“文学少女”シリーズ8 “文学少女”と神に臨む作家<下>

鼻血が出ます

古典的な表現ですが、チョコレートを食べ過ぎて鼻血というのは珍しくないですよね。
今私はそれと似たような状況で鼻を押さえている感じです。カロリーメイトを5箱位一気食いして血圧が上がって眼が充血とか、そんな感じです。
一体何の本を読んで、どんな感想を書こうとしているのかちょっと分からなくなりましたが、そうです、文学少女シリーズの最終巻の感想です。鼻血とか書いてあってもこれは間違いなく文学少女シリーズの感想なのです。

とにかく

最終的には

「栄養価の高い本だった・・・」

というのに尽きるのだろうなあ、というのが今の本音です。
夏のトマトを囓ったような恋愛模様あり、苦くて渋いけど炒めて美味しいゴーヤのような人生あり、ビールと枝豆のように幾ら読んでも飽きない蘊蓄あり、炭火で炙ってちょっとレアで血なまぐさいステーキのような事件あり・・・という本だったのです。
そんなもの一気食いすればそれはアナタ、鼻血の一つや二つ出るのが当たり前でして、読書しながら結局なんだか血が止まらないという非常事態に陥る訳ですね。

でも

爽やかじゃないですか。
多国籍料理かつハイカロリーとも言えそうなコース料理でしたが、最後に残っていた淡雪のような甘いシャーベットが舌をしっかりと落ち着けてくれちゃったじゃないですか。
そんな風にまとめ上げられたら・・・また最初から食べても良いかな〜って気持ちにさせられちゃうじゃないですか。もう一回お店に来て同じコース料理、その名も<シェフにおもいっきりおまかせ8冊>を頼みたくなるじゃないですか。

注文すると・・・

きっとまたお下げ髪のウェイトレスがほわ〜っとやってきて、料理を並べながら色々語ってくれるんですよ。
これはどこでとれた食材で、どこの国の料理で、どうやって調理して、どんな楽しみ方があって、どんな味なのかをちょっと興奮気味に喋ってくれて、でも最後に必ず、

「とっても美味しいのよ!」

・・・って言ってくれるんです。
そんなお店が、ここにあるのです。・・・どうです? 食べたくなりませんか? 

総合

星5つ。
難しく考えることなく、素直に味わえば良いだけですねえ・・・。
人によっては味に納得のいかない人もいるのかも知れませんが、まあそんなものですよ。100人いれば100通りの楽しみ方がある・・・それでいいんだと思います。我々は貪欲な読者なのですから。好き勝手食べて、好き勝手に味わえばいいんです。
・・・え、私ですか? 私は、美味しく頂きました。そして鼻血が出そうになりました。また食べたいです。それで十分です。
また一つ、たまに来たい店が一つ出来ました。まあでも、このお店に行くためのガイドブックはしばらくは本棚にしまっておく事にはなると思います。でも、どうせまたしばらくしたら食べたくなって、本棚からガイドブックを引っ張り出すのでしょうね。

感想リンク

ちなみに

全然関係ないですが、うちの奥さんはこの本を食べた後、即座に髪型をお下げ髪にしていました。
余程この本が美味しかったのでしょう・・・って違う、凄く馬鹿でしょ? 「だって懐かしくなったんやもん!」じゃないっての。お下げ髪にしても君は遠子先輩にはなれないのよ!?