく、妖精さんたちの住む世界で、元の人類は「旧人類」とでもいう位置となっていました。
主人公はそんな世界で最後の学校教育を収めた「かなり対人関係能力に問題のある」少女が故郷に「調停官」となって帰ってきます。「調停官」のお仕事は、妖精さん(身長約10センチ、三角帽子、ちっこい手足)と人間の間を取り持つ仕事なのですが、はて、帰ってきた故郷では「調停官」の仕事などただの閑職に成り下がってしまっていたのです。
そんな田舎町にお祭り騒ぎがやってくる。里の近くにある都市の遺跡調査のために「電気」が里に供給されることになったためだったのだけど、オヤオヤ? 電気が来たら妖精さん達が・・・?
意外や意外、なんだかスッゴイ大冒険な感じの3巻です。果たして主人公の少女(未だに名前不明)は生き残る事が、出来るか・・・?

田中ロミオって人はさ〜

なんていうの? 別に大技を連発して繰り出してくるような感じの作家じゃないなあという感じがします。
格闘ゲームのキャラクターに例えると「超必殺技」とかを持っていないキャラクターと言ったら分かりやすいですか? でも、でもですよ? 「超必殺技」は持っていなくてもコンボが非常に繋がりやすいキャラクターという感じですね。分かりやすくするために例え話にしてみましたが分かりにくいですか? 分からないですよね〜。
なんと言いますか、1ページでちょっとだけ「読者の予想の上」を行って、それが連続してちょこちょこと続く。そして気がついたら本の最終ページにまで辿り着いている。つまり結果として面白ゲージが全部埋まってしまうという・・・。
最初のコンボ開始の一発目「つかみ」=「最初の数ページ」の読破に成功したが最後、きっちりと「ハメ殺される」という対戦相手です。・・・これは手強い。

今回も

ゆるゆるで意味不明で錯乱しているのは相変わらずです。なんですかこの脱力感。

「無理だろう。大気圏で燃えつきてしまうはずだ。宇宙を渡ってきたというスペイシーなシビアさがこの金属板からは感じられん」

スペイシーなシビアさ・・・って感じがなんとなく分かる自分がイヤ〜。
とかなんとかって感じの斜め向こうの空気が相変わらず本編を覆っていますが、今回はなんだか結構大変です。なぜならば・・・。

「おわかれ、しちゃいます?」
「お別れ? どうして?」
「……やつが、くるです」
「やつ?」

妖精の敵はまさに宇宙からやってくるです。たいへんです? いや、大変なのです! 妖精的にピンチです。人間の場合は多分逆ですけど・・・適度な陽光を浴びる事は人間生活的に大事ですよ?

という訳で

今回の「人類は衰退しました」における妖精密度(オフィシャル情報)の指数・F(Fairy)が、「0」になってしまうのです。
結果として主人公、ピンチです。リアルにピンチです。妖精さん達を利用して絞り尽くしてごうまんのかぎりをつくしてきたむくいが、しゅじんこうのしょうじょをようしゃなくおそうです・・・!
まあその・・・妖精さん達の穴埋めという訳ではありませんが、今回はP子さん(仮名)と、O太郎さん(仮名)が出てきます。何やら秘密の任務などを持っているようですが・・・?
あ、2巻に出てきた寡黙な助手さんもちゃんと出てきますよ。今回の話はある意味において助手さんのためにあったような話でもあります。

『ごちそうさまぁっ♪』

うーん、お腹がすいたら何でも美味しいよね!

それから

「でもですね」すかさず言い添えます。「そーいう生活してると、最初はいいですけど、どんどん追いつめられて、最後には被害妄想とか始まっちゃって、いろいろ大変ですよ?」
「なんだと……! こ、こんなに楽しいのにか?」
「ええ、楽しいのは最初だけで、すぐに心がぎすぎすしてきますよ。息苦しくなって突然叫びたくなったりとか、たまに外に出ようとしても世間様の目が怖くなって夜中にしか外出できなくなったりとか……ひどいもんですよ?」
「うう、そ、それやべえよ……心が病んじまってんだよぉ……」
「ですから、こんな馬鹿げたことはもうやめて、仕事に戻りましょう。仕事してるってだけで、けっこう気分は上々になったりするものですよ」

なんだなんだこの異様なまでの「特定の状況下での精神状態の描写の生々しさ」は・・・!
ロミオ、おおロミオ、なんか君も色々大変なようだな・・・! よし、じゃあ僕が応援してあげるよ!
がんばれ」。
いや、冗談ですけど。・・・変な電波が来たらちゃんと病院に行くんだよ!

総合

星4つ。もうちょっとで星5つにしそうになりましたよ。
話で言えばPさんOさんのネタには「やられちゃった……」って感じで腰がへろへろになりました。
それとロミオ・・・なんというか、あれだ。流石に私は戦士エーコムとか魔術師タケフィジとはパーティを組んだ事がありませんのでその冒険のピンチ感は分かりません。・・・でも、まあ、その、なんだ・・・微力ながら俺も本買ってやっからさ(1冊だけど)・・・、次も買ってやっからさ(やっぱり1冊だけど)・・・早く印税という装備を整えて、そんなヤクザな連中とは手を切るんだよ?
というかマジカルベンツの乗り心地は一体どこに言ったんでしょうか? 幻覚ですか? 妄想ですね? まあ、仕事のし過ぎかもしれませんが、次の話も大いに期待したい所です。
というかこれだけ才能がある(ように思える)人がなんかこー、リアルにアレな匂いをさせていると世の中の理不尽さにビックリしますね!

感想リンク