スクランブル・ウィザード(2)

スクランブル・ウィザード2 (HJ文庫 す 3-1-2)
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ストーリー

世界には、魔法の才能を持った人間が僅かながらに存在した。
魔法を使える人間は政府によって管理され、国の財産として扱われ、重用された。魔法士と呼ばれる彼らはその力故に一般人からは排斥されたが、しかし、その能力は今では間違いなく社会の中の重要な位置を占める要素となっていた。
椎葉十郎(しいばじゅうろう)もそんな魔法士の一人。力ある魔法士だった姉の後を追うようにして魔法士となり、特別対策局という優秀な魔法士の集う組織に属していたが、今は田舎の魔法士養成の専門学校で教官役を務めていた。
そんな彼は先日学校を巻き込むテロ事件に遭遇したが、それを生徒たちの協力を得ながら撃退。結果として生徒の一人・雛咲月子(ひなさきつきこ:12歳)という優秀な女生徒の信頼を得ることに成功したのだった。
学園生活が平穏に続いていくはずだったのだが、事件はやはり向こうから舞い込んできて・・・という2巻です。

今回は

登場人物が微増します。特に今後の展開に大きな影響がありそうなのは、あらたに見習い講師として赴任してくることになった卯滝唯里という少女ですね。若干15歳という年齢ながら、その優秀な魔法士としての才能を買われた少女です。

「あ、そうそう、自己紹介でした! 卯滝唯里、一五歳、本日からここでお世話になります! お二人ともよろしくお願いしますっ!」

内気というか地味な月子の真逆とも言えそうな元気な少女ですね。しかも特別対策局に強いあこがれを持っていて、当然そこの出身である十郎にも興味津々だという・・・まあつまり、月子のライバルですな。

ま、

そんなテコ入れを加えつつ話は展開するんですが、今回は偶然という感じの巻き込まれ型で話が進みます。
でも・・・全体で見たときにど〜もアラが目立つんですよねこの話。面白いとかつまらないという事とは別に、なんとなく無理があるというか・・・。事件への巻き込まれ方がどうなんだというか、そこでそうなったりしちゃうのは都合が良すぎないかというか、そんなんです。うーむ、なんとも微妙なんです。
舞台に対してのキャラクターの配置が下手というか、演出が上手くないというか、そんな印象を受けますね。シナリオは全体として見たときになかなか良くても、そのあたりで損をしている感じがします。

総合

まあ押さえておく感じで感想を書いておきますが・・・期待もこめつつ星3つかな・・・。
全体で見たときに微妙だという話は上で書いてますが、点で見ると結構印象に残るところがない訳ではありません。ラストシーン近くでの唯里の反応はライトノベルでは「ありそうでない」反応でしたし、その前の月子の反応もやっぱりライトノベルでは「ありそうでない」反応でした。・・・うん、なんとなく次に期待したくなるようなところを感じなくもないのです。
そういえばいま感想を書いている最中に何となく思い出したんですけど、ヒロインの月子って12歳って設定なんですよね・・・その割には幼さが全然描写されなくて、なんというか・・・もの凄くもったいない使われ方をしているなあとか思いました。少女は上手く書けば子犬とか子猫とかと同じくらい反則技として機能するんですし、どうせ出しているんだからそのあたりをもう少し上手くやって欲しいとか思いましたね・・・。
つーか、月子の年齢が何歳だか分からなくなるのはイラストにも原因があるでしょうね。パッと見で「貧乳女子高生」って感じですからなあ・・・。これじゃあ幾ら頑張って、

「私が心配なら、ずっとずっと傍にいて! 私の先生でいて! 誰かのものにならないといけないなら、先生のものにして!」

とかって言っても、俺のロリセンサーは反応しませんな・・・。いや、凄いこと言ってるけどね。

感想リンク