めしあのいちにち
めしあのいちにち (電撃文庫 い 5-22) | |
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ストーリー
めしあ。
まだまだ子供で、小さくて、でも女の子で、ぽわぽわしている。でも”めしあ”。その名の通り実は世界を救う力があると言われており、一人の天使に遣わされた少女。
でもいわくつきで有名な殺ヶ原家の一員でもあって、そして保(たもつ)の義理の妹だ。
保は日々めしあを中心にした生活をしている。彼の姉の練子(れんこ)もそうだし、彼の妹の蛍雨(ほたう)もそうだ。めしあのために屋敷の中に護衛を付け、学校に罠をしかけ、通学のための電車の車両まで買い上げ、そして自らを鍛え上げてまでしてめしあを守る。それはめしあがメシアだからではない。心優しい娘だから。特別な力を持っているから。そしてなにより——家族だから。
この話はそんな少女・めしあを中心にして語られる戦いと癒しの物語です。
えー
以前のシリーズ「護くんに女神の祝福を!」の時には主人公の護がどうも好きになりきれないままに最終巻まで読んでしまいましたが*1今回は期待できそうです。
しかしイノセントなキャラクターが少年から少女に変わるだけでこうまで印象が変わるもんですかね。いやーやっぱり可愛いのは少年じゃなくて少女の方がいいですなあっはっはっはっ・・・。私がやらしいからとかじゃないはずです・・・。
ちなみに
めしあがどんなキャラクターかというと、
——たもつちゃんは、わたしに……どきどきするきもちを、おしえてくれたから。
——れんこちゃんたちは、うれしいことを、たくさんくれたから。
——だからかわりに、くるしいこといやなこと、わたしとはんぶんこしよう?
なんともいい子ですね。
また
彼女を守ると決意している保もめしあと同じように真っ直ぐな良い少年です。女の子には全くと言って良い程モテませんが・・・モテるどころか顔を見ると女の子がこぞって逃げ出す程です。しかし、
「——ありがとうな」
必要な時に必要な事を言う事の出来る少年です。時には、
「俺たちは、もっと強くなる」
こんなことも。激しい意思を身の内に宿らせた気概ある少年ですね。
あと、姉の練子と妹の蛍雨ですが、両方ともめしあを猫可愛がりする問題姉妹ですが・・・それだけではなく性格的に多くの問題を抱えています。まず、姉の練子ですが、
「こんな薄暗い部屋にふたりきりだと……すこし、どきどきしてこない?」
「れ、練子、待て。ちょっと待て」
重度のブラコンです。
妹の蛍雨のほうはもっと分かりやすい性格をしていまして、
「ほっぺたに、でっかい風穴を空けてほしいのか————ッ!」
めしあに不用意に近づいただけでコレもんです。ちなみに常に銃を携帯しているのでシャレにもなりません。ちなみにこの妹も重度のめしあコンとブラコンを併発しています。
本編では
彼ら以外にもヴァーミリオンというショートヘアの可愛らしい女の子も出てきます。めしあを監視するために送り込まれた異能力を持った少女なのですが・・・この子も可愛らしいですね。
最初こそヴァーミリオンですが、殺ヶ原の面々と徐々に距離が縮まっていった結果、通称・ヴァー子と呼ばれるようになってしまいます。・・・うーん、なんというセンスの無さ!
ま、このヴァー子、保の事が徐々に気になっていくようになってしまうのですが(まるでエメレンツィアだ・・・)、そう簡単には保との距離は縮まりません。ちょっとときめいたりすると、
——言っておくけれど、保はわたしたちの所有物ですからね。
——勝手に発情したりしたら、脳みそほじくり出して海にばらまいてやるから
姉の練子と蛍雨が目でこう語ります・・・これは保がモテない訳だ・・・。
総合
安心の星4つ。
世界の事を交えつつも結局は家族の温かい繋がりに話が戻ってくる所が個人的には好きですね。今の所「嫌だなあ・・・」と思ったキャラクターや「薄いなあ・・・」と思ったキャラクターもおらず、またストーリー全体も安定して読ませてくれます。
めしあに与えられた特別な力。殺ヶ原家という特別な家とそれが培ってきた力と呪い。そしてめしあの力を求めるもの、恐れるもの、憂うもの、疎むもの・・・色々と出てきて飽きさせませんね。
一応続くんじゃないかな〜という感じで話が出来ていますので、2巻を期待しつつ待ちたいと思います。
*1:読んだのかよ。