ギャルゴ!!!!!(4)ー地獄天国直通大全ー

ギャルゴ!!!!!〈4〉地獄天国直通大全 (MF文庫J)

ギャルゴ!!!!!〈4〉地獄天国直通大全 (MF文庫J)

ストーリー

田中春男(たなかはるお)は一見何の変哲も無い中学二年生である。
しかし、彼は「ギャルゴ」という恐るべき二つ名を持っていた。それは・・・「ギャルゲーゴッド」略して「ギャルゴ」である。何故なら彼はギャルゲーでは常勝無敗、ありとあらゆるギャルゲーキャラを一撃の下に落とし続けてきた伝説の男だからであった。
これは彼の特異体質とも呼べる資質によるものである。

『春男ちゃんは多くの女性に愛される運命だと、占いがでています
人間以外の多くの女性に愛される運命です』

そんな予言の通り、人外の存在から悉く愛されてしまうギャルゴこと田中春男だったが、今まではそうして仲良くなった人外の女性たちと協力して、地方都市伝説(地伝)を解消し、それを広めている謎の存在・噂長(そんちょう)と間接的に戦い続けてきたのだった。
しかし、そんな春男の元についに噂長からの直接のコンタクトが! これにより春男の周りの緊張感はいきなりアップ、さらには複数の地伝が平行して起こる地伝大フィーバー状態に受け身受け身になってしまう春男。
そんなギャルゴの戦いに明日はあるのか!? 妙なテンポの語り口と、読者を裏切る展開で楽しませてくれるシリーズの4巻です。

ほほぉ〜

今回はこれ1冊で終わらないんですね。
なんというか序盤から終盤までぶっ飛ばしているという感じです。ここにきて遂にこのボケボケとしたシリーズもトップギアに入ったか? と思える展開で楽しませてくれます。

「実はさ、最近クラスのある女の子と仲良くなったんだ」
僕がそれをいったあとの、三人の顔の強ばりかたは異常だった。
「春男なにいってるの? 恋愛シュミレーションゲームにでてくる女の子のことじゃないのよ。他人様の娘さんの話よ。まさかもう、その子と隠語しりとりしたの?」
「あ、あなた、その子はどこのポジションの子なの? ピッチャーなの? 内野なの? 外野なの? ま、まさか、キャッチャーじゃないよね。その子とはもうバッティングセンターにいったの?」
「ワァン、ワァン、ワァーン」

・・・ギャルゴが人間の女の子と仲良くなるだけで落ち着きの無くなる女性陣。読者の人なら分かると思いますが、順にエリアス、ライム、かま子です。しかし一体それはどんな例え話なんだ。

序盤はその”仲良くなった女の子”ことハナを台風の目にして話が動きます。

「田中君がハナを救ってくれたんです」

そんな言葉と一緒に明かされる謎多き娘であるハナの過去・・・。悲しい過去でちょっとメローな展開になりますが、ハナはまた同時に「実は噂長ではないのか」という怪しさ全開の少女でもあります。
春男たちは疑心暗鬼の状況で複数の地伝と向き合いつつ、噂長と戦う決意をするのですが・・・そんな矢先に先制パンチが降ってきます。

『ハルォ君へ
いま帰ると後悔しちゃうよ。授業に戻らなくてぃぃのカナ???
                                                              親切なそんちょより』

この後の展開は地伝の大盤振る舞いという感じですから、是非読んで見て欲しいところです。

ところで

この話、ギャルゴと人外の娘+人間の娘のちょいラブな感じを楽しむだけでも十分面白いんですが、今回はその展開に「一体噂長は誰なのか?」というミステリチックな楽しさも交えられているので、いつもより面白さ2割増し位に感じました。
プチ神隠し、バリ4、歌沫姫という3つの地伝だけでも大変なのに、今回はさらに謎の少女・由井妃唯という新キャラまで出てくるので大変です。
でも、その割には読んでいてすっきりしているんですよね。言葉につまずかないというか、リズムに乗っているうちにどんどんと読めてしまうと言うか・・・。その辺りに作者の巧さを感じます。特に例え話をさせると非常に上手いという印象がありますね。等身大の言葉と語彙で、上手いこと物事を表現していると思ったりしました。

総合

安心して星4つ。
今回は話が「つづく」になってしまうんだけど、それでも十二分に面白いんです。
しかしよくもまあ次から次へとへんな「地方都市伝説」を思いつくなあ・・・と妙に感心したりします。なんというか、程よくチープなんですよね。今回出てくる「バリ4」の地伝なんていかにもどこかでそんな噂が流れたことがありそうな感じです。いかにもどこかにありそうな、でも絶対にありえない感じの程よいいい加減さ。・・・こういうのって狙って考えるの難しいんじゃないかと思うんですよ。
しかし、今回も凶悪なヒキで困りましたねえ! このボケボケした話のことを「続きが早く読みたい!」と思う日がやって来るとは思いませんでした。やるな。

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