えむえむっ!(5)

えむえむっ!5 (MF文庫J)

えむえむっ!5 (MF文庫J)

ストーリー

マゾヒズム、それはエロスとタナトスの融合・・・。
主人公の砂戸太郎(さどたろう)は、名前に反して完全無欠のマゾヒストだった。自分を害する事象全てに快楽を覚えてしまうという特異体質を持って生まれた結果、彼の青春はムーンサルト気味に大暴投されていた。
何の因果か所属した「第二ボランティア部」は部長の石動美緒(いするぎみお)が完全なるサディストのため、太郎の体質は悪化の一途を辿り、常日頃からマゾヒズム的な快楽に身を浸す事となった。
しかし、彼もまともな青春を求める気持はある・・・! 中には彼に懸想する女子生徒である結野嵐子(男性恐怖症)や、彼の秘密を知りつつも協力してくれる葉山辰吉(女装マニア)などもいたりして、太郎はなんとか人生を軌道修正するべく奮闘・・・しているようなしていないような感じだった。そんな太郎の混沌とした青春を描く問題作の5巻です。

流石に

4巻の出だし程強烈ではないものの、相変わらずの変態的なクオリティです。

「こ、このクソ犬野郎!」

いきなりクソ犬呼ばわりされる主人公はライトノベル界ひろしと言えどこの話の主人公だけです。
しかもこのセリフを発したのが生来の女王様である美緒でないところが問題ですね。このセリフを発したのは嵐子です。彼女は遂にSに目覚め、美緒と女王としての頂点を賭けてガチバトルに突入するのです・・・! うーん、もうなんだかダメダメだ・・・。

今回は(今回も?)

短編要素が強まっていまして、それぞれが全く別の話として楽しませてくれます。さーて、来週のサザエさんは?

  1. サドの頂点対決! 美緒 vs 嵐子
  2. 連載の宿命! 太郎が記憶喪失に!?
  3. 天才少女あらわる! 世界変態計画!
  4. 温泉!? おっぱいマッサージ!

の4本だてでお送りします。
まあとにかくどの作品も珠玉の変態ライトノベルですので、安心して若い女性のパンツ等をおつまみにして嗜んで頂けるかと思います。パンツが無い場合には若い女性の使用済みソックスなどでも代用できるんじゃないかと思います。

とにかく

主人公が快感の余り、

その瞬間、理性は死んだ。
「ウ、ハ! ウ、ハ! ウ、ハ! ウウ、ハ! スーパーアトミックファイヤー!」
醜いドMの本能を覚醒させた俺は、美緒先生にSM授業をしてもらうべく、人間性が破壊された笑みを浮かべながら先輩に向かって突進していった。

などという状況に陥ったかと思えば、サブキャラクター達も同じように、

「さ、鎖骨っしょ! やっぱ女子の鎖骨っしょ!」
「オウイエス! 俺は熟女の爪垢にしか興味がないぜええええ!」
「ブ、ブルマ! ブルマブルマブルマ!」

・・・「あ、俺がいる」って思った貴方。変態です。とにかく変態です。スーパー変態人が列挙して押し寄せる作品ですので、とにかくなんかそういう波動に飲み込まれないように注意して下さいね。

総合

星4つ。安定した変態です。
ちょっとパロディやギャグに走りすぎた感じがしなくもないですが、真のライトノベルという感じで一時間くらいの時間で簡単に楽しめる作品として仕上がっています。

「この野ブタが! おまえを加虐的にプロデュースしてやろうか!?」
「あ、あひぃぃ!」

こんなセリフが読めるのは多分このシリーズだけですので、その辺りは流石です。
というかどうやってこういうS全開なセリフを考え出しているのでしょう? やっぱり現地取材でしょうか? SMクラブですか? それは経費で落ちますか? 色々な謎を孕みつつも多分この本は6巻に続きます。

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