モーフィアスの教室(4)
モーフィアスの教室 4 (4) (電撃文庫 み 6-23) 三上 延 アスキー・メディアワークス 2008-11-10 売り上げランキング : 321 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ストーリー
高校生・岸杜直人は、夢の世界と現実の世界を繋ぐ扉の番人。彼はその役目を担う存在になっていると同時に、その扉を開け閉めすることの出来る鍵・モーフィアスを持っている。
そしてそのモーフィアスの鍵は、悪夢と戦うための力そのものでもあった。直人はそのモーフィアスの鍵をふるって、彼の住む街である飯見町に広がりつつあった悪夢の幾つかを収束させてきた。
しかし、今回遂にその悪夢の元凶とも言える存在であり、直人の父の仇でもある”赤い目”が顕現する・・・。狡猾に動き回る”赤い目”の前に次々と倒れていく街の住人たち。それらを目にしながら直人は、彼に並び立つ夢神の少女・久世綾乃、友人の少女・倉野棗、そしてもう一人の夢の番人と言える少年、麟堂正宗らと共に、”赤い目”との戦いを開始する・・・。
ああ、打ち切りなのね、という感じで唐突に最終巻です。
こう言っちゃあなんですが
見事になまでの打ち切りテイストが滲み出ていていっそ見本として取っておきたい感じです。
ここまで引っ張って来た割にはなんともあっけない幕切れ・・・と言えるんじゃないですかね。唐突と言ってしまっても良いであろう突然のカタストロフ、話を盛り上げるのに使い切れたとは言い難い設定、魅力を出し切る前に出番が無くなったキャラクター、などが散見されます。
でも、作品としてみた場合に一番問題なのはそういう所じゃないんでしょうね。
なにしろ
見事なまでに爽快感が無いですし。勢いもないし。私も今回は読むの2回は中断してます。
一言で言えば”微妙”なんですけど、事はそう単純でもないような気がします。非常に説明に困る所なんですが・・・1行1行を読み進めていくだけの魅力が地の文に無い、とかそんな感じになるんでしょうか。
ストーリーはそれなりに先が気になります。キャラクターもこの先どう変わっていくのか気になります。敵との戦いもこの先どうなっていくかが気になります。でも・・・つまり全部に「この先」ってついちゃうんですよね。今読んでいる部分をもっと掘り下げて、深読みしたくなるような、そんな魅力が無いんです。ここに質の悪い作品としての欠落を感じます。
いわゆる面白いと言われる作品の味を薄くしたような印象を受けますね。丁度1/3位はコクがないです。
総合
星3つかな。中盤までは星2つペースでしたが、終盤で流石に盛り返しました。
個人的には3巻は面白く感じたのでこの4巻での打ち切りは・・・残念、なのかなあ? 残念と言い切れないあたりにこの話が打ち切られる理由があるような気がします。このままの勢いで作品を書かれたとしても、ひょっとしたら6巻あたり位で脱落した可能性もありますな。
前シリーズは2巻で脱落、このシリーズは4巻で終了・・・となると、次のシリーズ書かれてももう買わないかもなあ・・・。残酷なようですけどそんなもんですよね。
とにかく良く分かんないんですけどなんか読んでいてもどかしかったです。もっと面白いこと出来るんじゃない? 折角夢を見ているんだし、という感覚が今回はつきまとって離れませんでした。登場人物全員がみんなそろいもそろって悪夢ばっかりみているのも物語を重苦しくしていますよね。それこそ赤い色一色で書かれた絵みたいに、メリハリに欠けた感じですね。