俺の妹がこんなに可愛いわけがない(2)

ストーリー

俺の妹は雑誌のモデルなんかをやっていながら成績優秀、スポーツ万能などの機能を兼ね備えた超高めの娘な訳だが、一つだけどうしようもない趣味を(隠し)持っていたのだ。
人はそれを――オタク趣味という。
しかも18禁のエロゲなどを好んでプレイしたりするかなりディープな所まで既に足を踏み込んでいる、一般的にはもう戻れないと思われるところまでドップリとオタクなのだ! しかも最近では兄である俺にエロゲのプレイを強要してきたりもする非常に困った妹だったりする。さらには兄の俺に向かって口を開くときは一言目には罵倒、二言目には暴言というどうしようもなく可愛くない妹でもある。
が・・・、しばらく前に一つの切っ掛けを元に、天と地ほど離れていた兄妹の心の距離が多少縮まったようなのだった。もちろん兄の俺が泥を被るような決着だった訳だけれども・・・まあ、別にそれでよかったのかな、などと思っていたりする。
そんな妹が夏の「あるイベント」を切っ掛けにまた変なトラブルを連れてきて・・・? というのが今回の話なんだけども。どー考えても他の感想ブログから大きく出遅れているだろうなあ・・・別にいいんだけどさ。
という「俺の妹がこんなに可愛い訳がない」の2巻です。

う〜ん

読んでいて非常に心地よい、というのが最初の印象ですね。それは読者である私と、語り手である兄・京介の心の位置がとても近い感じがするからなんですが。
え〜私と言えばライトノベルの感想ブログなどと言ったものを運営している位ですから、自分ではそこそこのオタクなんじゃないかな〜などと思ってはいるんですが、そうは言っても

  • アニメはあんまり見ない
  • 漫画もほとんど読まない
  • エロゲもタシナム程度
  • 同人誌なんて買ったことない
  • コミケなんて行ったこともない
  • グッズの収集癖もない

という塩梅ですからして、オタクオブオタクの人からすると

「ケッ、テメーなんてオタクじゃね〜!」

とか言われそうな人種な訳ですよ。オタグッズよりもカリビアンコムの方が好きですよ、ニコニコ動画よりもYourFileHostの方が滞在時間長いですよ、という感じですから、うん、この京介の感じることにとても共感してしまうのですね。
オタクを養護したくなるほどオタクじゃないし、オタクを嫌悪するほどオタクでも無い、そんな私です。

であるからし

基本普通の人、である主人公の京介の視点になんの苦痛もなく入り込めてしまうのですね。これが読んでいて気持ちいいんです。
ドップリとオタクかと言われるとそうでもない、でも全くオタクじゃないかと言われればそうでもない。散りばめられたネタが全部分かる訳ではないけど、全く分からないという訳でもない・・・何とも言えない本作の中庸な視点が安心感を与えてくれます。
ツンツンツンツンデレくらいの鬼のような妹で刺激を与えてきたかと思えば、麻奈実というほんわかまったり系の少女のエピソードなんかもきっちり中に挟んできて、その辺りのバランス感覚も良いと思いましたね。

総合

星4つですね。
前回は随分とあちこちのサイトで取り上げられたみたいですか、今回はどうなんでしょうね?
話題性という意味では1巻の方が上でしょうが、この2巻も安心して楽しめる良作となっていると思います。あちこちにネット系のネタを交えつつ、しかも今回はオタク趣味に対する誤解を交えたトラブルも一層ヒートアップしており、その関係で連れてくる兄の骨折りもちょっと大きくなってます。
まあ最後は最後はきっちり力業で締めてくれて――まあちょっと強引ではありますが――いますしね。あと、なんだかんだ言ってハートフルな家族愛ものなのも悪くありません。とにかく安心して続編として楽しむことが出来るんではないでしょうか。
もし3巻が出るのであれば、兄の方の恋愛模様に絡めた「困った妹」の姿もちょっと見てみたいような気がしますね〜。

感想リンク