「精神科医には、当たり外れがある」鬱病だった私が思ったこと

以前

ちらっとだけどっかで書いたことがありましたが、私は以前鬱病と診断されて、一時期投薬治療を続けていました。それなりに長い期間です。
現在でこそ治っていますが、その際に精神科医ついて分かったこと/感じたことをこの際だから書いておきたいと思います。

で、

書いておきたい事というのは「精神科医は、当たり外れがある」です。
これはもう絶対間違いありません。
なんでもかんでも鬱病と診断して、最新の抗うつ剤を出しておけばいい・・・と適当に考えたのかなんなのか分かりませんけども、患者とちゃんと向き合わない精神科医は実在します。個々の医者を比較した場合のこの差たるや・・・正直今でも思い出してびっくりするほどです。
気分が乗らないから・・・位の気持ちでいるところを鬱病と診断されて、飲まなくても良い抗うつ剤を飲んでいる人、あるいは合わない薬を飲んでいる人は恐らく――あくまで素人の想像ですが――実在するのではないでしょうか。

しかしまあ

診断ミスはどんな医療分野にでも起こります。
ですからそれだけなら改めてこうしたエントリを書こうとは思いません。それなりの理由があるのです。
これは私自身調べて驚いたのですが・・・実は「精神科医自体がかなり微妙な存在」だからです。以下の引用を読んで下さい。

精神科医というのは、医学部を卒業して国家試験を通り、2年間精神科の研修を受けると、日本では精神科医といっていいことになります。日本においては、精神科医は投薬を中心とした医療行為を行うのが主な仕事です。患者さんの症状を聞いたあと、薬を処方するといった薬物療法が中心の精神科医が多いと言われていますが、中には精神療法の訓練をしっかりうけた精神科医もいます。最近では、本格的な精神療法を学ぶためにアメリカに行って精神分析を学んだり、あるいは認知行動療法を学んだりといった精神科医が増えてきています。
(強調部分はhobo_kingによるもの)
臨床心理士指定大学院受験の情報サイト(精神科医とどこが違うの?)

上の引用に、

「医学部を卒業して国家試験を通り、2年間精神科の研修を受けると、日本では精神科医といっていいことになります」

「医学部を卒業して」とあるとおり、大学では一般的な医師としての学習をすればよく、「精神科医になるための」特別な学習をする必要がないと言うことです
日本には医師資格が「医師」と「歯科医師」の二つしかありません。つまり、精神科医は内科や外科などの医者と基本的には同じ教育しか受けてないと考えることが出来ます。

また

みなさんもおおよそご存じかも知れませんが、心理学というのは大変奥の深い学問です。
一口に「心理学」といっても、実際には「ストレス心理学」「社会心理学」「行動心理学」「発達心理学」「臨床心理学」「家族心理学」「犯罪心理学」「青年心理学」などなど・・・本当はもっと沢山あるわけですが・・・非常に広い範囲を指しまして、簡単に学びきれるものではないでしょう。
しかし、医学部を卒業して、2年間の研修を受けると精神科医と名乗って良いのが現実です。
人間の無限とも言える精神を扱う人間が、2年・・・・です。まあ、これについてはその実態を私分からないので細かく言及するのは避けます。ですが、医師個人や環境によってその学習内容にはかなりの開きがあることは間違いないでしょう。

「中には精神療法の訓練をしっかりうけた精神科医もいます」

上記文章のこの一分は、精神療法の訓練をしっかり受けていない精神科医がいることを示唆しています。つまり精神科医としての資質、学習密度の違いがあり得ることを示唆しているということです。

以上から

  1. 精神科医を目指して勉強し研修を受け、精神科医になった」 or 「他の医療を目指して勉強していたが、結果的に精神科医になった」の違い。
  2. 「実際に患者が陥っている状況を正しく把握できる分野の心理学に詳しい」 or 「そうではない」の違い。

などを疑うことが出来ます。
ただし、この2つの「疑問点」についてはあくまで私の個人的なものです。実際のところは分かりません・・・。
が、同じ精神科医でも言うことがかなり違うのを実際に私は体験しています。当然医者それぞれによってかなり当たり外れがあることになります。
大学時代から心理学に興味をもってそちらを専攻し続けていた人物と、そうではない人物・・・比較した場合に精神科医として能力の差は歴然だと思われます。

結論

『その患者にとっての名医』を探す努力は惜しまない方が良い」です。
信頼できない、ただ薬を自動的に出しているだけのような精神科医に長期でかかることほどもったいないことはありません。
またもちろん、その患者にとって現在の医師が人として合う/合わないと言った問題ももちろんあります。ですので少しでも疑問に感じたら積極的に他の医師を捜すべきです。
私の場合は鬱病でしたが、最終的に治療で一番大事と思えたのは、本人と医師、そして周囲*1との信頼関係によって作られた、休息、投薬を含めた総合的な治療体制を築くことです。そしてその治療内容は病状によって柔軟に変化できるものであるべきです。
ただ残念なのが、こうした治療体制を築くのがなかなか難しい現実です。しかし、心の病で足踏みするのは非常に辛いものです。本人が駄目なら家族が、家族が駄目なら友人が、友人が駄目なら組織がそれに協力してあげて欲しいと切に願います。
願わくば、このエントリが今苦しんでいる貴方の力になりますように。

*1:家族、組織、友人etc...