シアンとマゼンタ 13階段

シアンとマゼンタ13階段 (集英社スーパーダッシュ文庫 さ 6-5)
シアンとマゼンタ13階段 (集英社スーパーダッシュ文庫 さ 6-5)砂浦 俊一

集英社 2008-04-25
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ストーリー:大きく変えてませんけど

秋泉真朱(あきいずみまそほ)・ちょっと大人っぽいところのある女子中学生で右目に赤い色の義眼を嵌めている風変わりな少女で、妖視(あやかし)という普通の人間には見えない怪異を見る事の出来る能力を持っている。
爽条藍姫(そうじょうあいひめ)・元気で真っ直ぐな女子中学生で、剣道部に所属している剣道少女だけれども、「陰神」を祓う「つきはらい」の能力を持っている。でも陰神を見る事は出来ない。
一人では怪異とは戦えない、でも二人でなら戦える! とは言いつつも陰神祓いに積極的な真朱と、消極的な藍姫。それでもとても仲良しな二人が勇気を出して怪異と戦う妖魔退治ストーリーの2巻・・・なんですけど!?

パウッ!?

もう日本語出ません。ナニこの超展開。
私も今までにそれなりの数のラノベ*1を読んできましたんで、もう大概の事では驚かないつもりでしたがこれは驚いた。
何者かのイタズラによって表紙と中身が本屋ですり替えられていて、ラブコメ小説を買ったのに中身が「性奴家庭教師・煉獄編」で、それに驚きつつ楽しんで読んでしまった位には驚いた。あ、あくまでこれは例え話でこの本がエロいって事ではないので悪しからず。

今回の

シアンとマゼンタの敵は「13階段」というやっぱりちょっとキちゃってる敵なんですが、これがまたやり口がえげつないのと同時に、その動機というか気持が分かるようなところがあるのがまた何とも言えずエグいなあとか思ったりして・・・なんとも言えず複雑な心境になりました。でも気持が少しでも分かるために1巻よりは読み進めやすかったかな・・・。
ただ、ちょっと展開の中に性暴力要素が組み込まれていたのでイヤーな気持にはなりましたね。確かに登場人物達の年齢層からすれば、男と女の違いが意識し出される年齢であるし、また最初に変態共にリアルに標的にされかねない時期でもある・・・。
よってテーマ選択としておかしいとは思わない訳ですが、それでも辛い。リアルにあり得る話であるから余計に辛い。

でも

主人公の二人は相変わらず良かったですね。
上にも書いた通り真朱は積極的に、藍姫は消極的に陰神の付き祓いをやろうとしているんですが、暴力を振るう事に畏れを感じている藍姫に真朱ははっきりとこう告げます。

「藍姫が刀ならさ、私は鞘だよ」
「え?」
「抜かれた刀が戻ってくるのは元の鞘。藍姫に何があっても、私が受け止めてあげる」

——真朱が傍にいるなら、きっと自分は道を間違えない。理不尽な暴力で人を傷つけたりはしない、つきはらいを悪用するなんでことはしない。

うう〜ん、やっぱりこの二人の関係は良いなあ・・・若くて、友情に満ち満ちてて。読んでいて気持がいいです。

総合

星4つなんですよ。でもラストの超展開がどうなるのか分かんねえというかマジですか。
話としては安定して読ませる楽しさがあると思うのでお薦めしたいですがががががが・・・うーむ、これは人に薦めていいのだろうか!? いいのか!? いいんかいな!? ぬー、悩むな・・・。まあ、読んでみてよ・・・。
それにしてもAKIRA氏のイラストがいいなあ。表紙もとても良いし、本編のイラストとても好みですね。カラーイラストの躍動感もとってもGOODですね。これからこの絵師さんには要注目していこうと思っとります。

感想リンク

*1:いやもちろんフツーの本も読んで来てますよ!?